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サムライ校での学園生活

初の朝練

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ここは、このサムライ校の治安を守る【実力行使委員会】の本部の部屋だ。

【実力行使委員会】とは、学校の警察・・・・いわゆる風紀委員会みたいなものだ。


壁に穴が空いたり、傷がついているこのボロボロの部屋の中には、幾人もの人相の悪い凶悪な顔つきの、ごつい男子生徒たちが密集している・・・

彼らが、実力行使委員たちである。

片手には常に、全員が木刀を握っており、完全に治安を守る警察とは真逆のアウトロー集団に
しか見えない。

委員会のメンバーは、全て男子生徒であり、本部内はむさ苦しさでムンムンしている。

・校則絶対!
・不良排除!

と荒々しく書かれた紙が、壁に所狭しと大きく貼られており

明らかに、部屋の中は異様だ・・・鋭い緊張感と危うさに包まれており、中にいるだけで、このプレッシャーに耐えられず、普通の人なら気絶するだろう。



部屋の一番、左側の壁には黒板があり、その近くに置かれている席に

この委員会のリーダー格らしき2人の男子生徒が座っている。


坊主頭で体格の良さそうな、ごつい男子生徒と

ワックスで髪にかなり束感のある、クールな顔つきの高身長イケメンの男子生徒の2人組だ。


そして、イケメンの方が、ドスの効いた太い声で、こんな事を言った。


「証拠は揃った!いよいよ奴らを潰しに行くぞ!【日本ニート党】の連中を、俺たち実力行使委員会の武力を持って叩き潰すんだ!」




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





上杉「【戦争】の細かいルールは、まだ教わってないみたいだね。まあ、とりあえず、これの使い方から
教えよう!」

次の日の朝、友愛は寮の外へ出て、校舎内の大きな緑色のグラウンドの中で、同級生の【上杉元親(うえすぎもとちか)】と一緒に【戦争部】の部員として、始めての練習を始めた。

朝の5時だから、まだ2人とも制服の着物は着ておらず、互いに私服だ。


上杉「今は、まだ君と僕の2人しか部員はいないが、そのうち、この競技の魅力や、入部した際についてくる特典に惹かれ、ドサッと入部希望者が増えてくるだろうさ。」


上杉は、友愛と同じ【個】のクラスの生徒で、高身長で、たれ目が特徴的な優顔イケメンだ。

同じ12歳とは思えないほど大人びており、【個】のクラスの中では、みんなのお兄さん的な存在。

静かそうな外見だが、根は熱く、義理人情に厚い男子でもある。

クラス内でカースト上位の人間だが、どんな子にも分け隔てなく接する凄い良い奴だ。

カースト下位の友愛も、彼となら上手くやっていけそうで、心なしか安堵している。

もし今日、一緒に朝練をする相手が、上杉以外のカースト上位メンバーだったならば、友愛にとっては
怖すぎて、怯える朝を過ごすことになっただろう。


友愛「そうだね。ところで、この箱、凄い重いたいんだけど、中には何が入っているの?」

さっきから2人は、学校の倉庫から出してきた重い箱を運んでいるのだが・・・


上杉「武器だ。」

友愛「武器?」



2人は、だだっ広い緑のグラウンドの、ちょうどど真ん中に箱を置いた。

そして、上杉はすぐに箱の扉を鍵で開ける。


上杉「とは言っても、本物じゃないけどね。」

なんと箱の中には、木刀と、ライフル銃、組み立て式のバズーカ砲、マシンガンが入っており、
友愛は目玉が飛び出そうなぐらい驚いた。


上杉「偽物だよ(笑) こいつらは空気が出るだけ。単なる空気砲さ。」

上杉は、箱の中から、バズーカ砲を取り出して、肩に乗せて構えた。

上杉「引き金をひけば、中から空気の塊が飛び出す仕掛けになっている・・・・だけど、その威力がヤバいんだ。」


と、言った瞬間・・・・


ポン!!


バズーカ砲の引き金が引かれ、大地がめり込んだかと思うぐらいの土煙がたち、空気の塊は飛んでいった。


上杉「まともに一発喰らえば、吹っ飛んでしまうほどの威力だ。まあ、死にはしないから、試合中に当たってしまったら、安心して気絶すればいい。たぶん動物相手に使っても、吹っ飛ぶほどの威力を持ってるだろうな。」

こわ~

上杉「こいつを使うのは、銃火器部隊の仕事だ・・・君は【神速走行】や【神波】が優れているから、恐らく機動力重視の刀剣部隊になる。」

友愛「元親は、どこの部隊なの?」


上杉「恐らく、君と同じ刀剣部隊だ。

初試合は小規模でやるらしいから16対16。

ちなみに僕らは、まだ子供だから、飛行機も操縦できないし、船も操縦できないから

・航空部隊
・海軍部隊

はない。

たぶん戦闘機操縦を授業で習うことができる4年生になってから、航空部隊などが部に設置されることになるだろうな。」


友愛「初試合って、対戦相手とかもう決まってるの?」


上杉「決まってはいないけど、恐らく【武】のクラスの部員たちとやることになるだろうな。

【戦争】は、他のクラスとの対抗試合が基本だ。

一年間、他クラス同士で対抗試合を繰り返し、最も勝利数が多かった2クラス同士で、3学期に頂点をかけて最終試合をすると、顧問の稲西先生から聞いた。」


ああ、顧問って稲西先生なんだ・・・・


上杉「【武】の担任は、ガチの戦争経験がある稲西先生だからな・・・【武】の生徒の中には、【神速走行】や【神波】の習得を終えた連中が、もう何人も出ているらしい・・・彼らも、もう入部が決まってる。まあ、友愛ほど早く習得できた奴はいなかったらしいがね・・・」


友愛「そう言えば、上杉は一番早く戦争部員になったらしいけど、なぜなの?そんなに早く【神足走行】とかを習得出来ちゃったの?」

友愛は、ちょっと疑問に思っていたことを聞いた。

奇跡的に早く習得できた自分より、もっと早く入部していた彼のことがちょっと気になっていたのだ。

上杉は少し困ったような顔をして・・・

上杉「あんまり詳しくは話せないことなんだけど、僕は、友達の親が道場をやっていてね。そこで、ずっと習っていたんだよ、【サムライ術】を・・・」

友愛「え?」


【サムライ術】って・・・・だって、秘伝の技でしょ?この学校でしか習えないんでしょ?

侍の特殊技術でしょ?

そんな凄いものを習える道場って一体??


上杉「友愛ほど上手くはないけど、入学前から【神足走行】や【神波】は多少はできていたんだ。」


上杉は、なんだかそれ以上聞かれたくなかったようなので、友愛は、突っ込まないことにした。


上杉「じゃあ、早速練習を始めよう! まずは、あれを練習台として使おう!」


上杉が遠く指を差したのは、校舎の本丸【江戸城】だった・・・・・・


友愛「江戸城で?一体、何をするの?」

上杉「もちろん、あそこの一番高い天守閣に登って、そこから地面へ飛び降りるのさ。」


は?何言ってんの?






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