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第8章:異世界転生リーン・スタートアップの始め方
第1話
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「では、第1回株主総会をはじめますわよ! みなさんお揃いかしら?」
「王女様、これは株主総会ではなく取締役会ですよ。それに、医院開業の話だってまだこれからです」
「わ、わかってますわよ。でも、あたくし、奴隷さんの医院の大株主であり取締役員なんですからね」
「ええ、ありがとうございます。王女様のおかげで現金ができましたので、この資金で開業ができます。ちなみに、王女様の持ち株比率は10%ですから、主要株主ですね」
「ギルドの持ち分も10%でよかったかな? 奴隷氏よ」
「はい、その認識でOKです。現金はないですが、今まで多くの投資をして頂きましたから、その分を株式でお支払いした形ですね。その他、クーリーさん、ターコネルさん、キルベガンさん、そしてミドルトンさんが3%ずつで、残りの68%は僕が所持している形になります。まあこの国には株式会社の概念がまだありませんから、僕に特別決議権がある、とかはどうでもいい情報かもですが…」
「奴隷の兄ちゃん、よく解ってないんだが、3%だとどのくらいの金額の価値があるんだ?」
「価値は市場に評価されていくので、すぐに現金化できる訳ではないですし、価値の保証も当然できませんが、未公開株なので王女様が支払ってくださった金額を基準にすると、3%でも小さめの家を1軒建てられるくらいの価値はありますね…」
「ま、まじかよ…。俺なんて、錬金術の姉ちゃんや一個隊長の姉ちゃんの歯に小さな部品をつけたり外したりしたくらいなのによ…」
「おじさま! あたくしの歯もそうでしょう?」
「あ、ああ、お姫様嬢ちゃんの歯もそうだったな…。お、おじさま…」
「し、しか、シカイさん、こ、この、この会議の議決権は、わた、わたしたちにもあるんでしょうか?」
「今の所、取締役は王女さまとギルド長と僕の3人だけですから、残念ですが皆さんにはありません。議題に対し、3人中2人が手を上げれば、決定事項になります。取締役会ですから、議決権のない皆さんは本来この会議に出席すべきではないのですが、みんなで意見を出し合って医院は作って行きたいので、硬いことは抜きにしましょう」
「で、奴隷くん、今日は何について話し合うんだい?」
「まずは資本金となる王女様が出資してくださったお金の使い途ですね。この世界…というか国では、資本金の信用を元にした銀行融資なんて考え方はないでしょうから、気にせずに資本金を使ってしまいたいと思います」
「い、いい、医院の、かい、かい、開業費用ですね」
「主にそうなると思います。それから、物販事業を開始する事についての議決もしたいと思います」
「ギルド長として、自分はそこを気にしている。医院が1軒だけでは、道具の卸での稼ぎなど知れているからな。でも何を売る? 歯ブラシか?」
「何を売るかについては、僕の考えをあとでお話しますので、みなさんのご意見を頂きたいと思います。それと、これは議決対象ではないですが、現在僕たちが抱えている課題についてもお話したいです。一番の課題は、クーリーさんやキルベガンさんのスキルが唯一無二で属人的なので、お二人の稼働の確保をどうするかや、医院の数を今後増やすのをどうしていくか、などです」
「なるほどね。それは大問題だよね。まあ、あたしはこっちのほうが稼ぎがよければ床屋は畳んじゃってもいいと思ってるけどね」
「で、兄ちゃん、何から議論をするんだ?」
「僕たちは、市場がないところに、新たに市場を作ろうとしています。ただ、今回は顧客の抱える悩みが非常に明確で規模も大きい事が解っているので、医院開業を成功させる事自体は難しくないと考えています。でも、せっかくなら最小稼働と最小時間で最大の稼ぎを得たい」
「奴隷氏よ、顧客が抱える悩み、というのは、虫歯の事か?」
「そうですね。虫歯や歯並びや口臭その他、全部です。ですが、僕たちはまず、誰のどの悩みを中心に解決していくかを決めなければなりません」
「誰のって…。兄ちゃん、その悩みを抱えている全員じゃないのか?」
「全員ではないですね。さっきも言ったとおり、医院はまずは1軒しかないですし、チームは我々の1つしかありません。1日に治療できる人数は知れています。お金を持っていない人だけ集中していたら経営が立ち行かないし、かといってお金持ちばかりを相手にしていると、そのうち顧客が離れていくかもしれません」
「奴隷くんは割とガメつくやろうとしているんだな。まあ、あたしもそのタチだけどさ」
「ははは。そうですね。でも、医院をご愛顧してくれるお客様に対して一番失礼な事は、医院がつぶれてサービスを継続できなくなることです。だから、儲けない事は、そもそも悪だと言えますね。精神論や使命感だけで、自腹を切って、ボランティア精神で事業を続けてつぶすのが一番の悪です」
「ま、まず、まずは、い、医院の中心顧客を、どん、どんな人にするか、という事ですね…」
「はいそうですね。ダーゲット顧客や、その顧客が抱える悩みの仮説を立てて、検証していきます。そうすれば、自ずと、街のどのあたりに開業するのがいいのか、とか、医院は何人くらいを収容できる大きさがよいのか、営業時間、曜日はいつがいいのか、ターゲットに合わせた内装は何か、治療費はどのくらいに設定するといいのか、どの手段で告知をするのがいいのか、などが順番に決まってきます」
「なかなか途方もありませんですわね…。どこか適当な土地にいきなり建ててしまったほうが楽ではありませんこと?」
「おそらくそれでも医院としてはやっていけると思いますが、今後の発展を考えると、できるだけちゃんと調べてやっていきたいですね。事業が拡大できれば、それだけ多くの人を治療できますから、国力の増強に直結します」
「そ、そうなのですわね…。お父様は喜びそうですけれど…」
「で、兄ちゃん、医院の中心顧客は、誰だと考えてるんだ?」
「そこは、恐らくみなさんの方が街の事に詳しいと思うので、みなさんの意見を参考にしたいです」
「参考にって言われてもなあ…。歯に悩みがないヤツの方が少ないくらいだしな…」
「では、市場規模の推計から決めていきましょうか。これには、TAM(タム:Total Available Market)、SAM(サム:Serviceable Available Market)、SOM(ソム:Serviceable Obtainable Market)という考え方を使います。TAMというのは、市場規模全体の事です。今回で言えば、この国の人口×平均単価ってところでしょうか。SAMは、その中でターゲットとなりうる対象の事です。今回で言えば、歯に悩みを持っている人の人口×平均単価ってところでしょうか。そして、SOMというのは、その中で更に、僕たちの医院がターゲットとできる対象の事です。このSOMに充分な規模があるところを狙っていきます。なので、まずはこの国の人口を把握したいんですが…」
「なんだか難しい話ですわね…。秘書副室長が外で待機していますわ。彼女なら知っているかもしれません。呼んできますわね」
「王女様、これは株主総会ではなく取締役会ですよ。それに、医院開業の話だってまだこれからです」
「わ、わかってますわよ。でも、あたくし、奴隷さんの医院の大株主であり取締役員なんですからね」
「ええ、ありがとうございます。王女様のおかげで現金ができましたので、この資金で開業ができます。ちなみに、王女様の持ち株比率は10%ですから、主要株主ですね」
「ギルドの持ち分も10%でよかったかな? 奴隷氏よ」
「はい、その認識でOKです。現金はないですが、今まで多くの投資をして頂きましたから、その分を株式でお支払いした形ですね。その他、クーリーさん、ターコネルさん、キルベガンさん、そしてミドルトンさんが3%ずつで、残りの68%は僕が所持している形になります。まあこの国には株式会社の概念がまだありませんから、僕に特別決議権がある、とかはどうでもいい情報かもですが…」
「奴隷の兄ちゃん、よく解ってないんだが、3%だとどのくらいの金額の価値があるんだ?」
「価値は市場に評価されていくので、すぐに現金化できる訳ではないですし、価値の保証も当然できませんが、未公開株なので王女様が支払ってくださった金額を基準にすると、3%でも小さめの家を1軒建てられるくらいの価値はありますね…」
「ま、まじかよ…。俺なんて、錬金術の姉ちゃんや一個隊長の姉ちゃんの歯に小さな部品をつけたり外したりしたくらいなのによ…」
「おじさま! あたくしの歯もそうでしょう?」
「あ、ああ、お姫様嬢ちゃんの歯もそうだったな…。お、おじさま…」
「し、しか、シカイさん、こ、この、この会議の議決権は、わた、わたしたちにもあるんでしょうか?」
「今の所、取締役は王女さまとギルド長と僕の3人だけですから、残念ですが皆さんにはありません。議題に対し、3人中2人が手を上げれば、決定事項になります。取締役会ですから、議決権のない皆さんは本来この会議に出席すべきではないのですが、みんなで意見を出し合って医院は作って行きたいので、硬いことは抜きにしましょう」
「で、奴隷くん、今日は何について話し合うんだい?」
「まずは資本金となる王女様が出資してくださったお金の使い途ですね。この世界…というか国では、資本金の信用を元にした銀行融資なんて考え方はないでしょうから、気にせずに資本金を使ってしまいたいと思います」
「い、いい、医院の、かい、かい、開業費用ですね」
「主にそうなると思います。それから、物販事業を開始する事についての議決もしたいと思います」
「ギルド長として、自分はそこを気にしている。医院が1軒だけでは、道具の卸での稼ぎなど知れているからな。でも何を売る? 歯ブラシか?」
「何を売るかについては、僕の考えをあとでお話しますので、みなさんのご意見を頂きたいと思います。それと、これは議決対象ではないですが、現在僕たちが抱えている課題についてもお話したいです。一番の課題は、クーリーさんやキルベガンさんのスキルが唯一無二で属人的なので、お二人の稼働の確保をどうするかや、医院の数を今後増やすのをどうしていくか、などです」
「なるほどね。それは大問題だよね。まあ、あたしはこっちのほうが稼ぎがよければ床屋は畳んじゃってもいいと思ってるけどね」
「で、兄ちゃん、何から議論をするんだ?」
「僕たちは、市場がないところに、新たに市場を作ろうとしています。ただ、今回は顧客の抱える悩みが非常に明確で規模も大きい事が解っているので、医院開業を成功させる事自体は難しくないと考えています。でも、せっかくなら最小稼働と最小時間で最大の稼ぎを得たい」
「奴隷氏よ、顧客が抱える悩み、というのは、虫歯の事か?」
「そうですね。虫歯や歯並びや口臭その他、全部です。ですが、僕たちはまず、誰のどの悩みを中心に解決していくかを決めなければなりません」
「誰のって…。兄ちゃん、その悩みを抱えている全員じゃないのか?」
「全員ではないですね。さっきも言ったとおり、医院はまずは1軒しかないですし、チームは我々の1つしかありません。1日に治療できる人数は知れています。お金を持っていない人だけ集中していたら経営が立ち行かないし、かといってお金持ちばかりを相手にしていると、そのうち顧客が離れていくかもしれません」
「奴隷くんは割とガメつくやろうとしているんだな。まあ、あたしもそのタチだけどさ」
「ははは。そうですね。でも、医院をご愛顧してくれるお客様に対して一番失礼な事は、医院がつぶれてサービスを継続できなくなることです。だから、儲けない事は、そもそも悪だと言えますね。精神論や使命感だけで、自腹を切って、ボランティア精神で事業を続けてつぶすのが一番の悪です」
「ま、まず、まずは、い、医院の中心顧客を、どん、どんな人にするか、という事ですね…」
「はいそうですね。ダーゲット顧客や、その顧客が抱える悩みの仮説を立てて、検証していきます。そうすれば、自ずと、街のどのあたりに開業するのがいいのか、とか、医院は何人くらいを収容できる大きさがよいのか、営業時間、曜日はいつがいいのか、ターゲットに合わせた内装は何か、治療費はどのくらいに設定するといいのか、どの手段で告知をするのがいいのか、などが順番に決まってきます」
「なかなか途方もありませんですわね…。どこか適当な土地にいきなり建ててしまったほうが楽ではありませんこと?」
「おそらくそれでも医院としてはやっていけると思いますが、今後の発展を考えると、できるだけちゃんと調べてやっていきたいですね。事業が拡大できれば、それだけ多くの人を治療できますから、国力の増強に直結します」
「そ、そうなのですわね…。お父様は喜びそうですけれど…」
「で、兄ちゃん、医院の中心顧客は、誰だと考えてるんだ?」
「そこは、恐らくみなさんの方が街の事に詳しいと思うので、みなさんの意見を参考にしたいです」
「参考にって言われてもなあ…。歯に悩みがないヤツの方が少ないくらいだしな…」
「では、市場規模の推計から決めていきましょうか。これには、TAM(タム:Total Available Market)、SAM(サム:Serviceable Available Market)、SOM(ソム:Serviceable Obtainable Market)という考え方を使います。TAMというのは、市場規模全体の事です。今回で言えば、この国の人口×平均単価ってところでしょうか。SAMは、その中でターゲットとなりうる対象の事です。今回で言えば、歯に悩みを持っている人の人口×平均単価ってところでしょうか。そして、SOMというのは、その中で更に、僕たちの医院がターゲットとできる対象の事です。このSOMに充分な規模があるところを狙っていきます。なので、まずはこの国の人口を把握したいんですが…」
「なんだか難しい話ですわね…。秘書副室長が外で待機していますわ。彼女なら知っているかもしれません。呼んできますわね」
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