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元最強賢者、模擬戦を行う 後編
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さて、そうしてリーン達の模擬戦は始まった……となればよかったのだが、残念なことにそうはならなかった。
始めようとしたところで、ハンネス達が揉め始めたからだ。
より正確には、ハンネスと先程幾度も怒鳴られていた桃色の少女が、ではあるが。
「で、ですから、何故でありますか……!?」
「あぁ!? だから何故もクソも、テメエが役に立たねえどころか、邪魔しかしねえからだろうが……! それが分かったやつを何でいつまでも俺の班に入れとかなきゃなんねえんだよ……!」
「そ、そう言わずに……! さっきよりももっと頑張るでありますから……!」
「さっきはそれでどんどん悪化していったんだろうが……! ったく、成績が良いっつうから入れてやったら、とんだ外れだったぜ! とにかく、テメエはクビだクビ! どこにでも好きなとこにいきやがれ!」
「そ、そんなでありますぅ……」
まあ要するに、先程の模擬戦で明らかに邪魔しかしていなかった少女をクビにしたのだ。
一応どうしても合わなかった場合を考え、今回の模擬戦では一人だけならば班を移動できることになっているので、それ自体は問題ない。
ついでに言うならば、これに関してはハンネスに非があるとは言えないだろう。
リーンから見ても、彼女の動きは邪魔にしかなっていなかったのだ。
最善を求めるのであればこそ、彼女をクビにするという判断を責めることは出来まい。
だがだからといって、少女の方がはいそうですかと素直に受け入れることが出来ないのも当然のことではある。
何せ――
「う、うぅ……あ、あの、というわけで、あっちの班をクビになってしまったのでありますが……こっちの班に入れてくれるでありますか?」
「い、いやあ……その、なあ?」
「あ、ああ……ほら、ハンネス達に負けちまったとはいえ、俺達も結構手応えあったしな?」
「そ、そうだよね、うん……それなりに連携も上手くいってたし、ここから一人増えちゃうのは、ちょっと厳しい、かな……?」
少女は項垂れながら、Aクラスの者達によって作られたもう一つのチームへといってみるも、入れてもらえそうな気配は皆無であった。
さもありなん。
戦闘時の彼女の様子を、敵として彼らはよく見ていたのだ。
敵だからよかったものの、あれを味方としてやられたら、と思うと到底受け入れることは出来ないだろう。
少女はそのこともしっかり理解しているからこそハンネスの言葉を受け入れる事が出来なかったのであり、しかし拒絶しようともハンネスが答えを翻す事がないだろうことは明白である。
と、なれば……まあ、後に残された選択肢は、一つしかない。
捨てられた子犬のような目をした少女の目が、リーン達へと向けられた。
「……ま、それしかないじゃろうな」
「でしょうね。……どうする?」
「そうですね……班が四つになった場合は、模擬戦をやる回数が、もう一回増えるんでしょうか?」
「そもそも一人の場合はさすがに集団戦を想定した模擬戦は出来ない気がするのじゃが? いや……対集団戦ということにすれば問題はないのじゃろうか?」
「う、うぅー、でありますぅ……」
こちらの言葉に、少女がどんどん涙目になっていく。
何とかして班に入れて欲しいが、言える立場ではないと自覚してもいるようだ。
そんな姿に苦笑を浮かべ、リーンは肩をすくめる。
「ま……こっちの班は実質Fクラスの集まりとなっているのじゃが、それでもよければ、といったところじゃな」
「えっ……? い、いいんであります、か?」
予想外だとばかりに少女は目を見開くが、少女を受け入れるというのは最初から決まっていたことであった。
そもそも嫌だったならば、エリナやユリアはもっとはっきりそう告げていたはずだ。
昨日知り合ったばかりではあるが、その程度のことならば分かる。
そしてリーンも異論はない。
この少女は、昨日からずっとハンネス達と一緒にはいたが……一度もリーン達のことを侮辱したり、蔑むような目で見てくることがなかったからである。
それだけと言えばそれだけのことではあるが、未だに互いのことなどよく知りはしないのだ。
ならば一つだけでも肯定できる要素があるのであれば、十分というものだろう。
そうして、本当に受け入れるつもりがある、ということを理解したのか、一転して少女の顔に笑みが浮かんだ。
「あ、ありがとうございますであります! このアウロラ・エラインラタ、精一杯役に立ってみせるであります!」
「うむ……困った時はお互い様! 協力し合うというのは大切だぞ!? だが同時に、それとこれとは別でもある! すぐに模擬戦を始めてもらうことになるが、いいな!?」
「ま、そうなるだろうって分かった上でのことでもあるものね。話し合いをする時間はないけど、役割を指示することは出来るかしら?」
「かといって、詳しく何が出来るのかを聞いている暇もありませんから……そうですね。アウロラさん、一番得意なことはなんですか?」
「そうでありますね……あの、出来ればいいのでありますが、自分に一番最初の攻撃を任せていただけないでありますか!?」
「一番最初の攻撃を、かの?」
「はいであります……! どのような作戦を立てているのかは分からないでありますが、必ず必要なことでありますし、それならば自分役立てると思うでありますので……!」
「ふむ……」
どうしたものだろうかと思い、二人へと視線を向ければ、少し考えた後で二人とも頷きを返してきた。
本当は初手は開始と同時にユリアが突っ込む、というものだったのだが……まあ、その程度の変更ならば問題はあるまい。
どんな攻撃かは分からないが、桃色の少女――アウロラの攻撃を合図とし、それに紛れるようにしてユリアが突っ込む、という形になるだろうか。
元々相手の行動次第で臨機応変に動く予定でもあったので、何とかなるだろう。
何よりも、実行に移すユリアが同意を示したのだ。
ならば反対する理由はない。
「分かったのじゃ。では、任せるとするかの」
「はいであります……! 絶対に役に立ってみせるであります!」
元気いっぱい、といった様子でアウロラが頷き……ふと、視界の端にハンネスの姿が映った。
その目には見慣れた嘲笑が浮かび、口元は楽しげに弧を描いている。
その様子は、これでようやく叩き潰せる、などと考えているというよりは、アウロラを受け入れたということの方を喜んでいるようであり……だがそれ以上のことを考える前に、時間が来た。
「よし! では、次の模擬戦の開始だ! 両班指定位置につけ!」
ザクリスの合図に従い、リーン達は訓練場の端へと集まる。
訓練場の中央を基点として反対側にはハンネス達が集まり、ここから動き出すこととなるのだ。
公平さを期すために魔法などを事前に使っておくことは出来ず、全ては次の合図によって動き出す。
シンと静まり返った中で、ザクリスがゆっくりと右手を持ち上げる。
かと思えば、一気に振り下ろし――
「それでは、始め!」
合図が放たれたのと、アウロラが詠唱を始めたのはほぼ同時であった。
その始動は完璧であり、ハンネス達が動き出すのよりも早い。
「――大気に宿りし火の精よ。その意、その力を以て、我に従え。我と汝の力にて、我らの障害、敵の全てを灰燼と化さん」
それはエリナやユリアが何かをするよりも先であり、まさに初手というに相応しいものであった。
アウロラの周囲を巡っていた魔力が集い、溢れ、その意思の命じるままに顕現する。
そして。
「――フレアボム」
次の瞬間、眼前から響いた轟音と共に、リーンの視界を爆炎が覆いつくした。
始めようとしたところで、ハンネス達が揉め始めたからだ。
より正確には、ハンネスと先程幾度も怒鳴られていた桃色の少女が、ではあるが。
「で、ですから、何故でありますか……!?」
「あぁ!? だから何故もクソも、テメエが役に立たねえどころか、邪魔しかしねえからだろうが……! それが分かったやつを何でいつまでも俺の班に入れとかなきゃなんねえんだよ……!」
「そ、そう言わずに……! さっきよりももっと頑張るでありますから……!」
「さっきはそれでどんどん悪化していったんだろうが……! ったく、成績が良いっつうから入れてやったら、とんだ外れだったぜ! とにかく、テメエはクビだクビ! どこにでも好きなとこにいきやがれ!」
「そ、そんなでありますぅ……」
まあ要するに、先程の模擬戦で明らかに邪魔しかしていなかった少女をクビにしたのだ。
一応どうしても合わなかった場合を考え、今回の模擬戦では一人だけならば班を移動できることになっているので、それ自体は問題ない。
ついでに言うならば、これに関してはハンネスに非があるとは言えないだろう。
リーンから見ても、彼女の動きは邪魔にしかなっていなかったのだ。
最善を求めるのであればこそ、彼女をクビにするという判断を責めることは出来まい。
だがだからといって、少女の方がはいそうですかと素直に受け入れることが出来ないのも当然のことではある。
何せ――
「う、うぅ……あ、あの、というわけで、あっちの班をクビになってしまったのでありますが……こっちの班に入れてくれるでありますか?」
「い、いやあ……その、なあ?」
「あ、ああ……ほら、ハンネス達に負けちまったとはいえ、俺達も結構手応えあったしな?」
「そ、そうだよね、うん……それなりに連携も上手くいってたし、ここから一人増えちゃうのは、ちょっと厳しい、かな……?」
少女は項垂れながら、Aクラスの者達によって作られたもう一つのチームへといってみるも、入れてもらえそうな気配は皆無であった。
さもありなん。
戦闘時の彼女の様子を、敵として彼らはよく見ていたのだ。
敵だからよかったものの、あれを味方としてやられたら、と思うと到底受け入れることは出来ないだろう。
少女はそのこともしっかり理解しているからこそハンネスの言葉を受け入れる事が出来なかったのであり、しかし拒絶しようともハンネスが答えを翻す事がないだろうことは明白である。
と、なれば……まあ、後に残された選択肢は、一つしかない。
捨てられた子犬のような目をした少女の目が、リーン達へと向けられた。
「……ま、それしかないじゃろうな」
「でしょうね。……どうする?」
「そうですね……班が四つになった場合は、模擬戦をやる回数が、もう一回増えるんでしょうか?」
「そもそも一人の場合はさすがに集団戦を想定した模擬戦は出来ない気がするのじゃが? いや……対集団戦ということにすれば問題はないのじゃろうか?」
「う、うぅー、でありますぅ……」
こちらの言葉に、少女がどんどん涙目になっていく。
何とかして班に入れて欲しいが、言える立場ではないと自覚してもいるようだ。
そんな姿に苦笑を浮かべ、リーンは肩をすくめる。
「ま……こっちの班は実質Fクラスの集まりとなっているのじゃが、それでもよければ、といったところじゃな」
「えっ……? い、いいんであります、か?」
予想外だとばかりに少女は目を見開くが、少女を受け入れるというのは最初から決まっていたことであった。
そもそも嫌だったならば、エリナやユリアはもっとはっきりそう告げていたはずだ。
昨日知り合ったばかりではあるが、その程度のことならば分かる。
そしてリーンも異論はない。
この少女は、昨日からずっとハンネス達と一緒にはいたが……一度もリーン達のことを侮辱したり、蔑むような目で見てくることがなかったからである。
それだけと言えばそれだけのことではあるが、未だに互いのことなどよく知りはしないのだ。
ならば一つだけでも肯定できる要素があるのであれば、十分というものだろう。
そうして、本当に受け入れるつもりがある、ということを理解したのか、一転して少女の顔に笑みが浮かんだ。
「あ、ありがとうございますであります! このアウロラ・エラインラタ、精一杯役に立ってみせるであります!」
「うむ……困った時はお互い様! 協力し合うというのは大切だぞ!? だが同時に、それとこれとは別でもある! すぐに模擬戦を始めてもらうことになるが、いいな!?」
「ま、そうなるだろうって分かった上でのことでもあるものね。話し合いをする時間はないけど、役割を指示することは出来るかしら?」
「かといって、詳しく何が出来るのかを聞いている暇もありませんから……そうですね。アウロラさん、一番得意なことはなんですか?」
「そうでありますね……あの、出来ればいいのでありますが、自分に一番最初の攻撃を任せていただけないでありますか!?」
「一番最初の攻撃を、かの?」
「はいであります……! どのような作戦を立てているのかは分からないでありますが、必ず必要なことでありますし、それならば自分役立てると思うでありますので……!」
「ふむ……」
どうしたものだろうかと思い、二人へと視線を向ければ、少し考えた後で二人とも頷きを返してきた。
本当は初手は開始と同時にユリアが突っ込む、というものだったのだが……まあ、その程度の変更ならば問題はあるまい。
どんな攻撃かは分からないが、桃色の少女――アウロラの攻撃を合図とし、それに紛れるようにしてユリアが突っ込む、という形になるだろうか。
元々相手の行動次第で臨機応変に動く予定でもあったので、何とかなるだろう。
何よりも、実行に移すユリアが同意を示したのだ。
ならば反対する理由はない。
「分かったのじゃ。では、任せるとするかの」
「はいであります……! 絶対に役に立ってみせるであります!」
元気いっぱい、といった様子でアウロラが頷き……ふと、視界の端にハンネスの姿が映った。
その目には見慣れた嘲笑が浮かび、口元は楽しげに弧を描いている。
その様子は、これでようやく叩き潰せる、などと考えているというよりは、アウロラを受け入れたということの方を喜んでいるようであり……だがそれ以上のことを考える前に、時間が来た。
「よし! では、次の模擬戦の開始だ! 両班指定位置につけ!」
ザクリスの合図に従い、リーン達は訓練場の端へと集まる。
訓練場の中央を基点として反対側にはハンネス達が集まり、ここから動き出すこととなるのだ。
公平さを期すために魔法などを事前に使っておくことは出来ず、全ては次の合図によって動き出す。
シンと静まり返った中で、ザクリスがゆっくりと右手を持ち上げる。
かと思えば、一気に振り下ろし――
「それでは、始め!」
合図が放たれたのと、アウロラが詠唱を始めたのはほぼ同時であった。
その始動は完璧であり、ハンネス達が動き出すのよりも早い。
「――大気に宿りし火の精よ。その意、その力を以て、我に従え。我と汝の力にて、我らの障害、敵の全てを灰燼と化さん」
それはエリナやユリアが何かをするよりも先であり、まさに初手というに相応しいものであった。
アウロラの周囲を巡っていた魔力が集い、溢れ、その意思の命じるままに顕現する。
そして。
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次の瞬間、眼前から響いた轟音と共に、リーンの視界を爆炎が覆いつくした。
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