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第五章 滅亡、または繁栄を祝う輪舞

73.伝染

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 しがない商人のウィーバーは地方の村々を巡ってあきないをしながら、物資補給や買い付けのために、ひと月毎にガガラへと立ち寄っていた。だが冬期は雪で往来に掛かる時間が増える上に、せっかくの儲けが傷んだ馬車の修理費用に飛んだりとあまり旨味がなかったので、ふた月み月ほど実家で親兄弟と共にこもる生活を続けていた。

 そして雪の盛期せいきが過ぎ、久々に訪れたガガラの街には異様な空気が流れていた……。



「よぉ、久しぶりウィーバー! あんたがやって来ると春が近付いてきたなって感じがするよ!」
「いらっしゃいウィーバー、前に聞いた注文分をそこの木箱に詰めといたよ」
「あらウィーバーさん。今年はあんまり雪が降らなかったわねぇ。いいことだわぁ」

「ええ、どうも……」

 ゆく先々で馴染みの店主達から声を掛けられたウィーバーは、言いようのない違和感に悩まされながら挨拶を返していった。違和感と言っても、人々の顔付きが変わったとか何か目に見える異変があるわけではない。大通りに面した商売人達はいつもと同じ様子で接してくれるし、街の空気だって、どの市場も居住者と外からの客が入り乱れて以前と変わらぬ活気に沸いている。
 だが……ガガラは治安の悪い街だったはずだ。あちこちの路地で行われていた恐喝が今日は一件しか目にしていない。これは非常に珍しく、奇妙な光景だった。目立つ大通りでさえ、気の弱そうな人間は歩いているだけで裏道に引っ張り込まれるこの街がだ。ここまで風通しの良い雰囲気を保っているのがおかしかった。

 ウィーバーは直感に従うことにした。着いたばかりではあるが早々に街を立とうと、馬の世話役として連れてきている弟にも話をつけた。

 日暮れになると、街の外の塀沿いは野宿者のテントで埋め尽くされていった。余裕のある商人は代金を支払って門前に併設された馬屋に馬と荷の両方を預けられるが、ウィーバー達のように稼ぎの良くない個人の商人は己で管理を行わなければならず、こうして空いている場所にテントを張るのであった。
 しかし、いくらガガラの治安が悪いとはいえ、そこはタハボート共和国のまもが管理する街である。景観を乱す一因となるため付近の野宿は誰にでも認められているわけではなく、役所へ申請して受理された者だけが休息を許されていた。
 兵士が定期的に許可証の確認をしに巡回するため、あまり気が休まるものではなかったが……。


 ともかく、ある程度まで野宿の準備が進むと、ウィーバーは夕食の買い出しのために街の中へと一人戻った。
 複雑な思いを抱えた状態で第二市場にある馴染みの店へ顔を出すと、店内にはすでに、まばらにだが客の姿があった。

「いらっしゃあい! あらぁ、春を知らせる坊やじゃないのぉ! また食事の持ち帰りぃ?」
「ああ、肉のパイを二つ。あと日持ちするパンを十二個お願い」
「はいよぉ! 座って待っててねぇ!」

 声の大きい中年の女性店員が厨房の奥へ消えると、ウィーバーは少しホッとした様子でカウンター席についた。
 この店は変わらない。表へ出てこない調理担当の店主と、その女房であるあのやかましい女性店員。二人で切り盛りしている店の席はいつ来ても埋まりきっていることはなく、今ぐらいささやかな客数なら聞き耳を立てなくとも自然に周辺テーブルの会話が聞き取れてしまう。

「―― つまらなかっただろう。あそこが最後の締めだったのに……」
「いや面白かっただろ? 俺はお前の容赦のなさに驚いたぜ。あの態度の悪ぃおっさんの時なんかさぁ、マジ笑えただろ! 小便漏らしながら走り出すもんだから、動物を探すみてぇに地面の濡れた線を追ってさぁ!」
「よりによって人がビール飲んでる最中にその話をするんじゃねぇよ……」

 談笑して盛り上がっている男二人組の席にチラリと横目をやる。
 こちら側を向いて座っている軟派そうな金髪の男と、背を向けていて顔までは確認できないが、体格の良さそうな長髪の黒髪の男。二人共軽鎧に身を包んでいることから、何らかの荒仕事に携わっているのは確かだった。

 静かに彼らを盗み見ていると、不意に背後から突き刺さるような視線を感じた。その位置に人がいたのは入店時に通りがかったので覚えている。ついさっきの記憶にも残らない印象の薄い客だ。知り合いならひと目見ただけで分かるはずなので、そちらのたぐいでもなさそうだ。
 あまりに思い当たる節がないので己の勘違いではないかと僅かにあごを傾け、視線の方向を辿ってみると……
 こちらを凝視する、飲み仲間と思われる三人の中年男性――。


 ウィーバーは慌てて顔を正面へと戻した。まるで異端者を監視すような尋常ならざる目付きに心臓の鼓動が早くなる。
 休暇中の兵士か? だが、何も悪いことはしていないはずだ。野宿の許可証は役所に申請して受け取った正式な物だし、物資だって適正な価格で取引して得た物だ。ケチを付けられるいわれはない……なのに、何故?

 気付くと、中年男性三人組以外のテーブルからも同様の視線を浴びていた。
 後方の至る所から降り注ぐ視線に居心地が悪くなったウィーバーはおもむろに立ち上がると、最奥の目立たないテーブルで話を咲かせていた金髪と長髪の男達の席へと歩み寄った。

「あの、すみません……旅の方ですか? 格好からして傭兵さん……?」

 張り詰めた空気の中ですがるように声を掛けると、眼下の男達は動きを揃えてウィーバーを見上げた。

「そういうあなたは? 護衛の依頼かな?」
「あ、いえ、ちょっと話してみたいな……なんて」

 金髪の男の問いにウィーバーがたじろぎながら返すと、彼は人当たりの良い笑みを浮かべて”どうぞ”と、隣の椅子への着席を促した。長髪の男の方は警戒心を露わに無言で睨み付けてくるので、そちらとは目を合わせず椅子を引いて座ると、ウィーバーはなるべく声量を抑えて尋ねた。

「お二人はいつからガガラにいるんですか? 最近この街で……変わったこととかありませんでしたか?」
「変わったこと? いや特には……と言っても、俺達もここを訪れてまだ二日しか経ってないからなぁ。お店の人に聞いてみればいいんじゃないか?」
「あ、待って! 実は……」

 こちらの訳ありげな雰囲気に合わせて声量を抑えてくれた金髪の男に感謝しながら、ウィーバーは今しがたの視線の問題も含め、街で出会った気になる出来事について相談した。
 金髪の男は目を細めて興味深そうに聞いてくれた。
 周囲の客や隣の長髪の男が鋭い圧を放ってくる分、金髪の男の穏やかな反応はウィーバーの心を落ち着かせてくれた。

「ふーん……そうなんだ。俺らにゃ分かんなかったけど、その”違い”ってのはそんなにはっきりと感じるもんなのかい?」
「ハッキリとまではいかないんですけど、まるで別の街を訪れたみたいな違和感というか……馴染みのある人達も変な空気を纏ってるんです。直前までニコニコ接客してくれてたのに、背を向けると後ろから睨まれてる、みたいなことがあって……今だって後ろのテーブルのおじさん達、睨んでますよね? すれ違う人からもああやって監視してるみたいな目を向けられられるし……本当おかしくなっちゃってるんですよ、この街」
「そりゃあ参ったね……あんたみたいな一般人にすら悟られるお粗末な擬態じゃ、感の鋭い輩には通用しないってことだ」
「……はい?」

 突然金髪の男が訳の分からないことを言い出すので、ウィーバーは返事に困った。
 そして次の瞬間、知らぬ間に背後に集合していた人々の手がウィーバーの肩や頭を掴み、椅子ごと床へと引き倒した。

 倒れ込んだ視界の中、天井を背景に、自身を拘束する集団の顔が見て取れる。
 店内にいた他の客全員だ。
 全員が感情の掴めない目でウィーバーを見つめ、八方から伸びされた手で体を押さえ付けてくる。

 身をよじることもできないウィーバーはせめてもの抵抗をと、店外へ助けを求める声を上げようとしたが、ある男性客の手が首を強く絞め上げていたために痛ましい呼吸音を吐く以外できなかった。
 また別の手が伸びてくると、半開きになっていたウィーバーの口内に入り込み、顎が外れるギリギリまで開閉させられる。
 頭上で頭部を固定するように押さえ付けていた老爺が同じようにパカッと口を開けると、歯肉の緩くなった清潔とは言えない口腔を見せつけてきた。

 そして、老爺の口からタラリと垂れた透明な唾液だえきが一滴、二滴……三滴、四滴とウィーバーの舌に落ち、意思を持った生物であるかのように喉奥へするりと流れていった。

「マ”ッ”……、グモ”ォ”……ッ”!? ォ”ッ、ボボボボボボボボボボボボボッ――」
「ありがとう、参考になったよ。本体エイレンにはもう少し人間らしく振る舞うよう伝えておく」

 人だかりの中心にいる哀れな商人に向けられた金髪の男の台詞は、口から崩れた内蔵を吐き出すのに一生懸命になっている本人には届かなかった。
 打ち上げられた魚のように手足をピンと伸ばしながら痙攣けいれんし、汚らしい音を立てて床を赤く染めてゆく……無愛想だった長髪の男はその様子を眺めながら不愉快そうに舌打ちをした。

「飯がまずくなっちまった」
「なんだ、もらいゲロしちまう人間か?」

 ”だったら見なきゃいいじゃん”と笑う金髪の男に、長髪の男はまた文句をこぼした。ウィーバーを囲む人々は直立したまま動かず、次第に痙攣が治まりゆく彼をじっと見つめていた。
 完全に動きを止めたウィーバーはムクリと起き上がると、厨房からやって来た店員が手に持っていた洗濯済みの服を受け取って、その場で素っ裸になることもいとわず着替え始めた。
 傭兵風の二人組が食事をする音、着替えるウィーバーの肌と服がこすれる音、店の者でもない客達が協力して吐き散らされた内蔵を布巾で片付ける音……様々な音が当たり前のように交わる光景は、とにかく異様であった。


「それじゃあ僕は弟の所に戻りますね。明日の朝には街を離れます。皆さん、さようなら」
「はい、さいなら。頑張ってこいよ」
「お任せください」


 ベルトリウスの言葉にウィーバーが頷く。店員も客も頷く。
 固く笑うウィーバーは、最早自分の言っていた”違い”など分からなくなっていた。



◇◇◇



 ―― さかのぼること、一ヶ月前。

 卵が鼓動する部屋に呼び出されたエイレンは、向かいに並び立つエカノダとベルトリウスにとびっきりの渋面を披露していた。

「あなたの言う通りにしたくない。あなたのことが嫌いなの。命令は聞かないわ」

 隣のエカノダから”どうしてこんなに毛嫌いされているのか”という視線を受けながら、ベルトリウスはやれやれといった風に片眉をくっと上げた。

 二週間に及ぶケランダットとの襲撃旅を終えて領地へと戻ったベルトリウスは、今後の発展についてエカノダから話を持ち掛けられた。
 オイパーゴス曰く、エカノダの領地周辺は管理者同士の勢力争いが地獄の中でもかなり緩やかな傾向にあるという。
 ならば当分の間は今まで通りに地上での魂狩りに集中して良いのではないかと、ベルトリウスはエイレンを活用した大規模なたくらみを提言した。

 それこそが、”エイレンの成り代わりの能力を駆使し、人間界を内側から乗っ取る”という計画であった。

 エイレンを強化し、まずは彼女にガガラ中の住民に成り代わってもらう。体制が整えばタハボートを足掛かりに、他国を行き来する商人や傭兵を操作してさらなる侵攻を狙う。流石に全人類に成り代わることは叶わないだろうが、獄徒が動かずとも自動的に、つ安定して人間の魂が手に入るのならば贅沢は言えない。

 というわけで、発案を受け入れたエカノダと共にさっそくエイレンを呼び出して事情を説明して、現在に至るわけだが……ベルトリウスを嫌っている彼女がそうやすやすと頷いてくれるわけがなかった。
 イヴリーチに説き落とさせようかとも考えたのだが、それだとまた変にいちゃもんを付けられて恨みを買いそうなので、これ以上面倒な仲に発展しないうちにエイレンとの和解を進めようとベルトリウス自らが説得役に名乗りを上げたのだった。


「そう頑固になるなよ。これは命令なんかじゃない、提案だ。……なぁ、想像してごらん? 俺の言った通り君がどんどん国民に成り代わっていくと、イヴリーチは今みたいに人目を気にしてコソコソと隠れて行動する必要がないんだぞ?」

 ベルトリウスの甘言かんげんにエイレンは露骨に眉をしかめて反応した。

「国中の人間がエイレンになる……どこへ出掛けようがすれ違う国民全てが君なんだから、イヴリーチは人目を気にすることなく出歩けるんだ。顔を合わせる全員に笑顔で迎えられたら、そりゃもうご機嫌が止まらないはずさ。それだけじゃない、乗っ取った商人を使ってイヴリーチの鱗肌を引き立てる極上の首飾りや指輪を作らせることもできれば、二人で平々凡々に野原で花冠を作って時間を使い潰すこともできる……。誰にも邪魔されない……二人っきりの輝かしい世界を楽しみたくはないか? 君達だけが暮らす国を作り上げて、イヴリーチを独占してしまおう」

 大袈裟なほどに身振り手振り、抑揚の付けられた語り口はエカノダには三流の役者のように映ったが、少なくともエイレンには二流くらいに見えた。

「……憎らしいほど素敵な話。あなたっていつもこうして、人をたぶらかすことばかり考えてるの?」
「失敬だな。俺はいつも皆が幸せになることばかり考えてるよ」

 ニッコリと微笑むエイレンの内側には未だ冷たさが残っていたが、あの剥き出しの憎悪は削られており、計画への賛同を表していた。
 貼り付けた笑顔を交わすベルトリウスとエイレン……明らかに態度が変わった要の少女に鼻で溜息を吐くと、エカノダは一歩前へ出て言葉を掛けた。

「話がまとまったなら取り掛かりましょう。エイレン、お前にはまだ隷属の印を刻んでいなかったわね。体のどこでもいいから傷が付いてもいい部分を出しなさい」
「”隷属”……結局は無理矢理に言うことを聞かせるのね」
「別におかしな命令をしようというわけではないわ。私の指揮下に加わるのなら、私に反抗できないようにしておかなければ。……そうね、お前は人間に成りすますことが多いから、足の指にでもしときましょうか」

 エカノダから言われると、エイレンは不満げながらも左側の靴を脱ぎ、裸の片足を差し出した。
 部下相手に膝をつくのが嫌なのか、エカノダはベルトリウスにエイレンを抱きかかえるように指示をした。だがこちらも、仲が改善されようが身に触れる行為は許せないのか、エイレンは異常な拒絶をみせたが、最終的には抵抗虚しく褐色の腕に捕獲された。

 儀式自体はあっとういう間に終了した。印を刻む範囲が狭かったためだ。
 落ち着きを取り戻したエイレンは環状かんじょうにできた傷をじっと見つめると、スカートから覗く左足の膝から下までをグニャグニャと変形させ、そこだけミェンタージュの足型へと組み替えた。

「……変身しても消えない」
「配下であるというあかしだもの。そのえにしが失われるまで、お前が死のうが復活しようが消えないわ」
「……そう」

 驚きと落胆の混じった声が漏れる。
 続けてエカノダから部屋に鎮座する大きな卵の中に入るよう命令されると、エイレンは端正な顔をぶすっと歪ませながら殻に触れ、脈打つ楕円だえんへと吸い込まれていった。

 ベルトリウスはエイレンの左足の小指にちょこんとできた小さな傷を思い出しながら、同じく隷属の印を刻まれていたケランダットとオイパーゴスに関するある疑問を浮かばせていた。

「あんなちっこい傷でよかったんなら、どうしてケランダットやオイパーゴスには大きな傷を付けたんですか? 魔物なら気になりませんが、人間で首元に一周する傷がある奴なんて首を吊られた罪人みたいで相当目立ちますよ。あいつは服の襟で上手く隠れてますけど」
「それは……だって、”隷属”だもの。どちらが上か分からせなければならないじゃない。あの男は初めて会った頃はそれなりに反抗的だったし、オイパーゴスに至っては元は領地を奪い合う敵……印を見て触れて、私が上だということを常日頃から実感してといてもらわないとね」
「いい趣味してますねぇ……そういえば俺とイヴリーチにもその印ってのは付いてるんですか? 見掛けた記憶がないんですが」
「お前達は領地に昇ってきた魂を私が手ずから魔物化した者。この荒野に引き上げられた時点で私のモノなのよ。元から手にしている物に対してわざわざ所有権を主張する必要がある?」
「はぁ……なるほど」

 つまり、エカノダの元で魔物としての生を受ければ、印を刻まずともくつがえせぬ主従関係が成立しているというわけだ。
 合点がいき静かになったベルトリウスを一瞥いちべつすると、エカノダはエイレンの強化のために卵に向き合った。
 自身より小さく細い後ろ姿を二つ見送ると、ベルトリウスは楽しいことになりそうだと今後の展開に思いを馳せながら暇潰しの散歩に出掛けた。



 こうして魔物達による一国の乗っ取り計画は静かに進められていた。
 侵蝕は伝染病のように、人知れず水面下で始まるものなのだ。
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