歪(いびつ)な月

神崎真紅

文字の大きさ
上 下
5 / 9

迷惑な子

しおりを挟む
    それは凛が中学を卒業してから三つくらいの季節が通り過ぎた頃、突然訪れた迷惑この上ない招かれざる人物からのLINEだった。
 そう、香織からである。

 何を勘違いしてるのやら、凛にまた難癖つけてきた。本当に女子高生って面倒くさい生き物です。

 凛はもう自分の中で答えを出していて、香織とは友達とも思えないからこのまま全てを終わりにしようと、そうハッキリと意思表示をしたのだけれど香織はなぜか終わらせようとしない。

 そういえばもうすぐクリスマス。また凛に高いプレゼントでも催促する予定だったのかしら。
 でも凛はサンタクロースじゃないし、香織にお金を使うくらいならドブの中に溜まった落ち葉にくれてやる方がよっぽどマシだと言っていた。私もそう思う。
 
 それに高校も違うのだし、今さら香織とお友達ごっこをやる必要などない。
 凛にとっては触れたくない古い薄汚れた時間であって、もう香織と話すことなど何もないだろう。
 そう、香織の存在そのものが、迷惑でしかないのである。
 
 けれどやっぱり高校生にもなれば多少なりとも人間を見る目、というものを持ち合わせている社会的に真っ当に成長している子達もいるわけだし。
 そういう子達の中では香織は、やはり奇異な存在に映るだろう。
 
 つまるところ凛にしていたイジメの数々がいままさに香織に降りかかっていてもおかしくはない。
 これこそが、因果応報であるといえよう。
 
 人を呪わば穴二つ。
 呪っていたのかしら?
 凛を?
 なぜ?
 さあ、それは香織に聞かないと分からない真実でしょうね。
   
  もう、そういう煩わしいしがらみから開放されたい。香織と関わることすらめんどくさい。
 凛の言葉だった。
 
 そうねもう立場が違う。生きている環境が違いすぎる。ならばこのまま香織との記憶など流してしまえばいい。
 今の凛ならそれが難しいことではなくなっているのだから。
 高校生になって、香織と違う高校に入って、そこでかけがえのないものに出会い見つけた凛は強くなった。
 
    真実の友達。
 そんな凛には過去はもう要らない。
 凛は今やっと自分の足で立って歩き出したばかりなのだ。だから香織なんかに邪魔されたくはない。
 過去を真っ白に消して流してしまえばいいのだ。難しいことなど何もない。
 
  
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

膀胱を虐められる男の子の話

煬帝
BL
常におしがま膀胱プレイ 男に監禁されアブノーマルなプレイにどんどんハマっていってしまうノーマルゲイの男の子の話 膀胱責め.尿道責め.おしっこ我慢.調教.SM.拘束.お仕置き.主従.首輪.軟禁(監禁含む)

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

おむつオナニーやりかた

rtokpr
エッセイ・ノンフィクション
おむつオナニーのやりかたです

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

若妻の穴を堪能する夫の話

かめのこたろう
現代文学
内容は題名の通りです。

車の中で会社の後輩を喘がせている

ヘロディア
恋愛
会社の後輩と”そういう”関係にある主人公。 彼らはどこでも交わっていく…

処理中です...