上 下
2 / 29

2 ①

しおりを挟む
事の始まりはアラン・ロシュフォール伯爵様からの手紙を受け取った時に遡る。

「大変だ! 今から家族会議を開く! 全員応接室に集まるように!」


使用人のいないルブラン男爵邸に、父であるリチャード・ルブラン男爵の声が響く。


「フィオ姉様、起きてる?お父様が呼んでいるわ」

隣室の扉をノックして、中にいるはずのフィオ姉様に呼びかける

「おはよう、クリスティナ。早いのね。お父様が? 今度は何をやらかしたのかしら?」

「これ以上のトラブルは勘弁してほしいですね」

そう、この邸になぜ使用人がいないのかというと、ズバリ貧乏だから。

私達家族は皆おそらく楽観主義者だ。

物事を深く考えない。そうなった原因はお父様ではないかと思っている。 

お父様はよく言えば人が良い━━のかな?

母が生きていた頃は商会を経営していた。 母は計算が得意だった。 父は人当たりがいい。
二人で協力して商会はそれなりに潤っていた。

母が亡くなってから、徐々に貧乏になっていった。


父は計算が苦手だ。 細かい数字があっていなくても気にしない。
 
そんなどんぶり勘定では経営などできるはずもない。 細かい数字があっていなくても気づかない父に目をつけ、従業員が横領していたことが発覚。

その従業員をクビにしたら、別の従業員が商会のお金を持ち逃げ。

その他トラブルが重なって立ち行かなくなり、結局商会は手放すはめに……

今後の見通しもたっていないのに、知人に頼まれたからと連帯保証人をひきうける。
案の定、知人が逃亡して借金を背負いこむはめに。


またある時には、どうみても何の効果もなさそうな怪しげな壺を、訪問販売の人の泣き落としにあい高額で購入。

使用人への給金が払えなくなったので、徐々に人が減っていった。
最後まで残ってくれていた執事のセバスチャンも、高齢のためつい先日退職したばかり。

なので、私達は名ばかりの貧乏貴族だ。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません

abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。 後宮はいつでも女の戦いが絶えない。 安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。 「どうして、この人を愛していたのかしら?」 ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。 それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!? 「あの人に興味はありません。勝手になさい!」

この結婚は間違いじゃない

m
恋愛
「━━別れよう、リディア。 元々、この結婚は間違いだった。なかったことにしよう……。お互いの、いや、私達三人のために。」 リディアの1度目の夫は行方不明、2度目の夫からも離縁されようとしていた。 7年ぶりに行方不明だった夫が帰ってくる ゆる設定世界観です

(完結)貴方から解放してくださいー私はもう疲れました(全4話)

青空一夏
恋愛
私はローワン伯爵家の一人娘クララ。私には大好きな男性がいるの。それはイーサン・ドミニク。侯爵家の子息である彼と私は相思相愛だと信じていた。 だって、私のお誕生日には私の瞳色のジャボ(今のネクタイのようなもの)をして参加してくれて、別れ際にキスまでしてくれたから。 けれど、翌日「僕の手紙を君の親友ダーシィに渡してくれないか?」と、唐突に言われた。意味がわからない。愛されていると信じていたからだ。 「なぜですか?」 「うん、実のところ私が本当に愛しているのはダーシィなんだ」 イーサン様は私の心をかき乱す。なぜ、私はこれほどにふりまわすの? これは大好きな男性に心をかき乱された女性が悩んで・・・・・・結果、幸せになったお話しです。(元さやではない) 因果応報的ざまぁ。主人公がなにかを仕掛けるわけではありません。中世ヨーロッパ風世界で、現代的表現や機器がでてくるかもしれない異世界のお話しです。ご都合主義です。タグ修正、追加の可能性あり。

【完結】そんなに側妃を愛しているなら邪魔者のわたしは消えることにします。

たろ
恋愛
わたしの愛する人の隣には、わたしではない人がいる。………彼の横で彼を見て微笑んでいた。 わたしはそれを遠くからそっと見て、視線を逸らした。 ううん、もう見るのも嫌だった。 結婚して1年を過ぎた。 政略結婚でも、結婚してしまえばお互い寄り添い大事にして暮らしていけるだろうと思っていた。 なのに彼は婚約してからも結婚してからもわたしを見ない。 見ようとしない。 わたしたち夫婦には子どもが出来なかった。 義両親からの期待というプレッシャーにわたしは心が折れそうになった。 わたしは彼の姿を見るのも嫌で彼との時間を拒否するようになってしまった。 そして彼は側室を迎えた。 拗れた殿下が妻のオリエを愛する話です。 ただそれがオリエに伝わることは…… とても設定はゆるいお話です。 短編から長編へ変更しました。 すみません

(完結)私はあなた方を許しますわ(全5話程度)

青空一夏
恋愛
 従姉妹に夢中な婚約者。婚約破棄をしようと思った矢先に、私の死を望む婚約者の声をきいてしまう。  だったら、婚約破棄はやめましょう。  ふふふ、裏切っていたあなた方まとめて許して差し上げますわ。どうぞお幸せに!  悲しく切ない世界。全5話程度。それぞれの視点から物語がすすむ方式。後味、悪いかもしれません。ハッピーエンドではありません!

この度めでたく番が現れまして離婚しました。

あかね
恋愛
番の習性がある獣人と契約婚をしていた鈴音(すずね)は、ある日離婚を申し渡される。番が現れたから離婚。予定通りである。しかし、そのまま叩き出されるには問題がある。旦那様、ちゃんと払うもん払ってください! そういったら現れたのは旦那様ではなく、離婚弁護士で。よし、搾れるだけ絞ってやる!と闘志に燃える鈴音と猫の話。

姉の婚約者と結婚しました。

黒蜜きな粉
恋愛
花嫁が結婚式の当日に逃亡した。 式場には両家の関係者だけではなく、すでに来賓がやってきている。 今さら式を中止にするとは言えない。 そうだ、花嫁の姉の代わりに妹を結婚させてしまえばいいじゃないか! 姉の代わりに辺境伯家に嫁がされることになったソフィア。 これも貴族として生まれてきた者の務めと割り切って嫁いだが、辺境伯はソフィアに興味を示さない。 それどころか指一本触れてこない。 「嫁いだ以上はなんとしても後継ぎを生まなければ!」 ソフィアは辺境伯に振りむいて貰おうと奮闘する。 2022/4/8 番外編完結

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

処理中です...