ライカがいる宇宙(そら)

 九州の南、種ヶ島というロケット打上げ場がある街で、小学三年生のタカシは暮らしています。
 タカシのパパとママは一緒に研究する科学者さん。タカシは家に一人でいる事が多いのですが、寂しくはありません。
 大好きなライカのお陰です。

 六年前、交通事故にあう瀬戸際でタカシを救ってくれた野良犬がライカ。
 傷ついたライカは家族の一員となったのですが、年をとり、おばあちゃん犬になったライカは元気がありません。
 昔の元気を取り戻してほしくて、タカシは六年前の事故の時、壊れたライカの首輪を探します。
 不思議な輝きの金属で作られている首輪は、何故か元通り直っていました。
 首を傾げながらタカシが首輪をライカへ付けてやると、辺りは温かい光に包まれ、いつの間にかライカは若返っています。
「ありがとう、タカシ。あなたのおかげ」
 信じられない成り行きにタカシが目を丸くすると、何とライカは人の言葉で話しかけ、UFOまで呼び出してしまいます。

 さぁ、散歩に行きましょう。
 ライカに誘われ、UFOに乗ったタカシは、パパとママの作り上げた探査用ロボットが今、まさに降り立とうとしている月へ向うのですが……



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