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18話

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バキバキと木がなぎ倒される。
その破片が頭から降り注ぐ。
自分たちを追いかけ回している鬼が、なかなか捕まらないことで癇癪を起こし、そこら辺の木に八つ当たりしたのだ。
おかげで少し距離を取ることはできたが、鼻息を荒くした鬼が、こちらをギロリと睨む。
と、八つ当たりで握りつぶした木の残骸を、こちらに投げてきた。

「横に飛べ!」

手下と徳次に叫ぶ。
徳次は辛うじて熊笹の茂みに飛び込んだが、手下は背中に破片を受け、近くの木に叩きつけられ気を失った。
頭は木の陰に隠れてやり過ごしていたが、手下が倒れたのを見て覚悟を決める。

「ちくしょう!来い、やってやるよ!」

鞘から刀を抜き、鬼相手に構える。
人間相手なら何度も振るってきた。
が、こんな化け物は初めてだ。
思わず刀の切っ先が震えそうになるが、柄を握り込んで恐怖を押し殺す。
鬼が右手を伸ばして捕まえようとしてきた。
その手を、刀で払うように斬りつける。
斬られた鬼は呻き、手を引っ込め距離を取る。
またもや、左手を伸ばしてきたので斬りつける。
それを2、3回繰り返すと、鬼はようやく攻撃を止めた。
鬼の表情は変わらないが、こちらを見る目には警戒の色。
さて、次はどうする?
鬼は右手を地面に突き刺し、土をえぐってきた。
そして、その土を頭めがけて飛ばしてきた。

「やろう!!」

土から守るために顔の前で腕を組み、衝撃に備える。
バシバシと腕、顔、体に小石や砂利が当たる。
当たったせいで目に土が入ってしまい、痛みでまぶたを閉じる。
その隙をついて、鬼が突進してきた。
ドスドスという音で危機を感じ取り、勘で右手に飛ぶ。
涙で多少流されたのか、回避した後、少し目を開けることができた。
鬼は頭がいた場所に思いっきり飛び込み、土煙を上げて滑り込む。
と同時に、頭が横に飛んだことに反応した鬼は、地面を薙ぎ払うように足で自分の後ろを回し蹴りする動作をした。
よく見えない目で何が起きているか把握しようとしていたが、頭は反応が遅れ、その足に当たってしまう。
衝撃で後ろに飛ばされてしまい、その先には、水流が速い川が。
川の周りは大きな岩で囲まれており、人が上れる高さではない。
頭は、その岩に吸い込まれるように落ちて行った。
鬼は追いかける獲物がなくなると辺りを見渡し、複数の人間の声が聞こえる方を見た。
その方向には、庄屋と村人たち。
まだまだ遊べると思った鬼は、庄屋たちの方へ駆け出し、山を降りて行った。

ああ、うるさいなぁ、もう少し寝かせろや。
遠くで聞こえるドスドスという音と振動で、しのは目を覚ます。
頭が鬼と対峙している時、しのは木の枝に引っ掛かっていた。
額には、一筋の血がしたたっており、止まる気配がない。
さきほど投げ出された時に木の枝に引っ掛かったのだが、引っ掛かる直前、別の木の枝に頭をぶつけ、そのせいで今まで気を失っていた。
だが、本人は途中で起こされてしまったので、もう少し寝かせて欲しかった、と思っている。
しのがいる木は山の斜面から生えており、背丈が高く、子供の体で降りれるものではない。
しかも、庄屋や村人たちがいる場所から離れている上、庄屋たちは鬼に追いかけられている最中なので、しのを探すどころではない。
しかし、しのは自分の無事について考えていなかった。
あまりにも傷つきすぎて、考える力すらないのだ。
今ならよく寝られそうなんだ、だから寝かせてくれよ。
子供ならとっくに寝ている時間だが、眠気ではなく血を失ったせいでまぶたを開けていられない。
ここで眠ったら最後、二度と目を覚まさないかもしれない。
それでもいいじゃないか、ときは無事なんだから。
・・・だけど、ねえちゃんに会えないのは嫌だな・・・
しのはゆっくりと、まぶたを閉じた。

次に気付いた時、しのは白一色の中にいた。
この景色は見覚えがある。
前世で死んだ後、最初に目が覚めた場所だ。
そう、あの憎たらしい奴がいる所・・・

「で、試しに生まれ変わってどうだった?」

アタイの後ろで、雲みたいな白いフワフワを布団がわりにして寝そべっているそいつは、あの「仏様」だった。
なぜか鼻をほじっている。

「また会ったな腐れ餅、寝そべってのお出迎えとはいいご身分じゃねぇか」
「ふむ、憎まれ口は変わらずか。まあ、すぐに全部変わるとは思えないしな」

「仏様」は一層、指を鼻の穴に深く突っ込む。
いや、どんだけ深追いしてるんだよ。

「で、さっきの質問の答えを聞いていないが?」
「どうって、別に。前と同じような庶民じゃねぇか、何も変わらねぇよ」
「本当にか?」

「仏様」は鼻に指を突っ込んだまま、細い目を開いてこちらをじっと見る。
その目には、何やら逆らえない迫力があった。
前と変わったこと・・・
しのは今までのことを振り返る。
ツヅラを開けたら鬼みたいな奴が現れて、投げ捨てられたな。
あ、自分の体、今どうなってんだ?
こっちに来たってことは、死んだのか?
もし死んだのなら・・・
もう姉には会えない。
3人で囲む囲炉裏にも、夕日に照らされた田んぼや畑を見ながら家に帰ることも、汗水垂らして薪を割るのも。
なにより、姉が作ってくれたあの雑炊にも、二度と会えない。
そう思った途端、涙が頬を伝った。
ほんの少し、あの村での出来事を考えただけなのに、なぜか体が反応してしまったのだ。
体はないのに、なぜか次から次へと涙が出てしまう。
ちくしょう、なんでだ!なんで止められない。
ゴシゴシと袖で目を拭いても、涙は溢れてくる。
それを見た「仏様」が、

「お前、本当に前と変わったことはなかったか?」

再度、しのに聞いてきた。
ある、山ほどある。
涙が流れると同時に胸に溢れてくるのは、あの村で出会った人々。
その人々と交流した思い出の数々。
前は、自分の手を握って帰ってくれる人も、自分の名前を呼んで話しかける大人もいなかった。
それが、あの村には全部ある。
それらは、しのが欲しくて欲しくて仕方なかったものだ。
けれど、それを何と呼び、どう伝えればいいのか全く分からないので、ただ涙を流し、「仏様」の言葉に頷くしかできなかった。

「なんだ、そんなにあるではないか。やれやれ、これ以上仕事が増えなくて済むわい」

またもや失礼なことを言われた気もするが、しのは自分が本当に欲しかったものを自覚したことで、ようやく涙を止めることができた。
でも・・・

「ここに来たってことは、アタイは死んだんだろ?なら、もうあの村には帰れないよな」

「仏様」に向かって、自嘲気味に聞く。
前にここに来た時、「死んだ」と言われた。
なら、今回もここに来たのだから、死んだに違いない。
せめて、自分の口で姉に別れを言いたかったが、そんな奇跡は起きそうにもない。
だが、「仏様」はしのの言葉を否定した。

「いんや、まだ分からんぞ。もしかしたら、帰れるかもしれんしな」
「はぁ?」
「お前さんはまだ修行中の身だ。いくら私と言えど、修行する者の行く末を阻むことはできん」
「あんた、何言ってんだ?」

前も修行がどうとか言っていたが、修業とはなんだ?
アタイは、何の修業をさせられているんだ?

「まぁ、何はともあれ、試しに帰ってみるか?」
「いや、どうやって帰るんだよ」
「おっ、今度のは大物だぞ」

と、「仏様」は鼻の穴に突っ込んでいた指を引き抜き、自分の鼻くそを見せびらかした。
きったねぇ!!

「見せんなバカ野郎!こっちにくんな!」
「ホホホ、遠慮するでない」

「仏様」は指先にどでかい鼻くそをくっつけて、しのに近づく。
しのは汚物を見る目で「仏様」を見、じりじりと後ろに下がる。
が、その努力も虚しく、「仏様」の鼻くそがしのの袖についてしまった。

「ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙!!この腐れ餅があぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「フフフ、立派であろう」

なんで自慢気なんだよ。
袖に付いた鼻くそを何とか振り落そうと、しのは必死に腕を振り回す。
すると、しのの足元から地面が消え、体が落下する感覚が生まれた。
これも、前に体験したことがある。
この感覚を体験してしばらくしてから、「しの」の体になったのだ。

「では、達者での」
「てめぇ!やっぱり次は覚えてろよおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

そこで、意識が途絶えた。

次にしのが目を覚ましたのは、庄屋の屋敷だった。
屋敷に勤める女中がしのの名前を呼んでおり、それに反応したことで屋敷中が大騒ぎになった。
仕事中の女中たちだけではなく、屋敷の近くにいた村人がこぞってしのを見にやって来た。
どうやら、しのは3日間眠っていたらしい。
あの夜、庄屋たちは謎の鬼に追いかけられ、村まで戻ったところで鬼が消えたそうだ。
そのまま朝日が出るまで待ち、再度山を探索すると、鬼の姿はどこにもなかった。
なぎ倒された木々やえぐれた土があったことから、鬼に追いかけ回されたのは間違いないが、村への道の途中で、鬼の足跡が消えていたという。
また、山に潜伏していた人さらい達も探したが、どこにもいなかった。
その途中で、木の枝に引っ掛かっていたしのを発見し、村まで連れて帰ったのだ。
その時のしのは、ケガをした様子もないのに、誰が呼びかけても目を覚まさず、昏々と眠り続けていたという。

「ときが心配していたぞ。自分が一番大変な目に遭ったというのに、お前を心配し過ぎて食事も喉を通らないらしい」

しのが起きたことを知った庄屋は仕事を切り上げ、急いで駆けつけた。
と思ったら、いきなり小言をかましてきた。
椀に入った水をグビグビ飲んでいたしのは、もうちょっと他に言うことがあるんじゃないか、と横目で庄屋を見る。

「しかし、お前さんが見つかって良かった。鬼のせいで死んだのではないかと思ったぞ。まあ、見つからなければ葬式を出すことも考えていたが」
「勝手に死んだことにするな!よく見ろ!ピンピンしてるだろ!」

布団の上で立ち上がり、両手を広げてケガがないことを訴える。
葬式まで出すとか、縁起でもない。

「本当に、あの騒ぎでよく何事もなかったものだ」

実際は、額から相当な量の血を流していたのだが、見つかった時にはその傷は消えていた。
更に、人さらい達から痛めつけられたケガもなくなっており、しのはすぐにでも農作業ができそうなほど元気だった。

「だが、3日も眠っていたんだ。今日明日は何もせず大人しくしていなさい。人手は欲しい所だが、無理をさせて倒れては困る」
「そうかい、ならのんびりさせてもらうよ」

椀3杯もの水をもらった後、しのは庄屋の屋敷を後にした。
屋敷を出ると、少し涼しい、けれど、心地いい風が吹いていた。
目の前には、収穫を待っている金色の田んぼが広がる。
家に向かう道を歩いていると、田んぼにいる村人に、次々声を掛けられた。

「しのちゃん!やっと起きたのかい!よかったよかった」
「ずいぶんと寝坊したな!」

目に涙を浮かべて笑いかける人、でっかい手でガシガシと頭を撫でる人、さまざまだ。
何となく気恥ずかしい気もしたが、出会う人全部が心地いい。
でも、しのにはまだ足りない。
村人に囲まれていると、向こうから人影がやってきた。

「しの!」

ときが泣きながら駆けて来た。
駆けたままの勢いでしのに抱きつき、わんわんと泣く。
ぎゅうぅっと腕に力を込められているので、体が締め付けられ息が苦しい。

「ときねえ、苦しいよ」

ときに呼びかけるが、聞こえていないのか、なおも泣き続ける。
それを見た村人たちの中には、釣られて泣く者も。
しのはポンポンとときの背中を叩き、自分の無事を伝えた。
ときが泣き終えるまで、しのは田んぼを眺めることにした。
所々、金色がなくなっている所がある。
ああ、稲刈りが始まったんだ。
集まった村人は姉妹の無事を確認し、次第に二人から離れ、稲刈りへと戻っていく。
トンボが宙に浮き、ツイッと滑るように目の前を通る。
ようやく泣き終えたときが、しのを解放した。
ときは、真っ赤になった目のまま自分の両手で妹の頬を包み、親指で撫でる。
ささくれて、所々皮膚が分厚くなっているせいでガサガサする手のひらだが、天下一の姉の手だ。

「しの、おかえり」
「ただいま。ねえちゃん腹減ったよ」
「うん、雑炊作るから、いっぱいお食べ」

二人は手を繋いで家路につく。
家に帰ると、父は稲刈りに駆り出されて不在だった。

「待っててね、今煮るから」

鍋を竈にかけ、野菜と雑穀を次々に放り込む。
戻ってきて、良かったなあ。
姉の後ろ姿を見ていたとき、ふと、しのはツヅラを思い出した。
そういえば、あのツヅラはどうしたのだろう?
鬼が暴れたせいで壊れたのでは?
そう考えていたら、隣の部屋から物音がした。
父は不在、姉は竈で雑炊を作っている。
なら、あの音は・・・
恐る恐る覗き込むと、そこにはあのツヅラが。
なんでこんな所に?!
汚れやキズなんて一つもない、あのツヅラが鎮座していた。
助けてもらった恩はあるが、なんとも不気味な奴である。
どうやら、しのとツヅラの付き合いはまだ続くようだ。
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