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「セルフが王位を剥奪されていた?」
私、シャーベットがそのことをスカーレットから聞かされたのはセルフが陛下に謁見に行ってすぐのことだった。
「何よ、それ。そんな嘘、私が見抜けないとでも思っていたの?」
彼女はきっとセルフに愛されている私に嫉妬しているんだわ。物語でもこういう女はよく登場する。主人公に嘘をついて騙し、別れさせようとする。物語の主人公たちは頭がないからすぐに騙されるけれど私は違うわ。こんな女の嘘ぐらい簡単に見抜ける。私は権力に集ることしか能のないこの女と違って賢いから。
「事実よ。まぁ、信じる信じないはあなたの勝手でしょうけれど。でも。ねぇ、いいの?セルフ殿下はこんなあなたをずっと放置しているのよ。あなたはいつまで彼のことを待ち続けるの?」
「っ」
哀れみを浮かべてスカーレットが私を見る。どうしてこんな女にそんな顔をされないといけないのよ。哀れなのは寧ろスカーレットの方じゃない。セルフから愛されないんだから。
でも、この女の言う通り、ここ最近セルフは私のもとへは来てはくれない。
どうして?私は今、こんなに傷ついているのにどうして傍に居てくれないの?
「セルフ殿下は今、とある子爵令嬢と懇意にしているそうよ」
「っ。う、嘘よ」
私の心の隙間を縫うようにスカーレットが言う。でたらめだと思う。でも、完全に否定できないのは彼が私も元へ姿を見せなくなってしまったからだ。
セルフ、どうして来ないの?私はずっとあなたを待っているのに。
私は漸く幸せを掴み取ったのよ。なのに、ここで手放すものですか。きっと、全部この女の策略。噓八百を並べて私をセルフから引きはがそうとしているんだわ。きっとそうに決まっている。そうでなければおかしい。
セルフは王族。彼の傍に居続ければ私は王族になれる。王族は望めばなんでも手に入れられる最高権力の持ち主。王妃になれないのは残念だけれど、それは仕方がない。
セルフと違って王太子の方は隙がなくて近づけないし、彼は私に対して警戒心が強かったから。欲を張らずに第二王子であるセルフで我慢しておけば将来は安泰。私は勝ち組になったのよ。
「これ、あげる」
そう言ってスカーレットが見せてくれたのはセルフが書いたと思われる手紙だった。そこには、私以外の女に愛を囁く文字が綴られていた。
ガラガラと何かが崩れ落ちる音がした。
恐る恐るスカーレットを見ると彼女はここへ入ってきた時と同じ哀れみの目を私に向けていた。
「可哀そうなシャーベット。あなたは捨てられたのよ」
もう、否定の言葉は出てこなかった。
「この子爵令嬢の邸って当然、ここら行けるのよね」
「馬車を出してあげる」
私はスカーレットの用意した馬車に乗り込んで、その子爵令嬢の元へ急いだ。
顔に傷を負ってから初めての外出だ。もちろん、顔を見られないようにスカーフを頭らかぶって下を向いている。
暫く進んでから馬車は急に止まった。
「もう着いたの?」
「ああ、着いたぜ。お嬢さん」
「えっ?」
貴族が雇う御者にてしはあり得ない粗野な口調。驚いて顔を上げると、そこには人相の悪い、醸し出す雰囲気から分かるぐらい下品な男たちがいた。
「な、何。だ、誰よあんたたちは」
「俺たちは奴隷商人だ」
「は?奴隷商人?何でそんなのが私の馬車に入ってきているのよ。許可もなく馬車を止め、あまつさえ乗り込むなんて無礼じゃないの」
「うるっせぇんだよ」
バシンッ。
「っ」
私は大柄な男に殴られた。口の中を切ったのか、鉄の味が咥内に広がった。気持ちが悪い。
「お前、借金があるんだよ」
「は?」
全く身に覚えのないことだった。
「お前の着ている服や、食った物、雇って人間の給金。それに身に着けている宝石の数々はお前とお前の恋人が王家から貰っているお金だけでは到底足りず、スカーレット様が仕方がなく金貸しからお前たち名義で借りてたんだよ」
「はぁ!?ふざけんじゃないわよっ!スカーレットが借りたのならスカーレットが返せばいいじゃない。第一貴族のくせに私のために使う金もないっていうの?けち臭いにも程があるわ」
憤慨する私を無視して男たちは続ける。
「俺たちはその金貸しからスカーレット様を通じて、お前たちを売ることになったんだ。お前の持ち物は全て質屋に入っている。もちろん、お前の恋人の分もな。安心しろ、お前の恋人もすぐに別の便で俺たちが買い取って売ることになる。良かったな。恋人に会えるぜ」
にやりと大柄な男はいやらしい笑みを浮かべて言う。
「ふざけないでっ!人の物を勝手に売るとか。それにセルフは王族よ。そんなこと許されるわけがない」
「成程。聞いていた通り、オツムが足りないんだな」
「なっ」
「まぁいい。奴隷にそんなものは必要ないからな。女なら夜伽相手として売れるがお前のその顔じゃあ無理だな。まぁ、女奴隷で肉体労働をしている奴も多くいるから安心しな」
安心できる要素が皆無だ。
あり得ない。こんなの現実なわけがない。でも、私の体は男たちに無理やり馬車から降ろされた。
「う、嘘でしょう。ねぇ、嘘よね」
私が何を言ってももう無意味だった。折角、貧乏からのし上がって幸せになれると思ったのに。
「いや、いやよ。こんなの、いやぁぁぁぁっ!!」
◇◇◇
「・・・・・シャーベット」
奴隷船に乗せられて暫くすると、げっそりとしたセルフが乗ってきた。
彼の絶望に満ちた顔を見ると文句の一つも出てこない。
彼は私の所まできて何も言わずに腰を下ろした。
隙間風のあるこの中はシクシクと泣く男女が大勢いた。
年齢はまちまちだ。私よりも上の人もいれば逆にうんと小さい子もいる。もちろん、同い年ぐらいの子も。私たちに共通点はみな絶望に満ちた顔をしていることだけだ。
何を間違えたのだろう。セルフにあったこと?彼を踏み台にしてのし上がろうとしたこと。スカーレットに関わったこと。
違う。きっと、彼女をコケにしたのがいけなかったのだ。彼女を侮辱したからこうなったのだ。だって、スカーレットは明らかにセルフに興味がなかった。きっと。私がスカーレットの邸についていかず、普通の愛人と同じようにしていればスカーレットは何もしてこなかったと思う。
全ては貴族を怒らせたのが間違いだったんだ。
「どうして、こんなことに・・・・・」
隣で深いため息をつきながらぼやくセルフを見る。
王族もこうなったら私たちと遜色ないわね。
やがて私たちを乗せた船は出向した。地獄へ向かって。
◇◇◇
「貴族って、あなた達が思っている以上に厄介で、とても怖い存在なのよ」
スカーレットは高級茶葉をふんだんに使った紅茶を飲み、ほくそ笑む。
※完結にするか続けるかちょっと迷っていますが、いったんここで完結にします。
最後までお付き合いくださり、ありがとうございましたm(_ _)m
私、シャーベットがそのことをスカーレットから聞かされたのはセルフが陛下に謁見に行ってすぐのことだった。
「何よ、それ。そんな嘘、私が見抜けないとでも思っていたの?」
彼女はきっとセルフに愛されている私に嫉妬しているんだわ。物語でもこういう女はよく登場する。主人公に嘘をついて騙し、別れさせようとする。物語の主人公たちは頭がないからすぐに騙されるけれど私は違うわ。こんな女の嘘ぐらい簡単に見抜ける。私は権力に集ることしか能のないこの女と違って賢いから。
「事実よ。まぁ、信じる信じないはあなたの勝手でしょうけれど。でも。ねぇ、いいの?セルフ殿下はこんなあなたをずっと放置しているのよ。あなたはいつまで彼のことを待ち続けるの?」
「っ」
哀れみを浮かべてスカーレットが私を見る。どうしてこんな女にそんな顔をされないといけないのよ。哀れなのは寧ろスカーレットの方じゃない。セルフから愛されないんだから。
でも、この女の言う通り、ここ最近セルフは私のもとへは来てはくれない。
どうして?私は今、こんなに傷ついているのにどうして傍に居てくれないの?
「セルフ殿下は今、とある子爵令嬢と懇意にしているそうよ」
「っ。う、嘘よ」
私の心の隙間を縫うようにスカーレットが言う。でたらめだと思う。でも、完全に否定できないのは彼が私も元へ姿を見せなくなってしまったからだ。
セルフ、どうして来ないの?私はずっとあなたを待っているのに。
私は漸く幸せを掴み取ったのよ。なのに、ここで手放すものですか。きっと、全部この女の策略。噓八百を並べて私をセルフから引きはがそうとしているんだわ。きっとそうに決まっている。そうでなければおかしい。
セルフは王族。彼の傍に居続ければ私は王族になれる。王族は望めばなんでも手に入れられる最高権力の持ち主。王妃になれないのは残念だけれど、それは仕方がない。
セルフと違って王太子の方は隙がなくて近づけないし、彼は私に対して警戒心が強かったから。欲を張らずに第二王子であるセルフで我慢しておけば将来は安泰。私は勝ち組になったのよ。
「これ、あげる」
そう言ってスカーレットが見せてくれたのはセルフが書いたと思われる手紙だった。そこには、私以外の女に愛を囁く文字が綴られていた。
ガラガラと何かが崩れ落ちる音がした。
恐る恐るスカーレットを見ると彼女はここへ入ってきた時と同じ哀れみの目を私に向けていた。
「可哀そうなシャーベット。あなたは捨てられたのよ」
もう、否定の言葉は出てこなかった。
「この子爵令嬢の邸って当然、ここら行けるのよね」
「馬車を出してあげる」
私はスカーレットの用意した馬車に乗り込んで、その子爵令嬢の元へ急いだ。
顔に傷を負ってから初めての外出だ。もちろん、顔を見られないようにスカーフを頭らかぶって下を向いている。
暫く進んでから馬車は急に止まった。
「もう着いたの?」
「ああ、着いたぜ。お嬢さん」
「えっ?」
貴族が雇う御者にてしはあり得ない粗野な口調。驚いて顔を上げると、そこには人相の悪い、醸し出す雰囲気から分かるぐらい下品な男たちがいた。
「な、何。だ、誰よあんたたちは」
「俺たちは奴隷商人だ」
「は?奴隷商人?何でそんなのが私の馬車に入ってきているのよ。許可もなく馬車を止め、あまつさえ乗り込むなんて無礼じゃないの」
「うるっせぇんだよ」
バシンッ。
「っ」
私は大柄な男に殴られた。口の中を切ったのか、鉄の味が咥内に広がった。気持ちが悪い。
「お前、借金があるんだよ」
「は?」
全く身に覚えのないことだった。
「お前の着ている服や、食った物、雇って人間の給金。それに身に着けている宝石の数々はお前とお前の恋人が王家から貰っているお金だけでは到底足りず、スカーレット様が仕方がなく金貸しからお前たち名義で借りてたんだよ」
「はぁ!?ふざけんじゃないわよっ!スカーレットが借りたのならスカーレットが返せばいいじゃない。第一貴族のくせに私のために使う金もないっていうの?けち臭いにも程があるわ」
憤慨する私を無視して男たちは続ける。
「俺たちはその金貸しからスカーレット様を通じて、お前たちを売ることになったんだ。お前の持ち物は全て質屋に入っている。もちろん、お前の恋人の分もな。安心しろ、お前の恋人もすぐに別の便で俺たちが買い取って売ることになる。良かったな。恋人に会えるぜ」
にやりと大柄な男はいやらしい笑みを浮かべて言う。
「ふざけないでっ!人の物を勝手に売るとか。それにセルフは王族よ。そんなこと許されるわけがない」
「成程。聞いていた通り、オツムが足りないんだな」
「なっ」
「まぁいい。奴隷にそんなものは必要ないからな。女なら夜伽相手として売れるがお前のその顔じゃあ無理だな。まぁ、女奴隷で肉体労働をしている奴も多くいるから安心しな」
安心できる要素が皆無だ。
あり得ない。こんなの現実なわけがない。でも、私の体は男たちに無理やり馬車から降ろされた。
「う、嘘でしょう。ねぇ、嘘よね」
私が何を言ってももう無意味だった。折角、貧乏からのし上がって幸せになれると思ったのに。
「いや、いやよ。こんなの、いやぁぁぁぁっ!!」
◇◇◇
「・・・・・シャーベット」
奴隷船に乗せられて暫くすると、げっそりとしたセルフが乗ってきた。
彼の絶望に満ちた顔を見ると文句の一つも出てこない。
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年齢はまちまちだ。私よりも上の人もいれば逆にうんと小さい子もいる。もちろん、同い年ぐらいの子も。私たちに共通点はみな絶望に満ちた顔をしていることだけだ。
何を間違えたのだろう。セルフにあったこと?彼を踏み台にしてのし上がろうとしたこと。スカーレットに関わったこと。
違う。きっと、彼女をコケにしたのがいけなかったのだ。彼女を侮辱したからこうなったのだ。だって、スカーレットは明らかにセルフに興味がなかった。きっと。私がスカーレットの邸についていかず、普通の愛人と同じようにしていればスカーレットは何もしてこなかったと思う。
全ては貴族を怒らせたのが間違いだったんだ。
「どうして、こんなことに・・・・・」
隣で深いため息をつきながらぼやくセルフを見る。
王族もこうなったら私たちと遜色ないわね。
やがて私たちを乗せた船は出向した。地獄へ向かって。
◇◇◇
「貴族って、あなた達が思っている以上に厄介で、とても怖い存在なのよ」
スカーレットは高級茶葉をふんだんに使った紅茶を飲み、ほくそ笑む。
※完結にするか続けるかちょっと迷っていますが、いったんここで完結にします。
最後までお付き合いくださり、ありがとうございましたm(_ _)m
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