COLOR's

PINK～ひとひらの刹那。

嵐

季節はいつも
その身に纏う風を
自ら選ぶ…

髪に留まった
薄紅は彩

単色な鮮烈は
柔らかく…淡く
…しゃらしゃらと…

静謐なる軌道で
流れて
舞い散る

はにかむ花びらに
心を奪われて
目を閉じて…

人知れず
胸の奥で綴る花暦

いつか夢見た
あの人の微笑みを
思い出し

大きな桜の木の下で
蒸せ返る香りに
抱かれれば…

息を呑むような幻想の
真っ只中で
花嵐は
春を告げゆく

無意識に
掌を広げて
立ち止まる

立ちすくむ
宙を仰ぐ

戻ってくる記憶

笑顔…声…匂い…

…割れた時計…
無くしてしまった恋
刹那の嵐の中で