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建国~対列強~編
187 サイラスVSアルフレッド【前編】
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促されるがままテーブルにつくと、すぐさま控えていた給仕――ディルクが紅茶を淹れた。練兵場に場違いな紅茶の香りが漂う。共に来たフリッツは、少し迷ってから椅子には座らず、オフィーリアの後ろに立った。
そして、しばらくするとガラガラと車輪の音を響かせて覆い布をかけた何やら大きな箱が運ばれてきた。それが、ティーテーブルから僅かに離れた位置に置かれる。そして、覆い布はそのままに、兵舎の中から、この大国を統べる男が姿を現した。
「え…?」
一瞬、我が目を疑った。だって…
「サイラス…!」
皇帝の後ろに、まるで忠実な僕のように付き従うのは――
黒い鱗に覆われた身体を晒し、簡素な鎧を纏い、華奢な身体に不釣り合いな大きさの長弓を携えている。ただの弓ではない。弓の中心部――ハンドルの部分に魔石を嵌め込み、弓自体も狩人が用いる木製の弓ではない。あれは――魔弓。弓の部分が魔導金属製。本来なら屈強な魔法戦士が使うそれだ。
いや、そうではなくて…
(どうして、武器を…?それに、あの姿は…)
オフィーリア自身も、サイラスが真人間でないことは知っている。結界魔法を使えない彼女が、魔物の硬い鱗をその代わりにしていることも。しかし、彼女は余程のことがないかぎり、その能力を使わない。見た目に弊害があるからだ。あの姿は魔物にしか見えないから――
それを、なぜこんなところで衆目に晒すの?
疑問が解消することはなく。今度ははらりと大きな箱の覆い布が外された。現れたのは、檻。その中にはポツンと椅子が置かれており、そこには……
「メドラウド公爵様?!」
メドラウド公爵家当主、ノーマンが拘束されていた。そして。
「ッ!」
動くな、と圧を込めた手。首筋にピタリと当てられた刃は――
「フリッツ…」
◆◆◆
この皇帝の代になってから、生誕祭の余興に『見世物』を始めたという。三年前はバトルロワイヤルだったとか。今年は、その勝者と私が闘うのだ、と、皇帝は愉悦を露わに唇を歪めた。
三年前の勝者、それは――
武道大会と同じ使い方をするのだろう。私の視線の先、練兵場の反対側の門から漆黒の髪に緑玉の瞳の若者が姿を現した。
「アルフレッド…」
アレを殺す…。
それが、我が主の望み――
◆◆◆
練兵場で睨みあう両者に、観覧席が熱狂する。片や三年前のバトルロワイヤルを勝ち抜いた若者で公爵子息。片や黒い鱗で全身を覆われ、魔弓を手にしたバケモノ。しかもバケモノの方は、今ではすっかり有名な新参国家の王配だというのだから、彼らへの注目はいやがおうにでも高まった。
やがて、練兵場に設えられたそれぞれの『人質席』と皇帝の周囲に光の粒子が舞い、強固な結界が張られた。いよいよ、始まる。皇帝が片手を挙げた。
さあ、殺し合え…!
先に動いたのは、バケモノ。その姿が一瞬かき消えたかと思うと、アルフレッドの姿が砂塵に消える。そこへ、間髪を入れず雷が落ちた。しかし、砂煙の中から無傷のアルフレッドが姿を現すと、観衆がワッと沸きたった。しかし、安堵する間もなく、練兵場を駆けるアルフレッドを幾擊もの雷の鏃が追い、地に着弾する度にもうもうと砂煙を巻きあげた。
「サアラ!」
呼びかけたのはもう何度目か。砂煙の中、アルフレッドは声を張りあげた。
「クッ!」
直後、雷撃を纏った矢が真横を掠める。冗談でもフリでもなんでもない、間違いなく当てにきている。こちらを睨む空色の瞳には、常にはない明確な殺意。本気で、アルフレッドを仕留めようと、殺そうとしているのだ。
(どうした、サアラ…!)
殺意といい、あの姿といい、彼女の様子が妙だ。らしくない。アルフレッドの念話を含む呼びかけにも、全く応える素振りがない。
「サアラ!」
今一度、名前を呼ぶも。彼女は無駄のない動作で魔弓を引き絞る。女の華奢な身体で、どうやってあのような強弓を引き絞れるのか……バチバチと凶悪な雷を纏う矢に実体はない。魔弓の性能――弓使いの能力に合わせ、魔力を纏う核を作り出すのだ。
来る…!
結界を展開しつつ、駆ける。走る地点を正確に予測して放たれた矢が結界に阻まれるが。
「なっ…!」
初擊は僅差で己の結界が勝ったが、立て続けに放たれた矢に、結界の透明な壁が砕け散る。身体のすれすれを雷撃付与の矢が掠め、衝撃に身体を持っていかれそうになる。ミスリル製の鎧に、矢が掠めた一文字の痕がつく。これは…回避が遅れれば、鎧を破壊し肉を抉ったかもしれない。背筋が寒くなるほどの威力――
サイラス自身は、己よりアルフレッドの方が強いと思い込んでいるが、それはあくまでも剣や格闘技での話だ。魔法――純粋な魔力量ではサイラスの方が遥かに上をいく。何せ、人外で且つ『魔の森』と『水の精霊』の加護持ちだ。本気で、情けも何もなく勝負すれば彼女が勝つ。
涼しい顔で強弓を連射できるのは……膨大な魔力と竜の筋力故か。なら、ガス欠を待つのは無謀だろう。彼女の気配がそれを雄弁に語ってくれる。
間断無く放たれる矢を回避しながら、アルフレッドは考えた。やはり、あの厄介な武器を片付けるのが先か。
「《反射》」
飛んできた雷の矢を魔法で撃ち返す。しかし、高速で跳ね返された矢を彼女は素早く回避してみせた。あの重そうな魔弓を持っていながら……恐るべき身体能力である。いや、これも竜の筋力の為せる技だろうか。
ともかく、武器破壊に集中しよう。アレを壊して接近戦に持ち込めば勝機はある。
「《聖なる光》!」
広範囲の光魔法を展開する。彼女は魔物。結界魔法は使えない。なら、必ず回避行動を取るはず。キラキラと太陽の光を反射する光の滴は、また、目眩ましにもなる。それを利用して、彼女の逃げる方向にナイフを投擲する。
ガツッ!
よし!当てた!
しかし、魔弓の核を破壊するには至らなかったらしい。ハンドルに嵌め込まれた魔石に皹と欠けを作っただけだ。微かに顔を顰めたサイラスは、またアルフレッド目がけて弓を引き絞る。
「《土人形》!《水鏡》!」
詠唱とともに、練兵場の土が盛り上がり数十体の土人形が姿を現すとともに、同時に発動した魔法――水魔法と光魔法の融合した幾枚もの鏡が、土人形の数を数倍にも増えたかのような幻影を見せる。光が交錯し、複雑な影を形作る。土人形が動く度に、光と影が揺らめき、アルフレッド自身の姿を巧みに隠していた。
ドォン!と土埃が上がり、その一角が例の魔弓で吹き飛ばされた。しかし、アルフレッドがいる方角とはまるで違う。サイラスは魔物――つまり、アルフレッドの気配を追って攻撃している。先ほどの魔法で、わざと土人形たちに己の魔力を多めに付与してみたが、狙い通りいい目眩ましになったようだ。その隙に、光と影の死角から魔弓目がけてナイフを投擲する。時折、魔弓の邪魔が入るものの、魔石を元の半分程の大きさに欠けさせることができた。この調子で!
「《暴食》」
だが、相手も考える。足下の地面が軋み、びっしりと鋭い歯の生えた口がいくつもいくつも口を開ける。
「ッ!《転移》!」
咄嗟に跳躍し、兵舎の屋根に転移する。土人形は跡形もなく喰われ、練兵場の地面全体が波打っていた。
と、そこに。
(あれは…!)
姿を見るのは久しぶりな気がする、サアラの傍に纏わり付いていた幼女。その幼女が、そろりそろりと戦いを見物する皇帝に忍びよっていた。
そして、しばらくするとガラガラと車輪の音を響かせて覆い布をかけた何やら大きな箱が運ばれてきた。それが、ティーテーブルから僅かに離れた位置に置かれる。そして、覆い布はそのままに、兵舎の中から、この大国を統べる男が姿を現した。
「え…?」
一瞬、我が目を疑った。だって…
「サイラス…!」
皇帝の後ろに、まるで忠実な僕のように付き従うのは――
黒い鱗に覆われた身体を晒し、簡素な鎧を纏い、華奢な身体に不釣り合いな大きさの長弓を携えている。ただの弓ではない。弓の中心部――ハンドルの部分に魔石を嵌め込み、弓自体も狩人が用いる木製の弓ではない。あれは――魔弓。弓の部分が魔導金属製。本来なら屈強な魔法戦士が使うそれだ。
いや、そうではなくて…
(どうして、武器を…?それに、あの姿は…)
オフィーリア自身も、サイラスが真人間でないことは知っている。結界魔法を使えない彼女が、魔物の硬い鱗をその代わりにしていることも。しかし、彼女は余程のことがないかぎり、その能力を使わない。見た目に弊害があるからだ。あの姿は魔物にしか見えないから――
それを、なぜこんなところで衆目に晒すの?
疑問が解消することはなく。今度ははらりと大きな箱の覆い布が外された。現れたのは、檻。その中にはポツンと椅子が置かれており、そこには……
「メドラウド公爵様?!」
メドラウド公爵家当主、ノーマンが拘束されていた。そして。
「ッ!」
動くな、と圧を込めた手。首筋にピタリと当てられた刃は――
「フリッツ…」
◆◆◆
この皇帝の代になってから、生誕祭の余興に『見世物』を始めたという。三年前はバトルロワイヤルだったとか。今年は、その勝者と私が闘うのだ、と、皇帝は愉悦を露わに唇を歪めた。
三年前の勝者、それは――
武道大会と同じ使い方をするのだろう。私の視線の先、練兵場の反対側の門から漆黒の髪に緑玉の瞳の若者が姿を現した。
「アルフレッド…」
アレを殺す…。
それが、我が主の望み――
◆◆◆
練兵場で睨みあう両者に、観覧席が熱狂する。片や三年前のバトルロワイヤルを勝ち抜いた若者で公爵子息。片や黒い鱗で全身を覆われ、魔弓を手にしたバケモノ。しかもバケモノの方は、今ではすっかり有名な新参国家の王配だというのだから、彼らへの注目はいやがおうにでも高まった。
やがて、練兵場に設えられたそれぞれの『人質席』と皇帝の周囲に光の粒子が舞い、強固な結界が張られた。いよいよ、始まる。皇帝が片手を挙げた。
さあ、殺し合え…!
先に動いたのは、バケモノ。その姿が一瞬かき消えたかと思うと、アルフレッドの姿が砂塵に消える。そこへ、間髪を入れず雷が落ちた。しかし、砂煙の中から無傷のアルフレッドが姿を現すと、観衆がワッと沸きたった。しかし、安堵する間もなく、練兵場を駆けるアルフレッドを幾擊もの雷の鏃が追い、地に着弾する度にもうもうと砂煙を巻きあげた。
「サアラ!」
呼びかけたのはもう何度目か。砂煙の中、アルフレッドは声を張りあげた。
「クッ!」
直後、雷撃を纏った矢が真横を掠める。冗談でもフリでもなんでもない、間違いなく当てにきている。こちらを睨む空色の瞳には、常にはない明確な殺意。本気で、アルフレッドを仕留めようと、殺そうとしているのだ。
(どうした、サアラ…!)
殺意といい、あの姿といい、彼女の様子が妙だ。らしくない。アルフレッドの念話を含む呼びかけにも、全く応える素振りがない。
「サアラ!」
今一度、名前を呼ぶも。彼女は無駄のない動作で魔弓を引き絞る。女の華奢な身体で、どうやってあのような強弓を引き絞れるのか……バチバチと凶悪な雷を纏う矢に実体はない。魔弓の性能――弓使いの能力に合わせ、魔力を纏う核を作り出すのだ。
来る…!
結界を展開しつつ、駆ける。走る地点を正確に予測して放たれた矢が結界に阻まれるが。
「なっ…!」
初擊は僅差で己の結界が勝ったが、立て続けに放たれた矢に、結界の透明な壁が砕け散る。身体のすれすれを雷撃付与の矢が掠め、衝撃に身体を持っていかれそうになる。ミスリル製の鎧に、矢が掠めた一文字の痕がつく。これは…回避が遅れれば、鎧を破壊し肉を抉ったかもしれない。背筋が寒くなるほどの威力――
サイラス自身は、己よりアルフレッドの方が強いと思い込んでいるが、それはあくまでも剣や格闘技での話だ。魔法――純粋な魔力量ではサイラスの方が遥かに上をいく。何せ、人外で且つ『魔の森』と『水の精霊』の加護持ちだ。本気で、情けも何もなく勝負すれば彼女が勝つ。
涼しい顔で強弓を連射できるのは……膨大な魔力と竜の筋力故か。なら、ガス欠を待つのは無謀だろう。彼女の気配がそれを雄弁に語ってくれる。
間断無く放たれる矢を回避しながら、アルフレッドは考えた。やはり、あの厄介な武器を片付けるのが先か。
「《反射》」
飛んできた雷の矢を魔法で撃ち返す。しかし、高速で跳ね返された矢を彼女は素早く回避してみせた。あの重そうな魔弓を持っていながら……恐るべき身体能力である。いや、これも竜の筋力の為せる技だろうか。
ともかく、武器破壊に集中しよう。アレを壊して接近戦に持ち込めば勝機はある。
「《聖なる光》!」
広範囲の光魔法を展開する。彼女は魔物。結界魔法は使えない。なら、必ず回避行動を取るはず。キラキラと太陽の光を反射する光の滴は、また、目眩ましにもなる。それを利用して、彼女の逃げる方向にナイフを投擲する。
ガツッ!
よし!当てた!
しかし、魔弓の核を破壊するには至らなかったらしい。ハンドルに嵌め込まれた魔石に皹と欠けを作っただけだ。微かに顔を顰めたサイラスは、またアルフレッド目がけて弓を引き絞る。
「《土人形》!《水鏡》!」
詠唱とともに、練兵場の土が盛り上がり数十体の土人形が姿を現すとともに、同時に発動した魔法――水魔法と光魔法の融合した幾枚もの鏡が、土人形の数を数倍にも増えたかのような幻影を見せる。光が交錯し、複雑な影を形作る。土人形が動く度に、光と影が揺らめき、アルフレッド自身の姿を巧みに隠していた。
ドォン!と土埃が上がり、その一角が例の魔弓で吹き飛ばされた。しかし、アルフレッドがいる方角とはまるで違う。サイラスは魔物――つまり、アルフレッドの気配を追って攻撃している。先ほどの魔法で、わざと土人形たちに己の魔力を多めに付与してみたが、狙い通りいい目眩ましになったようだ。その隙に、光と影の死角から魔弓目がけてナイフを投擲する。時折、魔弓の邪魔が入るものの、魔石を元の半分程の大きさに欠けさせることができた。この調子で!
「《暴食》」
だが、相手も考える。足下の地面が軋み、びっしりと鋭い歯の生えた口がいくつもいくつも口を開ける。
「ッ!《転移》!」
咄嗟に跳躍し、兵舎の屋根に転移する。土人形は跡形もなく喰われ、練兵場の地面全体が波打っていた。
と、そこに。
(あれは…!)
姿を見るのは久しぶりな気がする、サアラの傍に纏わり付いていた幼女。その幼女が、そろりそろりと戦いを見物する皇帝に忍びよっていた。
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