婚約破棄されたばかりだし聖魔法使いでも聖女にはなりません!―いくら貴族の務めといえどまっぴらです‼私は好きなことして過ごします‼―

ふぃえま

文字の大きさ
上 下
8 / 13

聖女候補、久しぶりにお茶会に出たら婚約と新作の催促がすごい。

しおりを挟む
「あー、もうしばらくはお茶会しなくていいわ……疲れるなんてものじゃないわね」

午前中は自分の店の打ち合わせだけだし少し大きめのパーティーに顔を出しても余力は残ると考えた私が馬鹿でした。
お母様のご友人へのご挨拶だけでさっと済まそうと思ったのに、会う方会う方みなさんお買い上げいただいた商品の話や新作の催促がすごくてもうへろへろです。
足もパンパン、こんなに長くなるなら新作のフラットシューズにすれば良かった。
ああ、でもそれに気がつかれたらもっと遅くなったかしら。

「お嬢様、明日のご予定ですが贈り物ベースの販促および婚約をお申し出の方々との交流会が午前中に、午後は先日の商店の最終打ち合わせがございます」

あの、いえ、それでいいのだけど……逆よ逆!
一応メインは交流会……になるはずよ!

「貴族は昼まで寝ているものだからと午前中にしたけれど結局全員参加なのよね……もう気が遠くなるわ……」

少しでも人を少なくしてゆっくりしようと思ったのに、なぜか皆さんとても気合いの入ったお返事をいただきました。
いつもは昼より早く起きるのは体に悪いとか言っているくせに……。

「お召し物の選定はこちらで行ってしまいますがよろしいですか」
「ええ、明日は季節の花を髪に飾るわ」

むしろ今の頭ではそれしか考えられない。

「お履き物は今日の色違いのものになさいますか」
「いえ、新作のフラットシューズにしてちょうだい」
「かしこまりました。ごゆっくりおやすみください」

さぁ、明日は殿方には申し訳ないけれど交流会はそこそこに新作の販促をさせてもらいましょう。
フラットシューズに花の髪留め、新作ドレスはデザイン画とトルソーどちらで持っていくのかしら。
それからそれから……。

まだまだ考えたい事もあったけれど、体がベッドに沈むと共に私の意識は溶けていったのでした。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

政略結婚ですか、はい、喜んで。

克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。

頭頂部に薔薇の棘が刺さりまして

犬野きらり
恋愛
第二王子のお茶会に参加して、どうにかアピールをしようと、王子の近くの場所を確保しようとして、転倒。 王家の薔薇に突っ込んで転んでしまった。髪の毛に引っ掛かる薔薇の枝に棘。 失態の恥ずかしさと熱と痛みで、私が寝込めば、初めましての小さき者の姿が見えるようになり… この薔薇を育てた人は!?

貧乏男爵家の末っ子が眠り姫になるまでとその後

空月
恋愛
貧乏男爵家の末っ子・アルティアの婚約者は、何故か公爵家嫡男で非の打ち所のない男・キースである。 魔術学院の二年生に進学して少し経った頃、「君と俺とでは釣り合わないと思わないか」と言われる。 そのときは曖昧な笑みで流したアルティアだったが、その数日後、倒れて眠ったままの状態になってしまう。 すると、キースの態度が豹変して……?

婚約者に「愛することはない」と言われたその日にたまたま出会った隣国の皇帝から溺愛されることになります。~捨てる王あれば拾う王ありですわ。

松ノ木るな
恋愛
 純真無垢な心の侯爵令嬢レヴィーナは、国の次期王であるフィリベールと固い絆で結ばれる未来を夢みていた。しかし王太子はそのような意思を持つ彼女を生意気と見なして疎み、気まぐれに婚約破棄を言い渡す。  伴侶と寄り添う心穏やかな人生を諦めた彼女は悲観し、井戸に身を投げたのだった。  あの世だと思って辿りついた先は、小さな貴族の家の、こじんまりとした食堂。そこには呑めもしないのに酒を舐め、身分社会に恨み節を唱える美しい青年がいた。  どこの家の出の、どの立場とも知らぬふたりが、一目で恋に落ちたなら。  たまたま出会って離れていてもその存在を支えとする、そんなふたりが再会して結ばれる初恋ストーリーです。

お飾り妻宣言した氷壁の侯爵様が、猫の前でドロドロに溶けて私への愛を囁いてきます~癒されるとあなたが吸ってるその猫、呪いで変身した私です~

めぐめぐ
恋愛
貧乏伯爵令嬢レヴィア・ディファーレは、暗闇にいると猫になってしまう呪いをもっていた。呪いのせいで結婚もせず、修道院に入ろうと考えていた矢先、とある貴族の言いがかりによって、借金のカタに嫁がされそうになる。 そんな彼女を救ったのは、アイルバルトの氷壁侯爵と呼ばれるセイリス。借金とディファーレ家への援助と引き換えに結婚を申し込まれたレヴィアは、背に腹は代えられないとセイリスの元に嫁ぐことになった。 しかし嫁いできたレヴィアを迎えたのは、セイリスの【お飾り妻】宣言だった。 表情が変わらず何を考えているのか分からない夫に恐怖を抱きながらも、恵まれた今の環境を享受するレヴィア。 あるとき、ひょんなことから猫になってしまったレヴィアは、好奇心からセイリスの執務室を覗き、彼に見つかってしまう。 しかし彼は満面の笑みを浮かべながら、レヴィア(猫)を部屋に迎える。 さらにレヴィア(猫)の前で、レヴィア(人間)を褒めたり、照れた様子を見せたりして―― ※土日は二話ずつ更新 ※多分五万字ぐらいになりそう。 ※貴族とか呪いとか設定とか色々ゆるゆるです。ツッコミは心の中で(笑) ※作者は猫を飼ったことないのでその辺の情報もゆるゆるです。 ※頭からっぽ推奨。ごゆるりとお楽しみください。

愚者(バカ)は不要ですから、お好きになさって?

海野真珠
恋愛
「ついにアレは捨てられたか」嘲笑を隠さない言葉は、一体誰が発したのか。 「救いようがないな」救う気もないが、と漏れた本音。 「早く消えればよろしいのですわ」コレでやっと解放されるのですもの。 「女神の承認が下りたか」白銀に輝く光が降り注ぐ。

侯爵令嬢はざまぁ展開より溺愛ルートを選びたい

花月
恋愛
内気なソフィア=ドレスデン侯爵令嬢の婚約者は美貌のナイジェル=エヴァンス公爵閣下だったが、王宮の中庭で美しいセリーヌ嬢を抱きしめているところに遭遇してしまう。 ナイジェル様から婚約破棄を告げられた瞬間、大聖堂の鐘の音と共に身体に異変が――。 あら?目の前にいるのはわたし…?「お前は誰だ!?」叫んだわたしの姿の中身は一体…? ま、まさかのナイジェル様?何故こんな展開になってしまったの?? そして婚約破棄はどうなるの??? ほんの数時間の魔法――一夜だけの入れ替わりに色々詰め込んだ、ちぐはぐラブコメ。

悪役令嬢は断罪イベントから逃げ出してのんびり暮らしたい

花見 有
恋愛
乙女ゲームの断罪エンドしかない悪役令嬢リスティアに転生してしまった。どうにか断罪イベントを回避すべく努力したが、それも無駄でどうやら断罪イベントは決行される模様。 仕方がないので最終手段として断罪イベントから逃げ出します!

処理中です...