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FILE.4 セイセンヘノイリグチ
FILE.4 エピローグ
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「すまないが湯を沸かしてくれるか。それとタオルをいくつか頼む、部下の体調が急に悪くなった」
「あ、ああ、ちょっと待っててくれ……!」
ウォールの体を始末したブロウエルはカイルを宿の中へと引っ張り込み、受付にいた主人に冷えた体を温めるお湯と体を拭くためのタオルを頼むとロビーの床に寝かせる。
一息つき、片膝で帽子の位置を直していると慌てた声を出しながらエリザが駆け寄ってきた。
「カ、カイル!?」
「騒ぐなエリザ大佐、少し負担がかかっただけだ」
「ブロウエル大佐……!? どうして貴方がここに……」
「話は後だ、まずはカイルを介抱せねばならん。頼めるか?」
「は、はい……!」
青い顔をして目をつぶっているカイルを見てエリザはいつもの毅然とした口調を忘れてしまうほど動揺していた。
ブロウエルに言われて濡れたカイルの上着を脱がせていると、フルーレとサラが姿を現す。
『カイル!?』
「カ、カイルさん……。エリザ大佐、なにがあったんですか?」
「私にも分からないの、カイルの部屋に行ったらイリスとシュナイダーだけ寝ていたから探しにきたんだけど……」
「フルーレ少尉と……お前は?」
「ブロウエル大佐……!?」
フルーレは咄嗟に敬礼をしブロウエルも返礼する。視線はサラに向けたままで口を開いた。
「……なるほど、‟終末の子”か。ヴィクセンツ領の『遺跡』はなんとかなったか。エリザ大佐、全員起こしてすぐに戻るぞ」
『……!?』
「し、しかし……」
「急を要することだ、カイルも然るべき処置をせねばならんからな」
ブロウエルが踵を返すと、気をいつもの調子に戻したエリザが立ち上がって息を吸い、抗議の声を上げる。
「いきなり現れてそんなことを言われても納得がいきません! カイルも安静にした方がいいと思いますがいかがでしょうか? それと説明を要求します」
「それは戻ってから話をするつもりだ。カイルは賊の影響で少し油断しただけ、身体的になにも問題はない。急いでくれ、車は私が運転する。私が乗って来た単車は隊の誰かに頼めるか?」
「ブロウエル大佐!」
「エリザ大佐、ここは……」
さらに激昂するエリザにフルーレが慌てて止めに入り、エリザは他の宿泊客と主人に注目されていることに気づいて歯噛みしながらブロウエルへ言う。
「了解です……!」
「フルーレ少尉、すまないがイリスとシュナイダーをお願いできるか? 隊は私が起こしてくる」
「あ、はい! 承知しました! サラ、カイルさんをお願い」
『ええ、いいわよ』
「……? お願いね! あ、この子にタオルとお湯を――」
エリザとフルーレが慌ただしく立ち去る中、サラは二人の姿が消えるのを確認した後、外に出ようとしたブロウエルの背中に声をかけた。
『待ちなさい。私を終末の子だと即断したのはどうして? ガイラルの部下なら知っている人も居るでしょうけど、名乗りもしない内からよく分かったわね』
「……消去法だ、ヴィクセンツ領に行って見知らぬ者が居ればそう考えても不思議ではあるまい。話はそれだけか? 急を要する、お前達の製作者が現れたらしい」
『製作者……?』
「『モルゲン=フィファール博士』で通じるか?」
『……!? それを知っているあなたはまさか――』
「それ以上は言うな、お前を処分せねばならんからな」
サラが槍を取り出そうとした瞬間、目の前に居たブロウエルはすでにダガーを抜いて振り返っており、冷や汗をかいて動作を中止して喉を鳴らす。
『……敵じゃないのね?』
「無論だ。陛下をお守りせねばならんからな。お前が終末の子であるならカイルを守れ、それが全ての救済に繋がる……はずだ」
『……』
そう言い放ちブロウエルは外へと躍り出てカイルの乗って来た車へ向かう。
サラは目で追いながらカイルの介抱を始めると、やがて第五大隊と寝ぼけ眼のイリスとシュナイダーが降りてくる。
『眠いです……』
「ほら、抱っこしてあげるから」
『お父さんがいいです……』
「あはは……大佐、カイルさんがこの状態だとイリスちゃんがパニックになるかもしれないので先に自動車へ連れて行きますね」
「カイルは目が覚めないのか……一体なにが……?」
「今はその件は無しで頼む。それより単車は誰が乗るか決まったか?」
着替えて荷物を持ったエリザが部下に尋ねると、青い顔で呻くパシ―の姿があった。
「こいつが乗ります」
「か弱い女の子にこの雨の中、単車ですか!? 上官がやりますよね!?」
「いや、ウルラッハ少佐は無理だろ? 体がでかいし。俺は馬車の御者がからキルライヒ中佐と二択だ」
「俺は馬には乗れるが、単車に乗れんからな。お前は結構カイルに頼んで乗って遊んでたろ」
「あああああ! サボって遊んでいたツケがこんなところでっ!」
「よし、決まったならすぐに出るぞ、自動車にはカイルとフルーレ少尉、それとイリス。他は私と一緒に馬車だ」
「「「「はい!」」」」
――そして部隊は降りしきる雨の中、一路ゲラート帝国へ帰還を果たす。
城へ到着するとブロウエルはすぐにカイルを運び出し、カーミル大佐の居る医療施設へと向かう。
「フルーレ少尉、イリスとサラを連れて一緒に来てくれ。第六大隊の君が居れば話が早い」
「りょ、了解です! 結局目を覚ましませんでしたね」
「……エリザ大佐は陛下を呼んできてもらえるか?」
「了解」
フルーレの言葉には返事をせず、エリザにガイラルを呼ぶように依頼をし、彼女が立ち去るのを見てブロウエルはカイルを背負い歩き出す。
『お父さん、大丈夫でしょうか……』
「わふ……」
イリスの心配が的中するかのように、カイルはそこから――
FILE4.聖戦への入り口 FIN
NEXT Episode……FILE5.『キョウキノカガクシャ』
「あ、ああ、ちょっと待っててくれ……!」
ウォールの体を始末したブロウエルはカイルを宿の中へと引っ張り込み、受付にいた主人に冷えた体を温めるお湯と体を拭くためのタオルを頼むとロビーの床に寝かせる。
一息つき、片膝で帽子の位置を直していると慌てた声を出しながらエリザが駆け寄ってきた。
「カ、カイル!?」
「騒ぐなエリザ大佐、少し負担がかかっただけだ」
「ブロウエル大佐……!? どうして貴方がここに……」
「話は後だ、まずはカイルを介抱せねばならん。頼めるか?」
「は、はい……!」
青い顔をして目をつぶっているカイルを見てエリザはいつもの毅然とした口調を忘れてしまうほど動揺していた。
ブロウエルに言われて濡れたカイルの上着を脱がせていると、フルーレとサラが姿を現す。
『カイル!?』
「カ、カイルさん……。エリザ大佐、なにがあったんですか?」
「私にも分からないの、カイルの部屋に行ったらイリスとシュナイダーだけ寝ていたから探しにきたんだけど……」
「フルーレ少尉と……お前は?」
「ブロウエル大佐……!?」
フルーレは咄嗟に敬礼をしブロウエルも返礼する。視線はサラに向けたままで口を開いた。
「……なるほど、‟終末の子”か。ヴィクセンツ領の『遺跡』はなんとかなったか。エリザ大佐、全員起こしてすぐに戻るぞ」
『……!?』
「し、しかし……」
「急を要することだ、カイルも然るべき処置をせねばならんからな」
ブロウエルが踵を返すと、気をいつもの調子に戻したエリザが立ち上がって息を吸い、抗議の声を上げる。
「いきなり現れてそんなことを言われても納得がいきません! カイルも安静にした方がいいと思いますがいかがでしょうか? それと説明を要求します」
「それは戻ってから話をするつもりだ。カイルは賊の影響で少し油断しただけ、身体的になにも問題はない。急いでくれ、車は私が運転する。私が乗って来た単車は隊の誰かに頼めるか?」
「ブロウエル大佐!」
「エリザ大佐、ここは……」
さらに激昂するエリザにフルーレが慌てて止めに入り、エリザは他の宿泊客と主人に注目されていることに気づいて歯噛みしながらブロウエルへ言う。
「了解です……!」
「フルーレ少尉、すまないがイリスとシュナイダーをお願いできるか? 隊は私が起こしてくる」
「あ、はい! 承知しました! サラ、カイルさんをお願い」
『ええ、いいわよ』
「……? お願いね! あ、この子にタオルとお湯を――」
エリザとフルーレが慌ただしく立ち去る中、サラは二人の姿が消えるのを確認した後、外に出ようとしたブロウエルの背中に声をかけた。
『待ちなさい。私を終末の子だと即断したのはどうして? ガイラルの部下なら知っている人も居るでしょうけど、名乗りもしない内からよく分かったわね』
「……消去法だ、ヴィクセンツ領に行って見知らぬ者が居ればそう考えても不思議ではあるまい。話はそれだけか? 急を要する、お前達の製作者が現れたらしい」
『製作者……?』
「『モルゲン=フィファール博士』で通じるか?」
『……!? それを知っているあなたはまさか――』
「それ以上は言うな、お前を処分せねばならんからな」
サラが槍を取り出そうとした瞬間、目の前に居たブロウエルはすでにダガーを抜いて振り返っており、冷や汗をかいて動作を中止して喉を鳴らす。
『……敵じゃないのね?』
「無論だ。陛下をお守りせねばならんからな。お前が終末の子であるならカイルを守れ、それが全ての救済に繋がる……はずだ」
『……』
そう言い放ちブロウエルは外へと躍り出てカイルの乗って来た車へ向かう。
サラは目で追いながらカイルの介抱を始めると、やがて第五大隊と寝ぼけ眼のイリスとシュナイダーが降りてくる。
『眠いです……』
「ほら、抱っこしてあげるから」
『お父さんがいいです……』
「あはは……大佐、カイルさんがこの状態だとイリスちゃんがパニックになるかもしれないので先に自動車へ連れて行きますね」
「カイルは目が覚めないのか……一体なにが……?」
「今はその件は無しで頼む。それより単車は誰が乗るか決まったか?」
着替えて荷物を持ったエリザが部下に尋ねると、青い顔で呻くパシ―の姿があった。
「こいつが乗ります」
「か弱い女の子にこの雨の中、単車ですか!? 上官がやりますよね!?」
「いや、ウルラッハ少佐は無理だろ? 体がでかいし。俺は馬車の御者がからキルライヒ中佐と二択だ」
「俺は馬には乗れるが、単車に乗れんからな。お前は結構カイルに頼んで乗って遊んでたろ」
「あああああ! サボって遊んでいたツケがこんなところでっ!」
「よし、決まったならすぐに出るぞ、自動車にはカイルとフルーレ少尉、それとイリス。他は私と一緒に馬車だ」
「「「「はい!」」」」
――そして部隊は降りしきる雨の中、一路ゲラート帝国へ帰還を果たす。
城へ到着するとブロウエルはすぐにカイルを運び出し、カーミル大佐の居る医療施設へと向かう。
「フルーレ少尉、イリスとサラを連れて一緒に来てくれ。第六大隊の君が居れば話が早い」
「りょ、了解です! 結局目を覚ましませんでしたね」
「……エリザ大佐は陛下を呼んできてもらえるか?」
「了解」
フルーレの言葉には返事をせず、エリザにガイラルを呼ぶように依頼をし、彼女が立ち去るのを見てブロウエルはカイルを背負い歩き出す。
『お父さん、大丈夫でしょうか……』
「わふ……」
イリスの心配が的中するかのように、カイルはそこから――
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