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1章
6. 引きこもり令嬢
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よし、引きこもろう! ローズはそう決心した。
社交界に顔を出せば、嫌でもシャーロットと遭遇し、望まぬ展開になるかもしれない。まずはそれを回避する方向の人生設計を考えた。それがズバリ、「引きこもり」だ。そもそも誰にも会わずにいれば、誰も傷つけずにすむ。悪役のしようもない。
「引きこもり。うん、不本意だけど、名案だわ。気軽に実行可能だし、まずは消極的姿勢を取ってみて様子を見てみましょう」
ローズは魔女の家を後にし、「蝶の森」からクローゼットへと帰る短い道すがら、独り言を言いながらうんうんと頷いた。この先の人生の舵取りが決まると、ずいぶん心が軽くなった。
そしてローズがクローゼットを抜けて自室に戻った直後――
「お嬢様!!」
ローズの侍女であるカレンが、血相を変えて近づいてきた。
「まさか、そんな! クローゼットの中にいらしたのですか?! いいえ、そんなはずは……私が調べたときは……」
カレンは一瞬言葉を失くし、その後詰めていた息を吐き出して安堵の声を上げた。
「とにかくお嬢様、ご無事でいらして良かった! ああっ、私は肝が冷えました……!」
泣き崩れる勢いのカレンの動揺ぶりに、ローズはどうやら自分が行方不明の扱いになっていたことに気付いた。思ったより長く、魔女の森にいたらしい。
「心配をかけたようねカレン、ごめんなさい。一人静かに考え事をしたくて、クローゼットに隠れていたの……それで、いつの間にか眠ってしまったみたい」
うん、そういうことにしておこう――ローズはそう心の中で独り言ち、カレンを気の毒に思いながら、彼女を慰めるために手を取ってさすった。その効果があったようで、カレンは目に涙を浮かべながらも微笑み、ホッと息をついて言った。
「お嬢様……ご無事で本当に良かった……。はっ!皆にも知らせないと!」
カレンがそう思い当たったとき、外から馬のいななく声が聞こえてきた。ハッとしたカレンは窓に走り寄ると外を覗き込み、すぐに窓を開け外に向かって叫んだ。
「シュリ!! お嬢様が見つかりました! ご無事でここにおいでです!」
シュリ?
ローズはカレンの横から外を覗き込んだ。すると馬の手綱を世話係の少年に放り投げ、シュリが屋敷の扉に駆けて行くところが見えた。とても慌てた様子だ。
姿の見えなくなったローズの捜索のため、シュリは馬で外回りに出かけていたらしい。それを説明すると、カレンは屋敷内の捜索に出ている者に、ローズが無事に見つかったことを報せに退出した。そしてややあって、息せき切ったシュリがローズの部屋に入って来た。彼はノックはおろか入室の許可も得ずに部屋に入ってくると、一目散にローズに駆け寄ってきた。
彼の姿を見て、ローズの鼓動が跳ね上がる。
シュリは一言で言うならば「凄いイケメン」だ。
黙っていても人目を引く容姿を持つ彼が、切ない表情を浮かべてローズのすぐ前に立っていた。
彼の情熱的でエキゾチックな小麦色の肌は上気し汗を浮かべ、ゆるいウエーブのかかった艶やかな黒髪は乱れ、所々顔にかかっている。その髪の合間から、薄暮の空を思わせるような微かに青色を帯びた灰色の瞳が覗き――その瞳はひたむきな熱を伴いながらまっすぐローズに向けられていた。少年から青年に成長したばかりの、まだ繊細さを残す顎のラインから、汗が一粒流れ落ちる。形よく整った口元は荒い呼吸のため開かれ、程よく肉厚でセクシーな唇は、震えていた。
ローズはそれらを一瞬で目に捉え、痛いほどに高まる鼓動に戸惑いながらも、視線をはずすことができなかった。
それにずいぶんと心配をかけたようだ。彼の表情がすべてを物語っている。
ローズは申し訳ない気持ちでいっぱいになり、シュリの額の汗を袖口で拭いながら彼に声をかけた。
「ご……ごめんなさい、シュリ。私、クローゼットの中にいたの。心配かけて……」
シュリは額に触れたローズの手を取ると、両手で握りしめた。
「!!」
ローズが息を呑み固まるのも構わずに、シュリは大きな掌に包み込んだ彼女の華奢な手の甲に接吻をした。そうして絞り出すように、言葉を舌に乗せる。
「ローズ様……二度と、姿を隠すようなことはしないでください。――俺の心臓を、止めたくないならば」
思わず聞き惚れてしまう艶を帯びた低音――荒い息の合間から零れるその声と彼の言葉に、ローズは失神しそうになった。
前世によく読んだ漫画の中の擬音としては「トゥンク」とか「ドキッ」とか「キュン」とか表現されるところだが、今のローズの胸中はそれどころではなかった。
そう、擬音にするならさしずめ……
「ドゥングドゥグーーーンギュルギュルドグドグズッギューーーンッ!!(爆)」
とでも表現すれば少しは心境に近いだろうか。
とにかくローズはもう声も出ず気絶するしか選択肢がないというとき、カレンが部屋に戻ってきた。
「ああああああっ!! シュリ、お嬢様に何たる無礼なことを!! いくら心配したからって、許しませんよ、それは!!」
そう叫びながら猪のように突進してきたカレンが、シュリに体当たりして二人を引き離し、ローズを背中にかばった。
「大丈夫ですか、お嬢様! 変なこと、されませんでした?!」
「だ……だ……大丈夫よ、カレン」
ただキュン死しそうになっただけ。
心の中でそう付け足したローズは、カレンに支えられて椅子に座った。シュリはカレンに追い出されるようにして退室し、入れ替わるようにニルとカナの双子の姉妹が部屋に駆け入って来た。
「「ローズ様ぁぁぁぁっ!!!!」」
二人は同じ声でハモりながら目に涙を浮かべてローズの懐に飛び込んできた。
12歳になったばかりの二人はシュリの妹で、わけあってローズが手元に置いている。兄よりも肌の色は薄いがやはり小麦色の肌をして、シュリとよく似たウエーブのかかった艶やかな黒髪を三つ編みにして左右に垂らしている。クリクリとした茶色の瞳がとても可愛らしく、美少女である二人が成長したらさぞかし美女になるだろうとローズは将来を楽しみにしている。
ローズはこの二人が幼い頃から面倒を見ているので、二人はローズによく懐いていた。きっとローズがいないことを知って方々捜してくれたのだろう。見つかったことに安堵して、えぐえぐと喉を鳴らして鼻をすすっている。ローズは二人の頭をなでなでしながら優しく声をかけた。
「ニル、カナ、心配かけたわね、ごめんなさい」
うんうんと二人は頷きながら何かローズに言おうとしたとき。
「ローズ!! いったい何があったというのだ?!」
取り乱した様子のローズの両親が部屋に入って来たため、双子の姉妹は慌てて脇に控えた。カレンもまた、離れたところに立って膝を折って頭を下げた。
ローズは心配する両親にクローゼットで眠っていたと嘘をつき、色々と疲れているのでしばらく屋敷でゆっくりしたいと願い出た。
昨日のローズの奇行に、両親であるフィッツジェラルド夫妻は戸惑い、いたく胸を痛めていた。何しろ社交界デビューの晴れやかな舞踏会を途中で抜け出し、シュリを伴って一人で屋敷に帰ってしまったのだから。しかも、共に王宮に来ていた両親に一言もなく。ローズを屋敷に送ったのちに王宮に取って返したシュリから事情を聞いたとき、夫妻はひどく驚いた。慌てて屋敷に帰ってきた夫妻はベッドの中のローズに声を掛けたが、娘はぐすぐす泣きながら「何でもない。具合が悪いけど病気じゃない。放っておいて」と繰り返すばかり。取りあえずなすすべもなく、翌朝まで様子を見ることにしたが、朝になってみれば娘の姿がどこにもなく――捜し回った結果、クローゼットの中で眠っていたとは、いったい昨日に引き続きなぜそのような奇行に走るのか……。
晴れやかな社交界デビューの舞台、誰よりも美しく輝いていたローズ。頬を薔薇色に染めて幸福のさなかにいた娘に、いったい何が起こったのか。
――二人が戸惑うのは当然だ。
ローズはそう思ったが、事情を説明するように言われても何も言えることはない。真実を話しても両親は信じず、娘は気が狂ったのだと思うだろう。
ローズはとにかく何を訊かれても、病気ではないが体調がすぐれない、しばらくそっとしておいてくれと繰り返し頼んだ。今はどうすることもできないと察した両親は、娘の言う通りにするしかないと諦めて、しばらく様子を見ることにした。
渋々ながら両親の承諾を得たローズは、「Yes!」とばかりに心中で喝采を叫び、意気揚々と「引きこもり」大作戦のスタートを切った。
社交界に顔を出せば、嫌でもシャーロットと遭遇し、望まぬ展開になるかもしれない。まずはそれを回避する方向の人生設計を考えた。それがズバリ、「引きこもり」だ。そもそも誰にも会わずにいれば、誰も傷つけずにすむ。悪役のしようもない。
「引きこもり。うん、不本意だけど、名案だわ。気軽に実行可能だし、まずは消極的姿勢を取ってみて様子を見てみましょう」
ローズは魔女の家を後にし、「蝶の森」からクローゼットへと帰る短い道すがら、独り言を言いながらうんうんと頷いた。この先の人生の舵取りが決まると、ずいぶん心が軽くなった。
そしてローズがクローゼットを抜けて自室に戻った直後――
「お嬢様!!」
ローズの侍女であるカレンが、血相を変えて近づいてきた。
「まさか、そんな! クローゼットの中にいらしたのですか?! いいえ、そんなはずは……私が調べたときは……」
カレンは一瞬言葉を失くし、その後詰めていた息を吐き出して安堵の声を上げた。
「とにかくお嬢様、ご無事でいらして良かった! ああっ、私は肝が冷えました……!」
泣き崩れる勢いのカレンの動揺ぶりに、ローズはどうやら自分が行方不明の扱いになっていたことに気付いた。思ったより長く、魔女の森にいたらしい。
「心配をかけたようねカレン、ごめんなさい。一人静かに考え事をしたくて、クローゼットに隠れていたの……それで、いつの間にか眠ってしまったみたい」
うん、そういうことにしておこう――ローズはそう心の中で独り言ち、カレンを気の毒に思いながら、彼女を慰めるために手を取ってさすった。その効果があったようで、カレンは目に涙を浮かべながらも微笑み、ホッと息をついて言った。
「お嬢様……ご無事で本当に良かった……。はっ!皆にも知らせないと!」
カレンがそう思い当たったとき、外から馬のいななく声が聞こえてきた。ハッとしたカレンは窓に走り寄ると外を覗き込み、すぐに窓を開け外に向かって叫んだ。
「シュリ!! お嬢様が見つかりました! ご無事でここにおいでです!」
シュリ?
ローズはカレンの横から外を覗き込んだ。すると馬の手綱を世話係の少年に放り投げ、シュリが屋敷の扉に駆けて行くところが見えた。とても慌てた様子だ。
姿の見えなくなったローズの捜索のため、シュリは馬で外回りに出かけていたらしい。それを説明すると、カレンは屋敷内の捜索に出ている者に、ローズが無事に見つかったことを報せに退出した。そしてややあって、息せき切ったシュリがローズの部屋に入って来た。彼はノックはおろか入室の許可も得ずに部屋に入ってくると、一目散にローズに駆け寄ってきた。
彼の姿を見て、ローズの鼓動が跳ね上がる。
シュリは一言で言うならば「凄いイケメン」だ。
黙っていても人目を引く容姿を持つ彼が、切ない表情を浮かべてローズのすぐ前に立っていた。
彼の情熱的でエキゾチックな小麦色の肌は上気し汗を浮かべ、ゆるいウエーブのかかった艶やかな黒髪は乱れ、所々顔にかかっている。その髪の合間から、薄暮の空を思わせるような微かに青色を帯びた灰色の瞳が覗き――その瞳はひたむきな熱を伴いながらまっすぐローズに向けられていた。少年から青年に成長したばかりの、まだ繊細さを残す顎のラインから、汗が一粒流れ落ちる。形よく整った口元は荒い呼吸のため開かれ、程よく肉厚でセクシーな唇は、震えていた。
ローズはそれらを一瞬で目に捉え、痛いほどに高まる鼓動に戸惑いながらも、視線をはずすことができなかった。
それにずいぶんと心配をかけたようだ。彼の表情がすべてを物語っている。
ローズは申し訳ない気持ちでいっぱいになり、シュリの額の汗を袖口で拭いながら彼に声をかけた。
「ご……ごめんなさい、シュリ。私、クローゼットの中にいたの。心配かけて……」
シュリは額に触れたローズの手を取ると、両手で握りしめた。
「!!」
ローズが息を呑み固まるのも構わずに、シュリは大きな掌に包み込んだ彼女の華奢な手の甲に接吻をした。そうして絞り出すように、言葉を舌に乗せる。
「ローズ様……二度と、姿を隠すようなことはしないでください。――俺の心臓を、止めたくないならば」
思わず聞き惚れてしまう艶を帯びた低音――荒い息の合間から零れるその声と彼の言葉に、ローズは失神しそうになった。
前世によく読んだ漫画の中の擬音としては「トゥンク」とか「ドキッ」とか「キュン」とか表現されるところだが、今のローズの胸中はそれどころではなかった。
そう、擬音にするならさしずめ……
「ドゥングドゥグーーーンギュルギュルドグドグズッギューーーンッ!!(爆)」
とでも表現すれば少しは心境に近いだろうか。
とにかくローズはもう声も出ず気絶するしか選択肢がないというとき、カレンが部屋に戻ってきた。
「ああああああっ!! シュリ、お嬢様に何たる無礼なことを!! いくら心配したからって、許しませんよ、それは!!」
そう叫びながら猪のように突進してきたカレンが、シュリに体当たりして二人を引き離し、ローズを背中にかばった。
「大丈夫ですか、お嬢様! 変なこと、されませんでした?!」
「だ……だ……大丈夫よ、カレン」
ただキュン死しそうになっただけ。
心の中でそう付け足したローズは、カレンに支えられて椅子に座った。シュリはカレンに追い出されるようにして退室し、入れ替わるようにニルとカナの双子の姉妹が部屋に駆け入って来た。
「「ローズ様ぁぁぁぁっ!!!!」」
二人は同じ声でハモりながら目に涙を浮かべてローズの懐に飛び込んできた。
12歳になったばかりの二人はシュリの妹で、わけあってローズが手元に置いている。兄よりも肌の色は薄いがやはり小麦色の肌をして、シュリとよく似たウエーブのかかった艶やかな黒髪を三つ編みにして左右に垂らしている。クリクリとした茶色の瞳がとても可愛らしく、美少女である二人が成長したらさぞかし美女になるだろうとローズは将来を楽しみにしている。
ローズはこの二人が幼い頃から面倒を見ているので、二人はローズによく懐いていた。きっとローズがいないことを知って方々捜してくれたのだろう。見つかったことに安堵して、えぐえぐと喉を鳴らして鼻をすすっている。ローズは二人の頭をなでなでしながら優しく声をかけた。
「ニル、カナ、心配かけたわね、ごめんなさい」
うんうんと二人は頷きながら何かローズに言おうとしたとき。
「ローズ!! いったい何があったというのだ?!」
取り乱した様子のローズの両親が部屋に入って来たため、双子の姉妹は慌てて脇に控えた。カレンもまた、離れたところに立って膝を折って頭を下げた。
ローズは心配する両親にクローゼットで眠っていたと嘘をつき、色々と疲れているのでしばらく屋敷でゆっくりしたいと願い出た。
昨日のローズの奇行に、両親であるフィッツジェラルド夫妻は戸惑い、いたく胸を痛めていた。何しろ社交界デビューの晴れやかな舞踏会を途中で抜け出し、シュリを伴って一人で屋敷に帰ってしまったのだから。しかも、共に王宮に来ていた両親に一言もなく。ローズを屋敷に送ったのちに王宮に取って返したシュリから事情を聞いたとき、夫妻はひどく驚いた。慌てて屋敷に帰ってきた夫妻はベッドの中のローズに声を掛けたが、娘はぐすぐす泣きながら「何でもない。具合が悪いけど病気じゃない。放っておいて」と繰り返すばかり。取りあえずなすすべもなく、翌朝まで様子を見ることにしたが、朝になってみれば娘の姿がどこにもなく――捜し回った結果、クローゼットの中で眠っていたとは、いったい昨日に引き続きなぜそのような奇行に走るのか……。
晴れやかな社交界デビューの舞台、誰よりも美しく輝いていたローズ。頬を薔薇色に染めて幸福のさなかにいた娘に、いったい何が起こったのか。
――二人が戸惑うのは当然だ。
ローズはそう思ったが、事情を説明するように言われても何も言えることはない。真実を話しても両親は信じず、娘は気が狂ったのだと思うだろう。
ローズはとにかく何を訊かれても、病気ではないが体調がすぐれない、しばらくそっとしておいてくれと繰り返し頼んだ。今はどうすることもできないと察した両親は、娘の言う通りにするしかないと諦めて、しばらく様子を見ることにした。
渋々ながら両親の承諾を得たローズは、「Yes!」とばかりに心中で喝采を叫び、意気揚々と「引きこもり」大作戦のスタートを切った。
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