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第3話/最高の世界
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奏華を地獄に突き落とす。
それを決行する日は、3月3日。
受験当日。
その日私は、彼女に怪我をさせる。
そうすれば、彼女は受験会場に
行けなくなり、受験に落ちる。
そして英傑には行けなくなり、
滑り止めとして受けていた常勝に
行く事になる。
それで、その世界のミッションは
クリアできて、私のいた世界は
“私が常勝高校に受験した世界”ではなく
“私が英傑高校に受験した世界”に
変更される。
でも、作戦決行までに、まだ数日
残っている。
その日までに、この世界の謎を
出来るだけ解明しておきたい。
解明したい事は以下の3つ。
•何回でも並行世界にいけるのか。
•一度入った並行世界に何度も
入る事は可能なのか。
•あの店はなんなのか。
ここで1番解明したい事は、1つ目の
“何回でも並行世界にいけるのか。”
これが1番重要だ。
もし、一度しか並行世界に入れないなら
他の並行世界に入る事は不可能。
つまり、他の並行世界、もしくは
この並行世界に再び入って奏華を
助ける事が出来ないのだ。
もし、そうだとしたら、私の
するべき事は大きく変わる。
奏華をこの事に巻き込むわけには
行かないのだ。
私1人で解決しないと。
あんなに性格が良くて勉強ができる人は
なかなかいない。
だから、奏華には幸せになってほしい。
その為にも、まずは1つ目のことを
解明しないと行けない。
その為に、私は一度、あの怪しい店に
戻る事にした。
奥のレジに、店員らしき人がいたから
その人から話を聞く事が出来るなら、
それが1番良い。
その人から聞く事が出来ないのなら、
もう一度本を読む。
本の内容は覚えていないが、
文字は読めた。
もう一度読むことも可能かもしれない。
早速店に向かう事にした。
場所はここからそう遠くない。
私の家から2、30分くらいだ。
私は足を動かし始めた。
足取りが重い。
そりゃそうだ。これから奏華を
苦しめるのだから。
友達を苦しめても何も感じない
人なんて、この世にはいないと思う。
私だってそうだ。
奏華は同級生なだけでなく、
幼馴染だった。
幼稚園の頃から中学まで、ずっと
遊んできた親友だ。
これから私は、最愛の友人を
自らの手で傷つけるのだ。
そんな事を考えならが、店まで
歩みを進めていた。
考えてもどうしようもない事なのに。
そして、再び店の前に辿り着いた。
相変わらず、外見は汚くて、
気味が悪い。
出来れば、もう2度と入りたくは
無かったのに。
でも、仕方がない。
私と奏華の為だ。
私は店の自動ドアの前に立ち、ドアが
開くと、ゆっくりと店内に入った。
ここで、本の内容を思い出してみた。
「確かあの本に、
“店には並行世界のチケットが
売っている。”
とか書いてあった気がする。
なら何回でも並行世界にいけるかも?
いや、チケットがあったとしても、
並行世界に行ける回数に制限が
あったり、そもそも一度しか
並行世界に入れなかったら意味ない。
結局あの店員に聞くしかないかな。」
私はゆっくりと奥へ進む。
不気味な雰囲気は、心なしか前よりも
強まっている気がする。
まるで、入って来るものを拒絶
しているかの様だ。
そして、私は前にこの店に入った時
店内を詳しく見ていなかった。
だから、店員に会いに行く途中、
店内を拝見する事にした。
普通に飲み物とかも売っている。
でも、その中に不可解な物があった。
“並行世界券(パラレル.チケット)。”
恐らくこのチケットを購入して
店外へ出ると、その世界は
チケットに書いてある内容の並行世界。
例えば、
“自分が殺人を犯してしまった並行世界”
というチケットを買ったとする。
するとその世界の自分は、この後
殺人を犯す。
“自分が誰かと付き合う並行世界”
というチケットを買ったら、
その世界で自分は、誰かと交際を
する事になる。
つまり、どんなチケットを買うかに
よって行ける世界が変わるという事。
という事は、自分で行きたい世界を
選ぶ事が出来る。
-その時、本の内容の一部を思い出す-
新たに思い出した本の内容はこうだ。
“チケットを買うのにお金は
必要ありません。
必要なのは、貴方の寿命。
チケット1つで1年寿命を
いただく事になりますので、
ご了承くださいますよう宜しく
お願いします。
なお、チケットは一度しか使う事が
出来ません。
再び並行世界に入る為には、
入りたい並行世界のチケットを
再購入していただく必要が
御座います。
そして、貴方の寿命がある限り、
チケットは何度もご購入
する事が可能です。”
この内容を思い出した事によって、
かなり謎が解明された。
つまり、並行世界には何度も入る
事が可能で、一度入った並行世界も
チケットさえあれば、何回も
行く事が出来るという事。
デメリットは寿命が減る事。
でも、そうなると新しい疑問が湧く。
NEW QUESTION
何故寿命が奪われるのか。
その寿命を何に使うのか。
この2つの疑問について言える事が
1つだけ存在する。
“この疑問の答えは、
あの本に記載されていなかった。”
何故かは分からない。
だが、確実にあの本には載って
いなかった。
それだけは分かる。
これに関しては、店員に聞く以外
知る方法は存在しない。
そして、この店は何なのかも
聞かないと行けない。
私もゆっくりしてはいられない。
私は足早にレジへ向かった。
レジに向かう途中、またあの本を
見かけた。
私は記憶は無いものの、一度文字を理解
して、この本を解読している。
もう一度読む事だって可能かも
知れないと思い、その本を開いた。
だが、その本は全て白紙だった。
その時、この前本を読み終えた時、
本の文字が消えて、白紙になった事を
思い出した。
恐らく、この本に今後文字が復活
する事は有り得ないと感じた。
本を読めないなら、やる事は残り1つ
しか無い。
店員に話を聞く事。
これしか、この世界の謎を知り得る方法
は存在しない。
私は覚悟を決めて、店員に話しかけた。
「あの、すいません。
この世界の事、このお店の事について
何か教えて頂けませんか?」
すると店員は意味不明な言葉を発した。
「@@(&&?’mhjjUu$$|%%|**$\€€***
He):773!hhs$|%%{$€£.£•••…!
%%=++*££$•€€~!!’m. No.」
店員は意味不明な\&&ofofk+<+<+£•
言葉を発し£~£*!!k&?@@続けている。
;&@(@@**|€~=+€{
私はこれまでに感じた事の無い
恐怖に襲われた。
人間でも幽霊でもない、得体の知れない
何かだという事は分かった。
店員は更に言葉を発し続けるうちに、
だんだんと笑い声が混じり、
体をピクピクと動かして、
私に近づこうとしていた。
身の危険を感じた私は、何も考えずに
出口へと走った。
すると店員はレジから出てきて、
ゆっくりと、でも確実に、私を
追いかけてきている。
私は以前、この店から出ようとした時、
出口が遠くなっていた。
今回も同じ様に、出口が遠くなったら
かなりまずい事になる。
相手は私を確実に追ってきている。
もし、出口までの長さが無限に
伸びるのだとすれば、
私に逃げる方法はない。
逃げられない。
そう思った途端、急に体に鳥肌が
立った。
私は恐怖と共に走った。
振り返ると、店員が追いかけて来る。
スピードも上がっている様に感じる。
少しずつ私に追いついて来ている。
引き篭もりニートには体力なんて
ほとんどなく、もうすぐ走れなく
なりそうだ。
質問なんてするんじゃ無かった。
得体の知れない物に話しかけるなんて、
私はどうかしている。
そんな事を考えて必死に走っている
うちに、出口が見えて来た。
その瞬間、後ろについて来る店員が
奇声を発した。
私は振り返らずに、外に出た。
月明かりが、私を祝福してくれている
様だった。
店の中を覗くと、店員は消えていた。
私はとても安堵して、その場に
座り込んだ。
そして、知らない間に眠ってしまった。
•••起きたら朝だった。
どれくらい寝たのだろう。
時刻は午前10時を回っている。
外で寝ていたからか、体がとても
寒かった。
よくよく考えると当たり前だ。
2月の夜に毛布すら無しに、外で
寝ていたのだ。
風邪を引いてもおかしくない。
私はすぐに、別のコンビニへと向かい、
朝ごはんと温かい飲み物を買い、
それを店のイートインで食べた。
久しぶりに温かい空間に入った。
でも、安心している暇はない。
店の事も一旦後回しだ。
まずは、奏華を受験に受からせない
様にする事だけを考えよう。
他の事を考えると、頭が混乱する。
「あ、でも1つ問題が…
今日って、2月26日、かぁ…
お金、どうしよう。
さっきご飯買っちゃったし、
残りいくらだっけ?」
そう思って財布を見ると、
またお金が増えていた。
「え、どういう事?
もしかしてお金無限?笑
何はともあれ、これで3月3日。
受験の日まで宿泊したりご飯を
買うお金は大丈夫。
あとは待つだけ。」
それにしても、お金が無限だなんて。
なんて”最高の世界”なんだろう。
第3章/最高の世界
それを決行する日は、3月3日。
受験当日。
その日私は、彼女に怪我をさせる。
そうすれば、彼女は受験会場に
行けなくなり、受験に落ちる。
そして英傑には行けなくなり、
滑り止めとして受けていた常勝に
行く事になる。
それで、その世界のミッションは
クリアできて、私のいた世界は
“私が常勝高校に受験した世界”ではなく
“私が英傑高校に受験した世界”に
変更される。
でも、作戦決行までに、まだ数日
残っている。
その日までに、この世界の謎を
出来るだけ解明しておきたい。
解明したい事は以下の3つ。
•何回でも並行世界にいけるのか。
•一度入った並行世界に何度も
入る事は可能なのか。
•あの店はなんなのか。
ここで1番解明したい事は、1つ目の
“何回でも並行世界にいけるのか。”
これが1番重要だ。
もし、一度しか並行世界に入れないなら
他の並行世界に入る事は不可能。
つまり、他の並行世界、もしくは
この並行世界に再び入って奏華を
助ける事が出来ないのだ。
もし、そうだとしたら、私の
するべき事は大きく変わる。
奏華をこの事に巻き込むわけには
行かないのだ。
私1人で解決しないと。
あんなに性格が良くて勉強ができる人は
なかなかいない。
だから、奏華には幸せになってほしい。
その為にも、まずは1つ目のことを
解明しないと行けない。
その為に、私は一度、あの怪しい店に
戻る事にした。
奥のレジに、店員らしき人がいたから
その人から話を聞く事が出来るなら、
それが1番良い。
その人から聞く事が出来ないのなら、
もう一度本を読む。
本の内容は覚えていないが、
文字は読めた。
もう一度読むことも可能かもしれない。
早速店に向かう事にした。
場所はここからそう遠くない。
私の家から2、30分くらいだ。
私は足を動かし始めた。
足取りが重い。
そりゃそうだ。これから奏華を
苦しめるのだから。
友達を苦しめても何も感じない
人なんて、この世にはいないと思う。
私だってそうだ。
奏華は同級生なだけでなく、
幼馴染だった。
幼稚園の頃から中学まで、ずっと
遊んできた親友だ。
これから私は、最愛の友人を
自らの手で傷つけるのだ。
そんな事を考えならが、店まで
歩みを進めていた。
考えてもどうしようもない事なのに。
そして、再び店の前に辿り着いた。
相変わらず、外見は汚くて、
気味が悪い。
出来れば、もう2度と入りたくは
無かったのに。
でも、仕方がない。
私と奏華の為だ。
私は店の自動ドアの前に立ち、ドアが
開くと、ゆっくりと店内に入った。
ここで、本の内容を思い出してみた。
「確かあの本に、
“店には並行世界のチケットが
売っている。”
とか書いてあった気がする。
なら何回でも並行世界にいけるかも?
いや、チケットがあったとしても、
並行世界に行ける回数に制限が
あったり、そもそも一度しか
並行世界に入れなかったら意味ない。
結局あの店員に聞くしかないかな。」
私はゆっくりと奥へ進む。
不気味な雰囲気は、心なしか前よりも
強まっている気がする。
まるで、入って来るものを拒絶
しているかの様だ。
そして、私は前にこの店に入った時
店内を詳しく見ていなかった。
だから、店員に会いに行く途中、
店内を拝見する事にした。
普通に飲み物とかも売っている。
でも、その中に不可解な物があった。
“並行世界券(パラレル.チケット)。”
恐らくこのチケットを購入して
店外へ出ると、その世界は
チケットに書いてある内容の並行世界。
例えば、
“自分が殺人を犯してしまった並行世界”
というチケットを買ったとする。
するとその世界の自分は、この後
殺人を犯す。
“自分が誰かと付き合う並行世界”
というチケットを買ったら、
その世界で自分は、誰かと交際を
する事になる。
つまり、どんなチケットを買うかに
よって行ける世界が変わるという事。
という事は、自分で行きたい世界を
選ぶ事が出来る。
-その時、本の内容の一部を思い出す-
新たに思い出した本の内容はこうだ。
“チケットを買うのにお金は
必要ありません。
必要なのは、貴方の寿命。
チケット1つで1年寿命を
いただく事になりますので、
ご了承くださいますよう宜しく
お願いします。
なお、チケットは一度しか使う事が
出来ません。
再び並行世界に入る為には、
入りたい並行世界のチケットを
再購入していただく必要が
御座います。
そして、貴方の寿命がある限り、
チケットは何度もご購入
する事が可能です。”
この内容を思い出した事によって、
かなり謎が解明された。
つまり、並行世界には何度も入る
事が可能で、一度入った並行世界も
チケットさえあれば、何回も
行く事が出来るという事。
デメリットは寿命が減る事。
でも、そうなると新しい疑問が湧く。
NEW QUESTION
何故寿命が奪われるのか。
その寿命を何に使うのか。
この2つの疑問について言える事が
1つだけ存在する。
“この疑問の答えは、
あの本に記載されていなかった。”
何故かは分からない。
だが、確実にあの本には載って
いなかった。
それだけは分かる。
これに関しては、店員に聞く以外
知る方法は存在しない。
そして、この店は何なのかも
聞かないと行けない。
私もゆっくりしてはいられない。
私は足早にレジへ向かった。
レジに向かう途中、またあの本を
見かけた。
私は記憶は無いものの、一度文字を理解
して、この本を解読している。
もう一度読む事だって可能かも
知れないと思い、その本を開いた。
だが、その本は全て白紙だった。
その時、この前本を読み終えた時、
本の文字が消えて、白紙になった事を
思い出した。
恐らく、この本に今後文字が復活
する事は有り得ないと感じた。
本を読めないなら、やる事は残り1つ
しか無い。
店員に話を聞く事。
これしか、この世界の謎を知り得る方法
は存在しない。
私は覚悟を決めて、店員に話しかけた。
「あの、すいません。
この世界の事、このお店の事について
何か教えて頂けませんか?」
すると店員は意味不明な言葉を発した。
「@@(&&?’mhjjUu$$|%%|**$\€€***
He):773!hhs$|%%{$€£.£•••…!
%%=++*££$•€€~!!’m. No.」
店員は意味不明な\&&ofofk+<+<+£•
言葉を発し£~£*!!k&?@@続けている。
;&@(@@**|€~=+€{
私はこれまでに感じた事の無い
恐怖に襲われた。
人間でも幽霊でもない、得体の知れない
何かだという事は分かった。
店員は更に言葉を発し続けるうちに、
だんだんと笑い声が混じり、
体をピクピクと動かして、
私に近づこうとしていた。
身の危険を感じた私は、何も考えずに
出口へと走った。
すると店員はレジから出てきて、
ゆっくりと、でも確実に、私を
追いかけてきている。
私は以前、この店から出ようとした時、
出口が遠くなっていた。
今回も同じ様に、出口が遠くなったら
かなりまずい事になる。
相手は私を確実に追ってきている。
もし、出口までの長さが無限に
伸びるのだとすれば、
私に逃げる方法はない。
逃げられない。
そう思った途端、急に体に鳥肌が
立った。
私は恐怖と共に走った。
振り返ると、店員が追いかけて来る。
スピードも上がっている様に感じる。
少しずつ私に追いついて来ている。
引き篭もりニートには体力なんて
ほとんどなく、もうすぐ走れなく
なりそうだ。
質問なんてするんじゃ無かった。
得体の知れない物に話しかけるなんて、
私はどうかしている。
そんな事を考えて必死に走っている
うちに、出口が見えて来た。
その瞬間、後ろについて来る店員が
奇声を発した。
私は振り返らずに、外に出た。
月明かりが、私を祝福してくれている
様だった。
店の中を覗くと、店員は消えていた。
私はとても安堵して、その場に
座り込んだ。
そして、知らない間に眠ってしまった。
•••起きたら朝だった。
どれくらい寝たのだろう。
時刻は午前10時を回っている。
外で寝ていたからか、体がとても
寒かった。
よくよく考えると当たり前だ。
2月の夜に毛布すら無しに、外で
寝ていたのだ。
風邪を引いてもおかしくない。
私はすぐに、別のコンビニへと向かい、
朝ごはんと温かい飲み物を買い、
それを店のイートインで食べた。
久しぶりに温かい空間に入った。
でも、安心している暇はない。
店の事も一旦後回しだ。
まずは、奏華を受験に受からせない
様にする事だけを考えよう。
他の事を考えると、頭が混乱する。
「あ、でも1つ問題が…
今日って、2月26日、かぁ…
お金、どうしよう。
さっきご飯買っちゃったし、
残りいくらだっけ?」
そう思って財布を見ると、
またお金が増えていた。
「え、どういう事?
もしかしてお金無限?笑
何はともあれ、これで3月3日。
受験の日まで宿泊したりご飯を
買うお金は大丈夫。
あとは待つだけ。」
それにしても、お金が無限だなんて。
なんて”最高の世界”なんだろう。
第3章/最高の世界
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