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修羅場
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「どうする?」
「私は――」
どうなんだろう。
あんな約束をした手前、はっきりと拒否もできずに、私はその先の言葉を飲み込んだ。体が硬くなる。
でも。
「俺たち、コイビト、なんだよな?」
「だからって、こんなところで――」
私は彼に対する警戒は解かず、辺りを窺った。野鳥観察中の人たちは、池の向こうを凝視しているけど、ジョギング中の男性がこちらに向かって走ってきている。
「こんなところだから、いいんだろ?」
肩を抱く彼の手に力がこもった。
「ちょ――っ、人が、来ます」
「見せつけてやればいいさ」
ああ、こんなことなら、誰からも見られない観覧車にすれば良かった。
そうやって後悔している間にも、白と黒のジャージ姿の若い男性は、こちらに近づいてくる。そして、まるで、背後の彼の接近に会わせるかのように、大上さんは、さっきまで一定だった距離を縮めてきて――
「ちょっ! やめてくださいっ!」
すぐそこに人がいる状況で、人目を憚らずキスなんて、たとえ『恋人』でも私にできるはずがなく――私は思いっきり彼の頬に平手を叩きつけていた。
「――痛てぇ」
「智世子さんっ!?」
驚いて固まったのは、大上さんだけでなく、私も、だった。
社内で聞きなれたその声を、まさか野鳥観察園で聞くなんて。
「草壁くんっ!? どうして――?」
「智世子さんこそ、――?」
どうして、といいかけた草壁君が、大上さんに気がついた。ふわりと柔らかく綻びかけた顔に、一瞬にして陰が射す。
「……例の、彼、ですか?」
「……う、ん。……大上さん」
頬を押さえて「君の平手は相変わらず――」とぼやいている大上さんを、草壁くんは見下ろした。
「へえ。……よろしく、大上さん。智世子さんの後輩の草壁です」
いつもは小型犬のように愛嬌のある草壁くんの表情が、一転して、鋭い猟犬のような表情になっている。
しかし、大上さんは、草壁くんの射るような視線に動じることなく「どうも、チヨコのコイビトです」と、軽く挨拶を返した。
草壁君が眉を顰めたのを見て、心臓が一回、大きくなった。
ああ、これで、終わり。
私が、大上さんにそうしてくれるように頼んだのだから、それを嘆いても仕方のないのだけれど。
ここで私は、理解した。
どうして、大上さんが私を誘ったのか。
どうして、ここだったのか。
彼は、草壁くんがいつもこの時間ここでジョギングをしている情報を得たから、今日、この場所を選んだのだろう。とすれば、こんな展開になることも、彼の筋書き通りで――。
それならそうと、最初から教えておいてくれればよかったのに。
私は早鐘のように打つ心臓に気づかれないように平静な表情を作って、表面上は和やかに挨拶を交わしている二人に視線を移した。
「チヨコがいつも、お世話になっているようで」
「いえ、お世話になっているのは、僕の方です。――でも、そろそろ、僕の方が彼女の世話を焼きたいと思ってるんですけどね」
「なるほど――」
その宣戦布告ともとれる草壁くんの台詞に、大上さんは全く動じた様子を見せない。それどころか、握手を求めるように右手を差し出して、ゆっくりと立ち上がった。
少し戸惑った草壁くんが、とりあえずその手を握り返そうとした瞬間――
ガッ――!
鈍くくぐもった音がした直後、大上さんの左の拳が体を二つに折った草壁くんの腹部に入っていた。
「――だけど、そういう言い方は、年上に対して失礼なんじゃないかな、クサカベ君?」
その場に蹲った草壁くんを、大上さんは目を眇め、口に笑みを浮かべて冷やかに見下ろしている。
「きゃー、草壁さんっ!」
目の前で起こった一瞬の出来事に気をとられていた私が口を開くより早く、遠くの方で黄色い声が上がった。
草壁君に駆け寄るピンクの影。
その声と、彼女の肩の下まである茶色の巻毛には、心当たりが大いにあった。
「草壁さんに、なんてことするのよっ!」
絵梨花ちゃんは、草壁君の横に屈み、キッと大上さんを睨みつけた。
なんだって、絵莉花ちゃんがここにいるのかわからないけど、格好からするに、ジョギングかウォーキングの途中なのだろう。
ひょっとしたら、草壁君と絵梨花ちゃんはここでジョギングデートだったのかもしれない。
だとしたら、大上さんにこんなこと頼まなくても、良かったのではないか。
「喧嘩を売ってきたのは、そっちのボウヤだ。俺としては、きれいな顔を傷つけないように、気を遣ったつもりなんだけど」
少し肩を竦めた後大上さんは、新しい煙草に火を点け、美味しそうに煙を喫んだ。
頭の中が混乱しすぎているせいか、目の前で起こっているのに、まるでドラマか何かのように、私はこの光景をフレーム越しに見ている。
「はぁ? ふざけたこと言ってんじゃないわよ。草壁さんは、手を出してないでしょ!?」
「言葉も、ときには暴力になるんだぜ、お嬢ちゃん」
食ってかかる梨花ちゃんの頤を、愉快そうに人差し指で上を向かせる、大上さん。
その手を、薙ぎ払う草壁君はまるで、お姫様を守る騎士のようだ。
うん。そうね。草壁君は、そっちの方が、似合う。
「浅川、俺は、大丈夫だから――」
その迫力に、絵梨花ちゃんが声を呑み込んだ。
生まれたばかりのバンビのようによろけながら立ち上がった草壁君の、今まで見たことのないほどの挑戦的な瞳に、私は目が離せなかった。
いつもはさらりと爽やかに仕事をこなしている草壁君の、熱を含んだ眼差しが私の心を捕らえて離さなかった。たぶん、私に対しての情熱ではないことが分かっていたからこそ純粋に、今日の草壁君は素敵だと思えたのだろう。
「なんだか、面倒なことになってきたから、そろそろ、いこうか、チヨコ」
「え、行くって――?」
まっすぐに立つことさえままならない草壁くんをこのままおいて、どこに行こうというのか。
目でそう訴えると、大上さんは賺すように私の肩をぐっと引き寄せ、草壁君に聞こえるように声をあげた。
「ホテルに決まってんだろ」
その一言で思い出した。
今、ここでは、私は大上さんの恋人なんだった。
不覚にも草壁君に見とれてしまった自分が恥ずかしくなった私は、大上さんに促されるまま、草壁君に背を向けた。
「行かせません!」
私の手首を掴んだ草壁君の目が、さらに好戦的な色を含んだような気がした。熱を帯びた瞳のまま、彼が私を見つめる。
(どうして――?)
私の気持ちを読み取った彼が、ほんの少しだけ笑った。
「言ったでしょ、智世子さんに困った顔させる男からは奪うって」
え? え? え――?
絵梨花ちゃんは、すごい形相で私を睨みつけている。
さらに泥沼化しそうな雰囲気に、私は草壁君の手を振り解こうとした。けれども、草壁くんは、握った手を放そうとしない。そればかりか、今にも大上さんに殴りかからんばかりの鼻息の荒さだ。
大上さんのシナリオ通りなのかもしれない。そこにシナリオがあるなら、何も言わない方が正解なのかもしれなかった。けど、だからといって、草壁君と大上さんが喧嘩になるのは、本望ではない。
私は、暴力以外の方法で上手く収めてとの願いを込めて、大上さんを見つめた。
そしたら――
「……わかったよ」
私の肩から手を放した大上さんが、気が抜けたようにぼやいた。その表情からは、先ほどまでの一触即発の雰囲気はすっかりなくなっている。
「ごたごたするのは、面倒だ。つれて行けよ」
ええええっ!?
約束が違うじゃないの。
慌てて大上さんを振り返ると、彼の手は絵梨花ちゃんの髪に触れていた。
「ちょっと! 汚い手でなに勝手にさわってんの。離しなさいよ」
ぺしっと、手を叩かれても懲りずに大上さんは、ちゃっかり彼女の肩に手を回す。
「若いとイキがいいな。――モメんの面倒だから、俺、こっちの子にするわ。そっちはそっちで、好きにするといい」
「ちょっとっ!」
思わぬところで、私と絵梨花ちゃんの声が重なった。
それを見て、大上さんは、笑っている。
どういうこと? 草壁君をあきらめさせてくれるんじゃなかったの?
だけど、草壁君の前でそれを口にするわけにもいかず、私は、それ以上何も言えない。
そんな私に追い討ちをかけるように、大上さんは背を向け、小さく手を振った。
「俺は、君よりもこういう娘の方が扱いやすいんだ」
ああ、やっぱり、この男最低っ!
何が「一生幸せにしてやる」よ!
抗議しようと口を開きかけたけれど、彼はもう絵梨花ちゃんにちょっかいを出すので忙しそうで、私のことなど気にもかけていなかった。
「調子に乗らないでよね。あたし、おじさんには興味なから」
「まだ三十代なのに、おじさんはひどいな、お嬢ちゃん。――俺に興味がないって、じゃあ、どういうのが好みなの? 後学のためにきかせてくれる?」
「コウガク……? ……そ、そうよ、あたしは高いのよ!」
「へえ、いくら?」
笑いをこらえて絵梨花ちゃんの肩を抱く大上さんの背中を見ながら、やっぱり、私はこの男は好きになれないと、確信した。
「今のうちに、行きますよ、智世子さん」
「え、だって、絵梨花ちゃんが――」
「大丈夫です」
何が大丈夫なのかわからないまま、絵梨香ちゃんと大上さんが問答しているのを尻目に、草壁君は私の腕を引っ張っていった。
「私は――」
どうなんだろう。
あんな約束をした手前、はっきりと拒否もできずに、私はその先の言葉を飲み込んだ。体が硬くなる。
でも。
「俺たち、コイビト、なんだよな?」
「だからって、こんなところで――」
私は彼に対する警戒は解かず、辺りを窺った。野鳥観察中の人たちは、池の向こうを凝視しているけど、ジョギング中の男性がこちらに向かって走ってきている。
「こんなところだから、いいんだろ?」
肩を抱く彼の手に力がこもった。
「ちょ――っ、人が、来ます」
「見せつけてやればいいさ」
ああ、こんなことなら、誰からも見られない観覧車にすれば良かった。
そうやって後悔している間にも、白と黒のジャージ姿の若い男性は、こちらに近づいてくる。そして、まるで、背後の彼の接近に会わせるかのように、大上さんは、さっきまで一定だった距離を縮めてきて――
「ちょっ! やめてくださいっ!」
すぐそこに人がいる状況で、人目を憚らずキスなんて、たとえ『恋人』でも私にできるはずがなく――私は思いっきり彼の頬に平手を叩きつけていた。
「――痛てぇ」
「智世子さんっ!?」
驚いて固まったのは、大上さんだけでなく、私も、だった。
社内で聞きなれたその声を、まさか野鳥観察園で聞くなんて。
「草壁くんっ!? どうして――?」
「智世子さんこそ、――?」
どうして、といいかけた草壁君が、大上さんに気がついた。ふわりと柔らかく綻びかけた顔に、一瞬にして陰が射す。
「……例の、彼、ですか?」
「……う、ん。……大上さん」
頬を押さえて「君の平手は相変わらず――」とぼやいている大上さんを、草壁くんは見下ろした。
「へえ。……よろしく、大上さん。智世子さんの後輩の草壁です」
いつもは小型犬のように愛嬌のある草壁くんの表情が、一転して、鋭い猟犬のような表情になっている。
しかし、大上さんは、草壁くんの射るような視線に動じることなく「どうも、チヨコのコイビトです」と、軽く挨拶を返した。
草壁君が眉を顰めたのを見て、心臓が一回、大きくなった。
ああ、これで、終わり。
私が、大上さんにそうしてくれるように頼んだのだから、それを嘆いても仕方のないのだけれど。
ここで私は、理解した。
どうして、大上さんが私を誘ったのか。
どうして、ここだったのか。
彼は、草壁くんがいつもこの時間ここでジョギングをしている情報を得たから、今日、この場所を選んだのだろう。とすれば、こんな展開になることも、彼の筋書き通りで――。
それならそうと、最初から教えておいてくれればよかったのに。
私は早鐘のように打つ心臓に気づかれないように平静な表情を作って、表面上は和やかに挨拶を交わしている二人に視線を移した。
「チヨコがいつも、お世話になっているようで」
「いえ、お世話になっているのは、僕の方です。――でも、そろそろ、僕の方が彼女の世話を焼きたいと思ってるんですけどね」
「なるほど――」
その宣戦布告ともとれる草壁くんの台詞に、大上さんは全く動じた様子を見せない。それどころか、握手を求めるように右手を差し出して、ゆっくりと立ち上がった。
少し戸惑った草壁くんが、とりあえずその手を握り返そうとした瞬間――
ガッ――!
鈍くくぐもった音がした直後、大上さんの左の拳が体を二つに折った草壁くんの腹部に入っていた。
「――だけど、そういう言い方は、年上に対して失礼なんじゃないかな、クサカベ君?」
その場に蹲った草壁くんを、大上さんは目を眇め、口に笑みを浮かべて冷やかに見下ろしている。
「きゃー、草壁さんっ!」
目の前で起こった一瞬の出来事に気をとられていた私が口を開くより早く、遠くの方で黄色い声が上がった。
草壁君に駆け寄るピンクの影。
その声と、彼女の肩の下まである茶色の巻毛には、心当たりが大いにあった。
「草壁さんに、なんてことするのよっ!」
絵梨花ちゃんは、草壁君の横に屈み、キッと大上さんを睨みつけた。
なんだって、絵莉花ちゃんがここにいるのかわからないけど、格好からするに、ジョギングかウォーキングの途中なのだろう。
ひょっとしたら、草壁君と絵梨花ちゃんはここでジョギングデートだったのかもしれない。
だとしたら、大上さんにこんなこと頼まなくても、良かったのではないか。
「喧嘩を売ってきたのは、そっちのボウヤだ。俺としては、きれいな顔を傷つけないように、気を遣ったつもりなんだけど」
少し肩を竦めた後大上さんは、新しい煙草に火を点け、美味しそうに煙を喫んだ。
頭の中が混乱しすぎているせいか、目の前で起こっているのに、まるでドラマか何かのように、私はこの光景をフレーム越しに見ている。
「はぁ? ふざけたこと言ってんじゃないわよ。草壁さんは、手を出してないでしょ!?」
「言葉も、ときには暴力になるんだぜ、お嬢ちゃん」
食ってかかる梨花ちゃんの頤を、愉快そうに人差し指で上を向かせる、大上さん。
その手を、薙ぎ払う草壁君はまるで、お姫様を守る騎士のようだ。
うん。そうね。草壁君は、そっちの方が、似合う。
「浅川、俺は、大丈夫だから――」
その迫力に、絵梨花ちゃんが声を呑み込んだ。
生まれたばかりのバンビのようによろけながら立ち上がった草壁君の、今まで見たことのないほどの挑戦的な瞳に、私は目が離せなかった。
いつもはさらりと爽やかに仕事をこなしている草壁君の、熱を含んだ眼差しが私の心を捕らえて離さなかった。たぶん、私に対しての情熱ではないことが分かっていたからこそ純粋に、今日の草壁君は素敵だと思えたのだろう。
「なんだか、面倒なことになってきたから、そろそろ、いこうか、チヨコ」
「え、行くって――?」
まっすぐに立つことさえままならない草壁くんをこのままおいて、どこに行こうというのか。
目でそう訴えると、大上さんは賺すように私の肩をぐっと引き寄せ、草壁君に聞こえるように声をあげた。
「ホテルに決まってんだろ」
その一言で思い出した。
今、ここでは、私は大上さんの恋人なんだった。
不覚にも草壁君に見とれてしまった自分が恥ずかしくなった私は、大上さんに促されるまま、草壁君に背を向けた。
「行かせません!」
私の手首を掴んだ草壁君の目が、さらに好戦的な色を含んだような気がした。熱を帯びた瞳のまま、彼が私を見つめる。
(どうして――?)
私の気持ちを読み取った彼が、ほんの少しだけ笑った。
「言ったでしょ、智世子さんに困った顔させる男からは奪うって」
え? え? え――?
絵梨花ちゃんは、すごい形相で私を睨みつけている。
さらに泥沼化しそうな雰囲気に、私は草壁君の手を振り解こうとした。けれども、草壁くんは、握った手を放そうとしない。そればかりか、今にも大上さんに殴りかからんばかりの鼻息の荒さだ。
大上さんのシナリオ通りなのかもしれない。そこにシナリオがあるなら、何も言わない方が正解なのかもしれなかった。けど、だからといって、草壁君と大上さんが喧嘩になるのは、本望ではない。
私は、暴力以外の方法で上手く収めてとの願いを込めて、大上さんを見つめた。
そしたら――
「……わかったよ」
私の肩から手を放した大上さんが、気が抜けたようにぼやいた。その表情からは、先ほどまでの一触即発の雰囲気はすっかりなくなっている。
「ごたごたするのは、面倒だ。つれて行けよ」
ええええっ!?
約束が違うじゃないの。
慌てて大上さんを振り返ると、彼の手は絵梨花ちゃんの髪に触れていた。
「ちょっと! 汚い手でなに勝手にさわってんの。離しなさいよ」
ぺしっと、手を叩かれても懲りずに大上さんは、ちゃっかり彼女の肩に手を回す。
「若いとイキがいいな。――モメんの面倒だから、俺、こっちの子にするわ。そっちはそっちで、好きにするといい」
「ちょっとっ!」
思わぬところで、私と絵梨花ちゃんの声が重なった。
それを見て、大上さんは、笑っている。
どういうこと? 草壁君をあきらめさせてくれるんじゃなかったの?
だけど、草壁君の前でそれを口にするわけにもいかず、私は、それ以上何も言えない。
そんな私に追い討ちをかけるように、大上さんは背を向け、小さく手を振った。
「俺は、君よりもこういう娘の方が扱いやすいんだ」
ああ、やっぱり、この男最低っ!
何が「一生幸せにしてやる」よ!
抗議しようと口を開きかけたけれど、彼はもう絵梨花ちゃんにちょっかいを出すので忙しそうで、私のことなど気にもかけていなかった。
「調子に乗らないでよね。あたし、おじさんには興味なから」
「まだ三十代なのに、おじさんはひどいな、お嬢ちゃん。――俺に興味がないって、じゃあ、どういうのが好みなの? 後学のためにきかせてくれる?」
「コウガク……? ……そ、そうよ、あたしは高いのよ!」
「へえ、いくら?」
笑いをこらえて絵梨花ちゃんの肩を抱く大上さんの背中を見ながら、やっぱり、私はこの男は好きになれないと、確信した。
「今のうちに、行きますよ、智世子さん」
「え、だって、絵梨花ちゃんが――」
「大丈夫です」
何が大丈夫なのかわからないまま、絵梨香ちゃんと大上さんが問答しているのを尻目に、草壁君は私の腕を引っ張っていった。
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