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しおりを挟む「はっ、、、?」
日向がそう言う。
そうだよな、意味わかんねぇよな、気持ちわりぃよなっ、、、
大和は拒絶されたと思い、諦めたように目を瞑り俯いた。そして日向の次の言葉を待つ。
何言われてもいい、、、今日は逃げない、、、こいつの言葉を最後まで聞くんだ、、、
しかし、いくら待っても日向は何も言わない。
気になって俺は顔を上げると、顔を赤くしている日向が目に入った。
「は、、?なんでお前がそんな反応してんだよ、、、!?」
「えっ、だって予想外でしょ、、大和が俺の事好きなんて、、、!」
「お前は、俺のことが嫌いになったから交換条件辞めようとか言ったんじゃねぇのか、、、、!?」
大和はそう思っていたから、今の日向の反応の意味が全くわからなかった。
日向は自分の顔に手を当てて、困ったような表情をしている。
「はぁ~、、、俺が謝らなきゃ行けないのはそこ、大和を勘違いさせちゃったこと」
「は?どういうことだ、、」
「まず、俺は別に大和のことを嫌っていない。むしろ好きだよ」
「っ!」
大和は日向の言葉に驚く。
「じゃあっ、なんで交換条件辞めようなんて言ったんだよ、、!?」
俺は思わず叫ぶ。
「、え~と、、、俺は結構前から大和のことが好きだったんだけど、、、」
「それと、辞めるってのがどうやったら繋がるんだよっ、、」
大和はそう言ってまた俯く。すると、頭に暖かい感触を感じた。日向の手だ。
「大和のことが好きってのを隠して、身体触るなんてなんか卑怯だと思ったからああ言ったんだけど、タイミングとか言い方が悪くて勘違いさせちゃったね」
「っ、はぁ~、、、お前なぁ、ほんと変なとこで律儀だな、、、」
「、、、ごめんね」
日向が申し訳なさそうに言う。
ほんと、バカだろお前、、
俺は心の中で呟く。
「でも、、なんか、お前らしいわ、、、」
俺は少し笑みを浮かべながら、もう一度日向の顔を見る。日向はとても優しい笑みを浮かべていた。
太陽みたいな眩しくて優しい笑みを浮かべる日向。
「っ、」
俺は思わず見惚れてしまった。
キーンコーンカーンコーン
その時、予鈴を告げる金が鳴った。
「まだ、この甘い時間を楽しんで居たかったのに、、、」
日向は大和はが突っ込んでくれると思ってこんなキザなセリフを言っただろう。
「っ、そう、だな、、、」
しかし、意外にも大和から返ってきたのは照れながらの肯定。
「っ、、、じゃあ、5限サボっちゃう?」
「5限の担当生徒指導の先生だぞ、、、」
俺は少し呆れたような声で言う。
「よし、大和。教室まで走ろう」
「おう」
そう言って2人は走り出す。
階段を降り終えたぐらいに
「ぷっ、あははははっ!」
いきなり日向が笑い出した。
「何笑ってんだよっ!そんな余裕あるならもっと早く走れ」
「だって、さっきの雰囲気からは到底予想つかない事になってるじゃん!今になって笑えてきた」
「、、、ははっ!たしかになっ」
俺も釣られて大きな声で笑う。今俺の顔をはくしゃくしゃになっているだろう。
「っ、、、う、わぁっ!」
すると、日向が転んでしまう。
「おい、大丈夫か?」
俺は日向に手を差し出す。
「段差もなんもないところで転ぶなよ、、、」
「あはは、、、」
日向は俺の手を掴む。そして引き寄せる。
「ちょ、おいっ!」
いきなりのことで俺はバランスを崩し、日向の足の間に手を着く。
「お前なぁ、、、何してっ、ー」
その瞬間俺は何も喋れなくなった。
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