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イアン end
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~イアンエンド~
「おかえりなさい。」
気がつくと、イアン様と共にソファーに腰掛けていた。
『イアン様。只今、戻りました』
イアン様を慈しむように眺める。
イアン様は時が止まったかのように固まった。が、すぐに相合を崩して抱きしめてくる。
「あぁ。やっぱりあなたといると、不思議な気持ちになります。もうどこへも行かないでください。」
『どこへも行きません』
「本当ですか?
おや、魅了の魔法が解けていますね。大丈夫ですか?」
イアン様は抱きしめた腕を緩めて、私を心配そうに覗き込む。
『ちょっと、色々とありまして』
「そうですか。大変でしたね。でも、大丈夫です。困ったことがあれば、私が力になります。」
『ありがとうございます。
イアン様、私もイアン様の力になりたいです
イアン様の潤んだ瞳が熱を帯びる。
その瞳は魅惑的で、捕えられたように動けなくなる。
『イアン様…そんなに見つめられると…
困ります』
「あなたを困らせるつもりはないのですが…これも困るでしょうか」
イアン様は私の頬に軽く手を添えて、口づけを落とす。
その柔らかな感触に、嬉しくもあり、戸惑う。あまりにも一瞬のことだったから。寂しくて。
「私は、その、女性経験が皆無でして…」
耳までほんのりと赤くなるイアン様。
その様子がかわいくて、つい心の声が漏れてしまったほど。
『かわいいです』
そう言って、今度は私からイアン様の唇を奪った。何度も重ねるうちに、お互いの舌が絡まる。
「男性にかわいいなどとは、反則ですね」
迫っていたはずなのに、いつの間にかイアン様に主導権が握られていた。
『イアンさま、経験がないと言われてませんでした?』
「一般的な知識は人並みにあります。
そういう、あなたはどうなんでしょう?
迫ってくるところをみると… 」
『…』
「ふふ。答えたくないのですか。
そうですか。そういう態度なら仕方ないですね。身体に聞くしかないでしょうね」
押し倒されて、突然くるんと視界が反転する。
『イアン様っ。なんか、性格変わってませんか』
「いいえ。初めてがあなたで興奮しているだけです。抑制が効きません」
イアン様に覆いかぶさられ、私は自身の全てを彼に委ねた
私達は、不器用ながらも何度も身体を重ねて、想いを確かめ合った。
「おかえりなさい。」
気がつくと、イアン様と共にソファーに腰掛けていた。
『イアン様。只今、戻りました』
イアン様を慈しむように眺める。
イアン様は時が止まったかのように固まった。が、すぐに相合を崩して抱きしめてくる。
「あぁ。やっぱりあなたといると、不思議な気持ちになります。もうどこへも行かないでください。」
『どこへも行きません』
「本当ですか?
おや、魅了の魔法が解けていますね。大丈夫ですか?」
イアン様は抱きしめた腕を緩めて、私を心配そうに覗き込む。
『ちょっと、色々とありまして』
「そうですか。大変でしたね。でも、大丈夫です。困ったことがあれば、私が力になります。」
『ありがとうございます。
イアン様、私もイアン様の力になりたいです
イアン様の潤んだ瞳が熱を帯びる。
その瞳は魅惑的で、捕えられたように動けなくなる。
『イアン様…そんなに見つめられると…
困ります』
「あなたを困らせるつもりはないのですが…これも困るでしょうか」
イアン様は私の頬に軽く手を添えて、口づけを落とす。
その柔らかな感触に、嬉しくもあり、戸惑う。あまりにも一瞬のことだったから。寂しくて。
「私は、その、女性経験が皆無でして…」
耳までほんのりと赤くなるイアン様。
その様子がかわいくて、つい心の声が漏れてしまったほど。
『かわいいです』
そう言って、今度は私からイアン様の唇を奪った。何度も重ねるうちに、お互いの舌が絡まる。
「男性にかわいいなどとは、反則ですね」
迫っていたはずなのに、いつの間にかイアン様に主導権が握られていた。
『イアンさま、経験がないと言われてませんでした?』
「一般的な知識は人並みにあります。
そういう、あなたはどうなんでしょう?
迫ってくるところをみると… 」
『…』
「ふふ。答えたくないのですか。
そうですか。そういう態度なら仕方ないですね。身体に聞くしかないでしょうね」
押し倒されて、突然くるんと視界が反転する。
『イアン様っ。なんか、性格変わってませんか』
「いいえ。初めてがあなたで興奮しているだけです。抑制が効きません」
イアン様に覆いかぶさられ、私は自身の全てを彼に委ねた
私達は、不器用ながらも何度も身体を重ねて、想いを確かめ合った。
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