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第四章 選抜・熱湯昂死宴!
66.むしのおんがくかい
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「うぉぉおおおおらああああ!!!! 早く死ねクソったれ共ぉおおおお!!!!」
「ギピィィィィィィッッ!!!!」
「シャーーーーーーッ!!!!」
「イ”ィ”ーーーーリリリリッッ!!」
自慢の硬い皮膚の装甲がジュワリと溶けてゆく。そんな驚異的な液体を撒き散らしながら追ってくるベルトリウスに、虫型の魔物達は蜘蛛の子を散らすように全速力で逃げていた。
競争開始直後は皆、オイパーゴスとのやり取りにより目立っていたベルトリウスを我先にと狙い飛び掛かってきた。鋼の甲殻や外骨格を身に纏った彼らにとって、人間というのは生身の肉が剥き出しで歩いているようなもの。自然界では信じられないくらいに無防備で格好の餌に見えた。
だが、目に映る無力さほど上手く釣れる疑似餌はない。
ベルトリウスは己の周囲を取り囲むように円型の毒の壁を生み出し、手始めに十匹ほどが飲み込まれて死んだ。痛ましい鳴き声は様子見を決めていた弱腰の魔物達の足をさらにためらわせ、ベルトリウスは完全に場の空気を掌握していた。
それからは見境なく毒をバラ撒いて回った。競技場として使用しているだけあって毒が満ちても地面自体には何の変化も表れなかったが、そこに立つ魔物達はどんどんと足場を侵食する茶色の液体に右往左往していた。そして、そうこうしている間に向こうから本体であるベルトリウスが突っ込んで来るものだから、魔物達は脚が溶けるのを覚悟して勝負に臨むしかなかった。
場を荒らす優勝候補に対し、ある魔物が面と向かって構えた。ジュワジュワと溶ける多脚の痛みを我慢し、鋭い鎌のような六つの前脚の切っ先を向ける。
甲高い咆哮を響かせて威嚇すれば、周囲も”こいつならやってくれるんじゃないか”と、猛者の風格に心沸かせた。
……が。
「足元がガラ空きだぜっ!!」
「ア”ッ!? アァ~~~~~~ッ…………」
崖間際の地の割れ目付近にいたその魔物は勢いをつけて滑り込んできたベルトリウスの強力な足払いを受け、簡単に体勢を崩すとそのまま地面の毒に脚を取られ、ツルツルと回転して滑りながら呆気なく熱湯へと落下していった。
下からは”ギャッ!!”、という短い悲鳴と共に、蒸気の弾ける恐ろしい音が聞こえる。
逃げようにも毒のせいで行く手はなし。対面しても一人だけ能力の影響を受けずちょこまかと往来するベルトリウスにしてやられる。
もっと広大な場所でなら幾らでも戦いようはあったものの、打つ手のない状況下に魔物達は思考停止状態に陥っていた。そうして棒立ちになった者共を例の如く毒で足元の滑りを良くし突き落として回ると、競技台に立つのはいつの間にかベルトリウスただ一人となっていた。
しかし、地に立っているのが一人というだけであって、他の魔物が全員消えたわけではない。
頭上には多くの雑魚が消えるのを待っていた、飛行を得意とする魔物達が嫌な羽音を立てて滞空していた。
ベルトリウスが眼下で無双を楽しんでいる頃、彼らのうちの何匹かはこの馬鹿げた遊びから逃走しようと谷底を飛び立ったのだが、結果は棄権を認めない大ムカデに捕獲され腹の中に消えてしまった。仕方なく出遅れたお陰で生き延びた者の中で戦いを行い、最終的に残ったのが現在ブンブンと宙に漂っているこの十二匹であった。
陸と空の生存者は互いに睨みを利かせた。
上にいる虫達は、ひとまずベルトリウスを片付けてから空の者で決着をつけようとしている。
勝ちを重ねて勢い付くベルトリウスに対し、誰が初めに仕掛けるか二の足を踏んでいる飛行する魔物達……と、沈黙の対立が続く中、新たに聞く鳴き声が直下から登ってきた。
「ヒィーーーーーーッリリリリリリィッ!! オッ、オォォッ!! オォォヴーーーーーーンッ!!」
脚部の発達した、臀部に一本針を尾を付けたこれまた巨躯な魔物が崖を伝い、競技台まで上がって来た。
一本針の魔物は崖から台へ飛び移る際、飛行中の魔物を数匹まとめて背後から針で貫き華麗に登場を決めると、意気揚々と雄叫びを上げた。
あれは何だとは聞かずとも察したが、楽しそうに観覧するオイパーゴスはご丁寧に解説を挟んでくれた。
「乱入者やでぇ!! ミ”ィーーーーッヒヒヒッ!! ワシのオトモダチもキミらの死に様に大興奮やぁ!! みんな楽しんでなぁー!!」
「チッ……本気で生き残らせる気あんのかよ……!」
尾を振り回して上空の魔物を蹴散らしながら、目の前にいるベルトリウスを割れた顎で挟み殺そうとする一本針の魔物……オイパーゴスの獄徒に、思わず恨み節が漏れる。
騒々しく登場した魔物はベルトリウスと飛行する魔物達、陸空それぞれの敵を前脚のハサミと尻の尾を使い同時に攻撃し、たった一体で容易く多勢を相手にしていた。
一本針の魔物は針の先端から薄白い霧状の液体を飛行する魔物達に向けて発射した。それは体に触れた瞬間に粘着性を宿し、羽に絡まると即座に天を徘徊する者を一匹残らず地に落とした。そして一瞬のうちに全匹が串刺しにされると、一本針の魔物はお待たせしましたと謂わんばかりに尾に付属品をつけたままベルトリウスへと突撃してきた。
とりあえず距離を取って、他の魔物が犠牲になっている間に対策を練ろうと考えていたベルトリウスは、早々に己の順が巡ってきたことに冷や汗を流しながら必死に逃げ回った。
顔に毒を浴びせてやりながら逃走するも、向こうは平気な様子で背中を尾で貫こうと針を突き立ててくるし、それが不発に終われば次は横からハサミで不意打ちを狙ってくる始末。
なんとか間一髪のところでかわしているが、このままだといつまで持つか分からない。
小さき影が無様にも駆け踊る姿に、上空から真下から、嘲笑いの声が聞こえる。
―― キョキョキョッ!
―― オ”ォ”ォ”ォ”ォ”ン”ッ!
―― ハァーーーーリリリリッ!
不気味で上機嫌な魔の声が風に乗って谷底を吹き抜けてゆく。オイパーゴスの”やめ”の一言がないということは、彼の獄徒を倒さなければ”生き残り”と見なされないらしい。
ベルトリウスは腹をくくって踵を返した。
硬い皮膚の下に隠れた口をパカパカと開閉させながら追ってきていた一本針の魔物は、突然進路を真逆に変更したベルトリウスに驚き、反応が遅れた。ちょうど口が開いたタイミングで自ら口内へ飛び込んできたベルトリウスをそのまま噛む間もなくゴクンと飲み込むと、あまりに呆気ない終わり方に忙しなく動かしていた脚を徐々に緩め、幼子のように首を何度も傾げてみせた。
敵わない相手に身を投げてしまったかと、下の熱湯に浸かり競技台を眺めていた他の獄徒達は歓声を止め、非難するようなキツい金切り音を上げた。
だが、上層にいるオイパーゴスと大ムカデは、小さな塊を食した仲間の異変に気付いていた。
「イヒッ、イヒッ―― !?」
一本針の魔物は変な鳴き声を繰り返すと、苦しそうに身をよじって暴れ出した。
壁や地など、色んな場所を引っ掻いて傷を作ることしばらく。急に体を伏せて静まったかと思うと、全身に空いた細かな穴から茶色の液体をブシャアッと漏らし、分厚い巨体をしぼませ始めた。
「これで勝ちになるのか?」
一本針の魔物の腹中を裂いて現れたベルトリウスが言うと、またどこからともなく歓声が湧いた。
オイパーゴスは強い点滅を繰り返す目を細めて返した。
「まぁだまだ、勝負は残っとるで。次の乱入者がお待ちかねや」
ズドンッ、ズドンッ、と足場が揺れると、湯上がりの火照った体から湯気を立たせたツルツルと丸い玉の形をした獄徒が競技台まで飛び上がってくる。
今まで行われた”暇潰し”の中で、果たして本当に無事にこの領地を去った者がいるのかとベルトリウスはほとほと嫌気が差しながら、新たな挑戦者に向かい合った。
「ギピィィィィィィッッ!!!!」
「シャーーーーーーッ!!!!」
「イ”ィ”ーーーーリリリリッッ!!」
自慢の硬い皮膚の装甲がジュワリと溶けてゆく。そんな驚異的な液体を撒き散らしながら追ってくるベルトリウスに、虫型の魔物達は蜘蛛の子を散らすように全速力で逃げていた。
競争開始直後は皆、オイパーゴスとのやり取りにより目立っていたベルトリウスを我先にと狙い飛び掛かってきた。鋼の甲殻や外骨格を身に纏った彼らにとって、人間というのは生身の肉が剥き出しで歩いているようなもの。自然界では信じられないくらいに無防備で格好の餌に見えた。
だが、目に映る無力さほど上手く釣れる疑似餌はない。
ベルトリウスは己の周囲を取り囲むように円型の毒の壁を生み出し、手始めに十匹ほどが飲み込まれて死んだ。痛ましい鳴き声は様子見を決めていた弱腰の魔物達の足をさらにためらわせ、ベルトリウスは完全に場の空気を掌握していた。
それからは見境なく毒をバラ撒いて回った。競技場として使用しているだけあって毒が満ちても地面自体には何の変化も表れなかったが、そこに立つ魔物達はどんどんと足場を侵食する茶色の液体に右往左往していた。そして、そうこうしている間に向こうから本体であるベルトリウスが突っ込んで来るものだから、魔物達は脚が溶けるのを覚悟して勝負に臨むしかなかった。
場を荒らす優勝候補に対し、ある魔物が面と向かって構えた。ジュワジュワと溶ける多脚の痛みを我慢し、鋭い鎌のような六つの前脚の切っ先を向ける。
甲高い咆哮を響かせて威嚇すれば、周囲も”こいつならやってくれるんじゃないか”と、猛者の風格に心沸かせた。
……が。
「足元がガラ空きだぜっ!!」
「ア”ッ!? アァ~~~~~~ッ…………」
崖間際の地の割れ目付近にいたその魔物は勢いをつけて滑り込んできたベルトリウスの強力な足払いを受け、簡単に体勢を崩すとそのまま地面の毒に脚を取られ、ツルツルと回転して滑りながら呆気なく熱湯へと落下していった。
下からは”ギャッ!!”、という短い悲鳴と共に、蒸気の弾ける恐ろしい音が聞こえる。
逃げようにも毒のせいで行く手はなし。対面しても一人だけ能力の影響を受けずちょこまかと往来するベルトリウスにしてやられる。
もっと広大な場所でなら幾らでも戦いようはあったものの、打つ手のない状況下に魔物達は思考停止状態に陥っていた。そうして棒立ちになった者共を例の如く毒で足元の滑りを良くし突き落として回ると、競技台に立つのはいつの間にかベルトリウスただ一人となっていた。
しかし、地に立っているのが一人というだけであって、他の魔物が全員消えたわけではない。
頭上には多くの雑魚が消えるのを待っていた、飛行を得意とする魔物達が嫌な羽音を立てて滞空していた。
ベルトリウスが眼下で無双を楽しんでいる頃、彼らのうちの何匹かはこの馬鹿げた遊びから逃走しようと谷底を飛び立ったのだが、結果は棄権を認めない大ムカデに捕獲され腹の中に消えてしまった。仕方なく出遅れたお陰で生き延びた者の中で戦いを行い、最終的に残ったのが現在ブンブンと宙に漂っているこの十二匹であった。
陸と空の生存者は互いに睨みを利かせた。
上にいる虫達は、ひとまずベルトリウスを片付けてから空の者で決着をつけようとしている。
勝ちを重ねて勢い付くベルトリウスに対し、誰が初めに仕掛けるか二の足を踏んでいる飛行する魔物達……と、沈黙の対立が続く中、新たに聞く鳴き声が直下から登ってきた。
「ヒィーーーーーーッリリリリリリィッ!! オッ、オォォッ!! オォォヴーーーーーーンッ!!」
脚部の発達した、臀部に一本針を尾を付けたこれまた巨躯な魔物が崖を伝い、競技台まで上がって来た。
一本針の魔物は崖から台へ飛び移る際、飛行中の魔物を数匹まとめて背後から針で貫き華麗に登場を決めると、意気揚々と雄叫びを上げた。
あれは何だとは聞かずとも察したが、楽しそうに観覧するオイパーゴスはご丁寧に解説を挟んでくれた。
「乱入者やでぇ!! ミ”ィーーーーッヒヒヒッ!! ワシのオトモダチもキミらの死に様に大興奮やぁ!! みんな楽しんでなぁー!!」
「チッ……本気で生き残らせる気あんのかよ……!」
尾を振り回して上空の魔物を蹴散らしながら、目の前にいるベルトリウスを割れた顎で挟み殺そうとする一本針の魔物……オイパーゴスの獄徒に、思わず恨み節が漏れる。
騒々しく登場した魔物はベルトリウスと飛行する魔物達、陸空それぞれの敵を前脚のハサミと尻の尾を使い同時に攻撃し、たった一体で容易く多勢を相手にしていた。
一本針の魔物は針の先端から薄白い霧状の液体を飛行する魔物達に向けて発射した。それは体に触れた瞬間に粘着性を宿し、羽に絡まると即座に天を徘徊する者を一匹残らず地に落とした。そして一瞬のうちに全匹が串刺しにされると、一本針の魔物はお待たせしましたと謂わんばかりに尾に付属品をつけたままベルトリウスへと突撃してきた。
とりあえず距離を取って、他の魔物が犠牲になっている間に対策を練ろうと考えていたベルトリウスは、早々に己の順が巡ってきたことに冷や汗を流しながら必死に逃げ回った。
顔に毒を浴びせてやりながら逃走するも、向こうは平気な様子で背中を尾で貫こうと針を突き立ててくるし、それが不発に終われば次は横からハサミで不意打ちを狙ってくる始末。
なんとか間一髪のところでかわしているが、このままだといつまで持つか分からない。
小さき影が無様にも駆け踊る姿に、上空から真下から、嘲笑いの声が聞こえる。
―― キョキョキョッ!
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硬い皮膚の下に隠れた口をパカパカと開閉させながら追ってきていた一本針の魔物は、突然進路を真逆に変更したベルトリウスに驚き、反応が遅れた。ちょうど口が開いたタイミングで自ら口内へ飛び込んできたベルトリウスをそのまま噛む間もなくゴクンと飲み込むと、あまりに呆気ない終わり方に忙しなく動かしていた脚を徐々に緩め、幼子のように首を何度も傾げてみせた。
敵わない相手に身を投げてしまったかと、下の熱湯に浸かり競技台を眺めていた他の獄徒達は歓声を止め、非難するようなキツい金切り音を上げた。
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「イヒッ、イヒッ―― !?」
一本針の魔物は変な鳴き声を繰り返すと、苦しそうに身をよじって暴れ出した。
壁や地など、色んな場所を引っ掻いて傷を作ることしばらく。急に体を伏せて静まったかと思うと、全身に空いた細かな穴から茶色の液体をブシャアッと漏らし、分厚い巨体をしぼませ始めた。
「これで勝ちになるのか?」
一本針の魔物の腹中を裂いて現れたベルトリウスが言うと、またどこからともなく歓声が湧いた。
オイパーゴスは強い点滅を繰り返す目を細めて返した。
「まぁだまだ、勝負は残っとるで。次の乱入者がお待ちかねや」
ズドンッ、ズドンッ、と足場が揺れると、湯上がりの火照った体から湯気を立たせたツルツルと丸い玉の形をした獄徒が競技台まで飛び上がってくる。
今まで行われた”暇潰し”の中で、果たして本当に無事にこの領地を去った者がいるのかとベルトリウスはほとほと嫌気が差しながら、新たな挑戦者に向かい合った。
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