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第16話 元聖女、親切な冒険者と再会する
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冒険者ギルドを後にしたセーナは、大通りの一角を歩きながら周囲をきょろきょろと眺めていた。
気になることはあるが、今は気にしても仕方がない上に、未だ今日泊まる宿が決まっていないのだ。
そもそも考えるだけならば宿でも出来るのだし、まずは宿を探すのが先決であった。
「まあとはいえ、思った以上に宿は沢山ありそうですし、贅沢を言わなければ泊まる先を見つけるのは難しくなさそうですね」
とはいえ、元々贅沢をするつもりはないものの、ある程度は厳選する必要はあるだろう。
格安の宿などはその時点で論外だ。
そういった宿に泊まるのは新人冒険者ならば珍しいことではない……どころか基本ですらあるらしいのだが、集団での雑魚寝だったりボロボロすぎてセキュリティのセの字も存在しないようなものしかないらしい。
姉達からはもし冒険者になったとしても絶対泊まるのは止めるよう言われていたし、セーナとしてもさすがにそんなところに泊まれるほど危機感がないわけではないので、少なくともしっかりとした部屋に泊まることの出来る宿を探す必要があった。
「その場合宿泊費は相応のものとなってしまうでしょうが……まあ、それは仕方ありませんしね」
何とかして稼ぐしかないだろう。
そんなことを考えながら幾つかの宿を見てみて分かったことは、とりあえず大通り沿いにある宿に泊まるのは無理そうだということであった。
どれだけ安くとも、銀貨五十枚――前世の感覚で言えば、五万円はするのだ。
その分安全は確保されるのだろうが、さすがに予算オーバーである。
「まあ大通りに面している宿は基本的に一部の冒険者……それこそDランク以上の方を対象とされているみたいですし、泊まろうとすること自体が間違いですか」
それよりも下のランクの冒険者は、一本脇道にそれた先にある宿屋などを利用するのが一般的らしい。
親切に教えてくれた宿の人にお礼を言って、宿を出たところでセーナは周囲を見渡した。
すぐ傍に脇道があったので覗いてみれば、確かにその先にもポツポツと人の流れがある。
大通りを歩いている人に比べれば多少みすぼらしそうな格好をしている者も増えているも、踏み込んだらすぐに危険な目に遭うということはないだろう。
この周辺は特に宿が集まっているという話だったので、とりあえず今度は適当にこちら側を見てみるべきだろうか、などと思いながら顔を戻し、そこでセーナは一瞬動きを止めた。
視線の先に、数時間前にあの穴場を教えてくれた冒険者がいたからだ。
ただ、向こうはセーナには気付いていないようで、隣にいる仲間だろう男と話をしながら少しずつセーナの方へと近付いてきている。
やがて声の届く場所にまで近付き、思い切って声をかけた。
「あ、あの、すみません……!」
「んあ……? なんだ、俺か? 何だよ面倒くせえことはご免――」
と、言葉を口にしながらセーナの方へと顔を向け、そこでようやく男はセーナのことに気付いたらしい。
こんなところで再会するとは思わなかったのか、直後にその目が大きく見開かれる。
ちょっと驚きすぎのような気もしたが、まあこうして少し歩くだけでもこの街に冒険者が沢山いることは分かったのだ。
こんな風に待ち合わせをするでもなく一日のうちに二度遭遇するというのは、セーナが考えている以上に珍しいことなのかもしれない。
そして何にせよ、どうでもいいことだ。
セーナがわざわざ男を呼び止めたのは、改めて礼を告げるためだったのだから。
「その、先ほどはありがとうございました。おかげさまで色々なものが採集出来ましたので、これから何とか冒険者としてやっていけそうです」
そう言って頭を下げるも、いつまで経っても返答はなかった。
不思議に思い頭を上げると、男の顔にはまだ驚きが浮かんでいる。
はて、自分と再会するということは、そこまで驚くようなことなのだろうか。
「えっと、その……?」
「あ? あ、ああ……そうか……あそこに行って、無事に戻ってこれたのか」
「はい、見ての通りです」
「そうか……ど、どうだった? 言った通り、穴場だったろ?」
「はい! 本当に助かりました! 本当にありがとうございます……!」
「い、いや……なあに、言っただろ? 助け合うのは当然だってな。っと、それよりも、もういいか? これから俺達はちょっと用事があってよ。なあ?」
「あ、ああ……」
「あっ、そうだったんですね。すみません、呼び止めてしまって」
「いや、気にする必要はねえよ。それじゃあな」
「はい。本当にありがとうございました」
何度も頭を下げるセーナに、もういいとでも言うかのように片手をひらひらと振ると、男達はその場から去っていってしまった。
出来ればもっとしっかりとした礼をしたかったのだが、何となくそういうのは望んでいなかったように見えたし、これでよかったのかもしれない。
「……まあ、どうやら今のわたしの目は完全に節穴なようなので、それも正しいのかは分かりませんが」
というのも、あの男の目に浮かんでいた感情は、やはり言動とはまったく異なるものだったように見えたのだ。
一言で言い表してしまうのであれば、それは恐怖であった。
だが穴場の情報を教えただけの相手にそんな感情を抱く理由などあるわけがないし、やはり今生での生活の中で聖女時代に培った目は曇ってしまったということなのだろう。
まあ、あそこは本当は穴場などではなかったのだが、予想外の出来事が重なった結果偶然穴場となった、とでもいったことが起こったのであれば話はまた別ではあるも、さすがにそんなことは有り得まい。
そんなことを有り得ると考えるぐらいならば、セーナの目が曇ったと考えた方が何倍も有り得る。
「まあ、元々好きで手にしたものでなければ、なければ困るというものでもありませんしね。ないならないで、やりようはありますし」
自分の受けた印象で判断せず、しっかりと交流を深めることによって相手を理解する。
当たり前のことを当たり前にやるだけだ。
「さて……ともあれ、宿屋探しを再開するとしましょうか」
まだ日は出ているものの、とうに傾き始めている。
夜の帳が下り始めるのも、そう遠いことではあるまい。
そうなる前に泊まる場所を決める必要があった。
既に人ごみに紛れて見えなくなってしまった背中に、もう一度だけ頭を下げると、セーナは宿屋探しを再開するべく、脇道へと足を向けるのであった。
足早に何処へとともなく歩いていた男達は、どちらからともなく口を開いていた。
「おい……どういうことだよ?」
「んなのこっちが知りてえっての。何で生きてやがんだよ……まさか、途中で気付いて逃げ帰ってきたってのか……?」
「そんな様子には見えなかったけどな……。皮肉、ってわけでもなさそうだったしよ」
「ってことは……実はあれで凄腕だったってことか……?」
冒険者の実力というものは、基本的にはランクとほぼ比例しているものの、必ずそうだというわけではない。
特に新人は必ずGランクから始まることもあって、物凄い実力を持っているのにランクが低い、ということも有り得るのだ。
もっとも、実力があるのならば冒険者にならずとも兵になったりと他に道はあるため、ほぼないも同然なのだが……それでも、有り得ないわけではない。
というか、Bランクの森に行って難なく戻ってくるなど、それ以外考えられなかった。
「まあ確かにまったくそうは見えなかったけどよ……ただまあ、あのブラッディエッジだって実は華奢な女だって噂だしな」
「それ噂っていうかただの与太話じゃねえか。いっつも仮面被ってる上に分厚いコート着てるやつの正体なんてどうやったら分かんだよ」
「はぁー……これだからお前は。相変わらず浪漫が分からないやつだな」
「与太話に踊らされるぐらいならんなの理解出来る必要はねえよ」
そんなくだらない話を笑って交わしながら、男達はどこへともなく歩いていく。
目的はなく、ただ何かから逃げるように。
本当は男達も理解していたのだろう。
だから、確信に触れることだけはしないままに、話題を切り替えた。
あの少女がとてつもない実力の持ち主だろうと、そんなことは問題ではないのだ。
問題は、あの少女が生き残ってしまったという事実である。
少女が男達の嘘に気付いていようといまいと、それもまた関係はない。
少女が生きているというだけで、男達が彼女を陥れようとした証拠が残ってしまうのだから。
かといって、最早どうにもすることは出来なかった。
男達は心底クズではあったが、自分達でそのことを理解しているからこそ用意周到に今までは行ってきたのだ。
ギルドからほぼ確証レベルで疑われることはあっても、絶対に証拠を残すことはしなかった。
それが今回は失敗してしまったのである。
で、ある以上は――その末路は、一つしかなかった。
その日人知れず、とある二人の冒険者の名が冒険者ギルドから抹消されることとなる。
それと共にその二人の姿も街からは消えたが……二人がその後どうなったのかを知る者は、誰も存在していないのであった。
気になることはあるが、今は気にしても仕方がない上に、未だ今日泊まる宿が決まっていないのだ。
そもそも考えるだけならば宿でも出来るのだし、まずは宿を探すのが先決であった。
「まあとはいえ、思った以上に宿は沢山ありそうですし、贅沢を言わなければ泊まる先を見つけるのは難しくなさそうですね」
とはいえ、元々贅沢をするつもりはないものの、ある程度は厳選する必要はあるだろう。
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姉達からはもし冒険者になったとしても絶対泊まるのは止めるよう言われていたし、セーナとしてもさすがにそんなところに泊まれるほど危機感がないわけではないので、少なくともしっかりとした部屋に泊まることの出来る宿を探す必要があった。
「その場合宿泊費は相応のものとなってしまうでしょうが……まあ、それは仕方ありませんしね」
何とかして稼ぐしかないだろう。
そんなことを考えながら幾つかの宿を見てみて分かったことは、とりあえず大通り沿いにある宿に泊まるのは無理そうだということであった。
どれだけ安くとも、銀貨五十枚――前世の感覚で言えば、五万円はするのだ。
その分安全は確保されるのだろうが、さすがに予算オーバーである。
「まあ大通りに面している宿は基本的に一部の冒険者……それこそDランク以上の方を対象とされているみたいですし、泊まろうとすること自体が間違いですか」
それよりも下のランクの冒険者は、一本脇道にそれた先にある宿屋などを利用するのが一般的らしい。
親切に教えてくれた宿の人にお礼を言って、宿を出たところでセーナは周囲を見渡した。
すぐ傍に脇道があったので覗いてみれば、確かにその先にもポツポツと人の流れがある。
大通りを歩いている人に比べれば多少みすぼらしそうな格好をしている者も増えているも、踏み込んだらすぐに危険な目に遭うということはないだろう。
この周辺は特に宿が集まっているという話だったので、とりあえず今度は適当にこちら側を見てみるべきだろうか、などと思いながら顔を戻し、そこでセーナは一瞬動きを止めた。
視線の先に、数時間前にあの穴場を教えてくれた冒険者がいたからだ。
ただ、向こうはセーナには気付いていないようで、隣にいる仲間だろう男と話をしながら少しずつセーナの方へと近付いてきている。
やがて声の届く場所にまで近付き、思い切って声をかけた。
「あ、あの、すみません……!」
「んあ……? なんだ、俺か? 何だよ面倒くせえことはご免――」
と、言葉を口にしながらセーナの方へと顔を向け、そこでようやく男はセーナのことに気付いたらしい。
こんなところで再会するとは思わなかったのか、直後にその目が大きく見開かれる。
ちょっと驚きすぎのような気もしたが、まあこうして少し歩くだけでもこの街に冒険者が沢山いることは分かったのだ。
こんな風に待ち合わせをするでもなく一日のうちに二度遭遇するというのは、セーナが考えている以上に珍しいことなのかもしれない。
そして何にせよ、どうでもいいことだ。
セーナがわざわざ男を呼び止めたのは、改めて礼を告げるためだったのだから。
「その、先ほどはありがとうございました。おかげさまで色々なものが採集出来ましたので、これから何とか冒険者としてやっていけそうです」
そう言って頭を下げるも、いつまで経っても返答はなかった。
不思議に思い頭を上げると、男の顔にはまだ驚きが浮かんでいる。
はて、自分と再会するということは、そこまで驚くようなことなのだろうか。
「えっと、その……?」
「あ? あ、ああ……そうか……あそこに行って、無事に戻ってこれたのか」
「はい、見ての通りです」
「そうか……ど、どうだった? 言った通り、穴場だったろ?」
「はい! 本当に助かりました! 本当にありがとうございます……!」
「い、いや……なあに、言っただろ? 助け合うのは当然だってな。っと、それよりも、もういいか? これから俺達はちょっと用事があってよ。なあ?」
「あ、ああ……」
「あっ、そうだったんですね。すみません、呼び止めてしまって」
「いや、気にする必要はねえよ。それじゃあな」
「はい。本当にありがとうございました」
何度も頭を下げるセーナに、もういいとでも言うかのように片手をひらひらと振ると、男達はその場から去っていってしまった。
出来ればもっとしっかりとした礼をしたかったのだが、何となくそういうのは望んでいなかったように見えたし、これでよかったのかもしれない。
「……まあ、どうやら今のわたしの目は完全に節穴なようなので、それも正しいのかは分かりませんが」
というのも、あの男の目に浮かんでいた感情は、やはり言動とはまったく異なるものだったように見えたのだ。
一言で言い表してしまうのであれば、それは恐怖であった。
だが穴場の情報を教えただけの相手にそんな感情を抱く理由などあるわけがないし、やはり今生での生活の中で聖女時代に培った目は曇ってしまったということなのだろう。
まあ、あそこは本当は穴場などではなかったのだが、予想外の出来事が重なった結果偶然穴場となった、とでもいったことが起こったのであれば話はまた別ではあるも、さすがにそんなことは有り得まい。
そんなことを有り得ると考えるぐらいならば、セーナの目が曇ったと考えた方が何倍も有り得る。
「まあ、元々好きで手にしたものでなければ、なければ困るというものでもありませんしね。ないならないで、やりようはありますし」
自分の受けた印象で判断せず、しっかりと交流を深めることによって相手を理解する。
当たり前のことを当たり前にやるだけだ。
「さて……ともあれ、宿屋探しを再開するとしましょうか」
まだ日は出ているものの、とうに傾き始めている。
夜の帳が下り始めるのも、そう遠いことではあるまい。
そうなる前に泊まる場所を決める必要があった。
既に人ごみに紛れて見えなくなってしまった背中に、もう一度だけ頭を下げると、セーナは宿屋探しを再開するべく、脇道へと足を向けるのであった。
足早に何処へとともなく歩いていた男達は、どちらからともなく口を開いていた。
「おい……どういうことだよ?」
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「そんな様子には見えなかったけどな……。皮肉、ってわけでもなさそうだったしよ」
「ってことは……実はあれで凄腕だったってことか……?」
冒険者の実力というものは、基本的にはランクとほぼ比例しているものの、必ずそうだというわけではない。
特に新人は必ずGランクから始まることもあって、物凄い実力を持っているのにランクが低い、ということも有り得るのだ。
もっとも、実力があるのならば冒険者にならずとも兵になったりと他に道はあるため、ほぼないも同然なのだが……それでも、有り得ないわけではない。
というか、Bランクの森に行って難なく戻ってくるなど、それ以外考えられなかった。
「まあ確かにまったくそうは見えなかったけどよ……ただまあ、あのブラッディエッジだって実は華奢な女だって噂だしな」
「それ噂っていうかただの与太話じゃねえか。いっつも仮面被ってる上に分厚いコート着てるやつの正体なんてどうやったら分かんだよ」
「はぁー……これだからお前は。相変わらず浪漫が分からないやつだな」
「与太話に踊らされるぐらいならんなの理解出来る必要はねえよ」
そんなくだらない話を笑って交わしながら、男達はどこへともなく歩いていく。
目的はなく、ただ何かから逃げるように。
本当は男達も理解していたのだろう。
だから、確信に触れることだけはしないままに、話題を切り替えた。
あの少女がとてつもない実力の持ち主だろうと、そんなことは問題ではないのだ。
問題は、あの少女が生き残ってしまったという事実である。
少女が男達の嘘に気付いていようといまいと、それもまた関係はない。
少女が生きているというだけで、男達が彼女を陥れようとした証拠が残ってしまうのだから。
かといって、最早どうにもすることは出来なかった。
男達は心底クズではあったが、自分達でそのことを理解しているからこそ用意周到に今までは行ってきたのだ。
ギルドからほぼ確証レベルで疑われることはあっても、絶対に証拠を残すことはしなかった。
それが今回は失敗してしまったのである。
で、ある以上は――その末路は、一つしかなかった。
その日人知れず、とある二人の冒険者の名が冒険者ギルドから抹消されることとなる。
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