たそがれに咲く花なれば

江戸時代の初期、徳川家光が三代将軍となったばかりの頃。

浪人・園部多門は、妻・さきが不治の病を患っている事を知る。
思い悩んだ末、金を稼ぐ為に多門は武士を捨てる決心をするが、それに気付いたさきは怒り、離縁してくれとまで夫へ訴えた。
二十年以上、一途に武士の妻として生きてきた信念や価値観が、死の恐怖より強く彼女を駆り立てているのだ。

共に根は頑固。
言い出すと後に引けない性分同士である。
感情的になった話し合いはこじれにこじれ、時に激しく、時に切なく、時に滑稽なやりとりが続く。
しかし、それらは全て互いに相手を思いやる気持ちの表れ。
己の本心を偽りなく曝け出した時、二人が選ぶ愛の行方は……




エブリスタ、小説家になろう、ノベルアップ+にも投稿しております。
24h.ポイント 0pt
0
小説 192,188 位 / 192,188件 歴史・時代 2,385 位 / 2,385件

あなたにおすすめの小説

短編歴史小説集

永瀬 史乃
歴史・時代
 徒然なるままに日暮らしスマホに向かひて書いた歴史物をまとめました。  一作品2000〜4000字程度。日本史・東洋史混ざっています。  以前、投稿済みの作品もまとめて短編集とすることにしました。  準中華風、遊郭、大奥ものが多くなるかと思います。  表紙は「かんたん表紙メーカー」様HP にて作成しました。

幕末博徒伝

雨川 海(旧 つくね)
歴史・時代
江戸時代、五街道の内の一つ、甲州街道が整備され、宿場町として賑わった勝沼は、天領、つまり、徳川幕府の直轄地として代官所が置かれていた。この頃、江戸幕府の財政は厳しく、役人の数も少なかったので、年貢の徴収だけで手がいっぱいになり、治安までは手が回らなかった。その為、近隣在所から無宿人、博徒、浪人などが流れ込み、無政府状態になっていた。これは、無頼の徒が活躍する任侠物語。

絡繰奇剣の雪之介

橋本洋一
歴史・時代
絡繰技師(からくりぎし)の雪之介(ゆきのすけ)は賞金首である。尾張国の織田信長に命を狙われていた。安住の地を求めて彼は今日も国を渡りつつ放浪する――

三国志〜終焉の序曲〜

岡上 佑
歴史・時代
三国という時代の終焉。孫呉の首都、建業での三日間の攻防を細緻に描く。 咸寧六年(280年)の三月十四日。曹魏を乗っ取り、蜀漢を降した西晋は、最後に孫呉を併呑するべく、複数方面からの同時侵攻を進めていた。華々しい三国時代を飾った孫呉の首都建業は、三方から迫る晋軍に包囲されつつあった。命脈も遂に旦夕に迫り、その繁栄も終止符が打たれんとしているに見えたが。。。

槍の又左、傾いて候

氷室龍
歴史・時代
戦国時代、尾張国に『槍の又左』と渾名される槍の名手がいた。 名は前田又左衛門利家。 織田信長の馬廻衆として、赤母衣衆として仕えた彼は義理の甥・前田慶次に負けぬ傾奇者であった。 これはその彼の愛と苦悩の物語。 *この物語はフィクションです。 *ムーンライトノベルズでも公開しています

薙刀姫の純情 富田信高とその妻

もず りょう
歴史・時代
関ヶ原合戦を目前に控えた慶長五年(一六〇〇)八月、伊勢国安濃津城は西軍に包囲され、絶体絶命の状況に追い込まれていた。城主富田信高は「ほうけ者」と仇名されるほどに茫洋として、掴みどころのない若者。いくさの経験もほとんどない。はたして彼はこの窮地をどのようにして切り抜けるのか――。 華々しく活躍する女武者の伝説を主題とし、乱世に取り残された武将、取り残されまいと足掻く武将など多士済々な登場人物が織り成す一大戦国絵巻、ここに開幕!

豊家軽業夜話

黒坂 わかな
歴史・時代
猿楽小屋や市で賑わう京の寺院にて、軽業師の竹早は日の本一の技を見せる。そこに、参詣に訪れていた豊臣秀吉の側室・松の丸殿が通りがかり、竹早は伏見城へ行くことに。やがて竹早は秀頼と出会い…。

時代小説の愉しみ

相良武有
歴史・時代
 女渡世人、やさぐれ同心、錺簪師、お庭番に酌女・・・ 武士も町人も、不器用にしか生きられない男と女。男が呻吟し女が慟哭する・・・ 剣が舞い落花が散り・・・時代小説の愉しみ

処理中です...