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第三章

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「私は精霊のクオーター。だから特別なのよ」とライラは笑って言う。
「あっそ。それは良かったね」
適当に流してルルーシュは私の手を引く。
私もびっくりするぐらいルルーシュはライラの「特別」発言を流した。
興味がないのだろう。
ライラが彼女の言う通り『特別』であったとしてもルルーシュにはどうでもいいことなのだろう。
「セイレーン、お茶にしよう。セイレーンと話したいな」
「えっ、あ、うん。分かったわ」
無視されると思わなかったのだろう。
 ライラは笑顔のまま固まっていた。
彼女のことが気になったけどルルーシュに先を促され、私は足を前に出した。
「ちょっ、えっ、何で!?そこはセイレーンじゃなくて私でしょ!私はあなたの番なのよ」
私達が視界から消えたことにより衝撃から目を覚ましたライラが慌てて後を追ってきた。
「うるさいなぁ。それ、俺には関係ないじゃん」
「あるわよ!私はあなたの番なのよ」
「それってそっちの都合でしょ。君の番だからって君と婚約したいと思わないし」
「なんで。私たち、番なのに」
目に涙をため、ドレスの裾を握りしめながれライラはルルーシュを見る。
そんなに握りしめたらドレスがシワになるなと私は思いながら二人のやり取りを傍観する。
「だから何?あんたと恋人になれって?ごっこ遊びでも御免だね。あんたのくだらない事情に巻き込まないでくる。行こう、セイレーン」
「うん」
泣き崩れるライラに侍女が寄り添う。
女の子だからこそ余計にロマンチックな展開を期待していたのかもしれない。
実際は一刀両断されて終わったけど。
「ねぇ、どうしてこんなに奥に行くの?セイレーンの部屋、通り過ぎたよね」
考えながれ進んでいた為、ルルーシュに説明せるのを忘れていた。
「部屋をライラと替えたの」
「何で?」
心做しかルルーシュがライラと対峙した時よりも不機嫌になっている気がする。
「父の命令よ。ライラが私の部屋を気に入ったみたい」
「ふぅん」
いくらルルーシュでも家族の問題に口は出せないので相槌のみで終わらせてくれた。
部屋に着くとルルーシュは私に気を遣ってか面白い話をたくさんしてくれた。
こんなに笑ったのは久しぶりだ。
部屋に侍女すらいない。その状況に何かしら思うことはあっただろう。
けれどルルーシュは一切聞いては来なかった。
正直、ほっとした。
家族に疎外されてるなんて、知られたくないもの。情けなくて恥ずかしいから。
「ねぇ、セイレーン。何があっても俺はセイレーンの味方だから。俺の前では無理をしないでね。何かあったら必ず頼ってね」
「ありがとう」
ルルーシュの優しさに泣きそうになった。
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