13 / 13
準聖女の商店は今日も大賑わいです。
しおりを挟む
冬が明け、草木の息吹感じる季節になりました。
懸念していた新聖女の魔法も操作が安定していて想像よりも早くお披露目ができそうだということでした。
「冬の間頑張ってもらった甲斐がありましたね」
庶民出身ということであまりお菓子を召し上がったことがないと聞き、魔法の練習のご褒美にうちで取り扱う予定のサンプルを用意したんです。
彼女は今まではあまり手が届かなかったお菓子がたくさん食べられて幸せ、私はただで感想のサンプルをとれて幸せ。
なんて素晴らしいんでしょう!
「あら、もうお披露目のための確認は終わったんですか」
「ええ、教えてくださった通りにしたらすごく良くできました!」
「なら良かったです。ああ、この前話していた最終のサンプルです」
「わあ、嬉しい!……もうあんまり食べられなくなりますもんね、大事にいただきます」
「……いえ、これからも定期的に届けさせる予定ですよ。みんな聖女様と同じおやつを食べられるものなら食べてみたいと思っているでしょうから。もちろん、聖女様が市井の民と同じものを召し上がることになってよろしければ、ですけれど」
「あら、いじわるね。私がそんなことで嫌と言うはずがないのを分かっていらっしゃるのに」
ああ、今日も素直でむくれたお顔も愛らしいですね。さすが慕われる聖女様、というところでしょうか。
こんなに愛らしい聖女様と同じおやつ、なんてご利益をまぶせばこのお菓子も面白いように売れるんでしょうね。
何と言っても聖女選定の際の私の服と同じ生地を使った製品が飛ぶように売れた前例があります。
さあ、やっと私の聖女も終わりが見えてきました!
この際とことん利用できるものは利用して、隠居資金をさらに稼がせていただきます!
なんてったって、私の目標は最初から好きなことをするために環境を整える、ただそれだけなんですから!
ああ、これが終わったらすべての業務を引き継いで、落ち着いたら読もうと積んだ本を読んだり、美しい宝石を愛でたり、時間を忘れてハーブティーの調合をしたりできるんです。
さあ、最後の大仕事、はりきってやってしまいましょう!
懸念していた新聖女の魔法も操作が安定していて想像よりも早くお披露目ができそうだということでした。
「冬の間頑張ってもらった甲斐がありましたね」
庶民出身ということであまりお菓子を召し上がったことがないと聞き、魔法の練習のご褒美にうちで取り扱う予定のサンプルを用意したんです。
彼女は今まではあまり手が届かなかったお菓子がたくさん食べられて幸せ、私はただで感想のサンプルをとれて幸せ。
なんて素晴らしいんでしょう!
「あら、もうお披露目のための確認は終わったんですか」
「ええ、教えてくださった通りにしたらすごく良くできました!」
「なら良かったです。ああ、この前話していた最終のサンプルです」
「わあ、嬉しい!……もうあんまり食べられなくなりますもんね、大事にいただきます」
「……いえ、これからも定期的に届けさせる予定ですよ。みんな聖女様と同じおやつを食べられるものなら食べてみたいと思っているでしょうから。もちろん、聖女様が市井の民と同じものを召し上がることになってよろしければ、ですけれど」
「あら、いじわるね。私がそんなことで嫌と言うはずがないのを分かっていらっしゃるのに」
ああ、今日も素直でむくれたお顔も愛らしいですね。さすが慕われる聖女様、というところでしょうか。
こんなに愛らしい聖女様と同じおやつ、なんてご利益をまぶせばこのお菓子も面白いように売れるんでしょうね。
何と言っても聖女選定の際の私の服と同じ生地を使った製品が飛ぶように売れた前例があります。
さあ、やっと私の聖女も終わりが見えてきました!
この際とことん利用できるものは利用して、隠居資金をさらに稼がせていただきます!
なんてったって、私の目標は最初から好きなことをするために環境を整える、ただそれだけなんですから!
ああ、これが終わったらすべての業務を引き継いで、落ち着いたら読もうと積んだ本を読んだり、美しい宝石を愛でたり、時間を忘れてハーブティーの調合をしたりできるんです。
さあ、最後の大仕事、はりきってやってしまいましょう!
6
お気に入りに追加
256
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(2件)
あなたにおすすめの小説
プロポーズされたと思ったら、翌日には結婚式をすることになりました。
ほったげな
恋愛
パーティーで出会ったレイフ様と親しくなった私。ある日、レイフ様にプロポーズされ、その翌日には結婚式を行うことに。幸せな結婚生活を送っているものの、レイフ様の姉に嫌がらせをされて?!
貧乏男爵家の末っ子が眠り姫になるまでとその後
空月
恋愛
貧乏男爵家の末っ子・アルティアの婚約者は、何故か公爵家嫡男で非の打ち所のない男・キースである。
魔術学院の二年生に進学して少し経った頃、「君と俺とでは釣り合わないと思わないか」と言われる。
そのときは曖昧な笑みで流したアルティアだったが、その数日後、倒れて眠ったままの状態になってしまう。
すると、キースの態度が豹変して……?
魔法を使える私はかつて婚約者に嫌われ婚約破棄されてしまいましたが、このたびめでたく国を護る聖女に認定されました。
四季
恋愛
「穢れた魔女を妻とする気はない! 婚約は破棄だ!!」
今日、私は、婚約者ケインから大きな声でそう宣言されてしまった。
守護神の加護がもらえなかったので追放されたけど、実は寵愛持ちでした。神様が付いて来たけど、私にはどうにも出来ません。どうか皆様お幸せに!
蒼衣翼
恋愛
千璃(センリ)は、古い巫女の家系の娘で、国の守護神と共に生きる運命を言い聞かされて育った。
しかし、本来なら加護を授かるはずの十四の誕生日に、千璃には加護の兆候が現れず、一族から追放されてしまう。
だがそれは、千璃が幼い頃、そうとは知らぬまま、神の寵愛を約束されていたからだった。
国から追放された千璃に、守護神フォスフォラスは求愛し、へスペラスと改名した後に、人化して共に旅立つことに。
一方、守護神の消えた故国は、全ての加護を失い。衰退の一途を辿ることになるのだった。
※カクヨムさまにも投稿しています
婚約破棄?はい喜んで!私、結婚するので!
うさぎ鈴
恋愛
婚約破棄?はい喜んで!丁度結婚するから都合いいし?そして少女は一匹の竜とともに精霊王の森へ向かう。それまでに明らかになる真実とは?短編なので一話で終わります。また、小説家になろうでも投稿しています。
【完結・7話】召喚命令があったので、ちょっと出て失踪しました。妹に命令される人生は終わり。
BBやっこ
恋愛
タブロッセ伯爵家でユイスティーナは、奥様とお嬢様の言いなり。その通り。姉でありながら母は使用人の仕事をしていたために、「言うことを聞くように」と幼い私に約束させました。
しかしそれは、伯爵家が傾く前のこと。格式も高く矜持もあった家が、機能しなくなっていく様をみていた古参組の使用人は嘆いています。そんな使用人達に教育された私は、別の屋敷で過ごし働いていましたが15歳になりました。そろそろ伯爵家を出ますね。
その矢先に、残念な妹が伯爵様の指示で訪れました。どうしたのでしょうねえ。
姉の引き立て役として生きて来た私でしたが、本当は逆だったのですね
麻宮デコ@ざまぁSS短編
恋愛
伯爵家の長女のメルディナは美しいが考えが浅く、彼女をあがめる取り巻きの男に対しても残忍なワガママなところがあった。
妹のクレアはそんなメルディナのフォローをしていたが、周囲からは煙たがられて嫌われがちであった。
美しい姉と引き立て役の妹として過ごしてきた幼少期だったが、大人になったらその立場が逆転して――。
3話完結
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
聖女って、認定されたら断れないの?あるいは「聖女認定ですか。そうですかー」と聞き流して生活できないのかなー。
うん。たぶん無理(。-∀-)
絶対ロックオンされてる( *´艸`)
大丈夫、骨は拾ってあげる( ≧∀≦)ノ