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ご飯です

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王都に到着すると、今までの住まいとは到底比べられないようなお屋敷に住むことになった。
なんでも、視察団の方たちが共同で住んでいるらしい。
3階建てのその建物で、私の部屋は3階の少し南寄りの東側のところだと説明された。

「まあ、こんな感じで足りないものは後から買い足そうとは思っていたけど……ほぼ全部だね」

荷物を運んでくださったスピカさんにはまだまだ足りないものが多いらしい。
私には大きなキッチンにお風呂、ご飯を食べる部屋と寝る部屋が分かれているだけでもう十分すぎる豪邸だと思うんですけど……。
つくりつけの棚に持ってきた着替えと人形を並べて入れてもまだまだ十分に余裕があるから本当に今日からここに一人で住むのが信じられない。
でも、何人でここに住むのかって聞いたらここは一人だよって言われて微笑まれたからこの人たちにはそうなんだろう。

「それよりまずご飯にしない?この子見てると細すぎて倒れるんじゃないかってハラハラする」
「そうだね、リンダこの辺りで女の子に人気の店教えてくれよ。そこに行こう」
「でも今給料日前だから私キツイんですけど~?」
「え、だってルーナのご飯は経費になるって言ってなかった?みんなでつまめばそれで経費になるでしょ?」
「なるほどあなたもこしゃくなこと考えるわね」
「まあリンダの好きな食堂でもいいけど、せっかくなら行きたいとこにいきたいでしょ?」
「え、えと、ええ?」

そして連れてこられたお店の料理はなんというかすごいしか言いようのない料理だった。

「こんなにいっぱい……今日は何かのお祝いですか?」
「いや?まあ強いていうならルーナが王都に到着したお祝いかな?ああ、このサラダおいしいよ」
「ねえルーナ、次はお肉にしようと思うんだけどこっちとこっちどっちがいい?」
「あ、ねえこのスペシャルメニューがいいんじゃないか?」
「さすがスピカはそういうの見つけるのうまいねぇ」

よく分からないまま、運ばれてきた新鮮なお野菜をたっぷりもぐもぐ。
選んでくれた透き通った野菜とお肉?のスープもごくごく。
スペシャルメニューのさっぱりした実を絞りかけてくれたお肉ももぐもぐ。
おっきいお肉も切り分けてもらって、さっきの実を絞ってもらってもぐもぐ。

「ねえ、さっきから本当にその量で良いの?私たちばっかり食べてるけど」
「え、そんな十分すぎるくらい頂いてますよ!こんなに一度にたくさんお肉頂けるなんて夢みたいです!」
「じゃあそんなルーナに素敵なお知らせ。この後デザートだけど、三人分好きなの選んでいいよ。それをみんなで一口交換とかしながら食べよう。あ、メニューはこれね」
「え、え、いいんですか!」

お菓子が食べられる!
スピカさんとリンダさんがあと少し食べている間にデザートを選ばせてもらうことになってしまいました!
ああ、どうしよう。3人で食べるから責任重大です。




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