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サムライ校での学園生活

最黒慈緑の正体

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骸骨のお面の不気味な黒服の暗殺者 と 凶悪殺人鬼【最黒慈縁】

という凶悪と凶悪の睨み合い・・・・・

なんとも不思議すぎる光景だ。


しばし、両者は微動だにせず、そのまま睨み合っていた

不気味な沈黙と殺気が漂っている・・・・・



しばらくすると、骸骨仮面の方が突然動き出し、そのまま猛スピードでその場から立ち去っていった。



最黒慈縁は、追いかけもせず、ポケットから無線機のようなモノを取り出し


「校長!校舎内に不審者発見!課題は中止させましょう!」


と言った。



友愛と麗太は、お互いに顔を見合わせ、一体何が起こっているのか?さっぱりわからない気持ちを共有した。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




【最黒慈縁(さいぐろじえん)】

真っ黒なスーツ姿の、その凶悪殺人犯は、なんとサムライ校の教師だったのだ。

つい1か月前まで、東京拘置所で死を待つ恐るべき死刑囚だったが

天道校長、またの肩書きを玄勇会の天道会長の一声で、なぜか死刑囚からサムライ校の教師へと転身したのである。

ちなみに担当教科は、【犯罪心理学】と【犯罪歴史学】。




友愛と麗太の2人は、最黒先生についていきながら彼に色々質問した。


友愛「じゃ、じゃあ・・・あなたは僕らの先生で・・・」

麗太「そして『最黒先生を捕まえろ』という課題は、校長が僕ら新入生を試すために始めたゲームってことですか?」


最黒「まあ、そんなところだ。」


どうやら、最黒先生の話によればこの課題は、校長が「新入生の勇気」を試すためのゲームだったらしい。

にしても、最黒先生の不機嫌そうな顔・・・・

当たり前だ。まるで子供と鬼ごっこするような、こんなふざけたゲームの的にされたんだから。



となってくると・・・あの骸骨の暗殺者ってなんなんだろう?


友愛は思った。


あの骸骨マスクの暗殺者は、始めは最黒先生だと思ったが違った。

最黒先生は、僕らを助けてくれた。

そして、骸骨から感じたあの雰囲気は、ロシア村で会ったあの黒い影の人物と同じだった・・・



友愛は、元殺人鬼という経歴を持つ最黒先生が怖かったが、気になっていたことを質問してみることにした。


友愛「あ、あの先生・・・村の家屋の壁に血がついていたんです・・・・」

最黒「血だと?」

最黒先生の目の奥が光る。


麗太「はい、それも多分ごく最近のやつだと思います・・・まだ乾いてなくて床に滴り落ちていたから、あそこで誰か何か危険な目にあったんじゃ・・・」


麗太のその言葉を聞くと、今まで冷静そうだった最黒の表情が急にひきつり始めた。


友愛「誰か危ない目にあってないか調査したほうがいいと思います。」


友愛が最黒に訴えかけるようにそう言う。


最黒「そんなこと君らの気にすることではない。」


最黒が吐き捨てるようにそう言った。

どうやら、最黒は何か知っているようだ。


友愛「何か知ってるなら教えてください!!」

麗太「そうですよ、現に僕らは危険な目にあったんですから。」



しがみつくように訴え問う友愛と麗太に ギラリと鋭い目を向ける最黒先生・・・・

最黒「質問タイムはこれまでだ。怪我もないようだし君たちも他の新入生諸君と合流し、これから始まる入学式に出席するんだ。」


そう言う最黒先生の表情は、恐ろしい形相だった。まさに人を殺す前の殺人鬼の顔・・・・・

物凄い殺気・・・・友愛と麗太は一気に血塗られた気分だった。

背中に寒気がゾゾゾと走る2人・・・・





最黒先生は早歩きで、2人より先に江戸城へ向かって行ってしまった。

あんな凶悪殺人犯が、これから自分たちの先生になるかと思うと、友愛と麗太は背筋の凍る思いだった。


天道校長はなんで、凶悪殺人鬼だった最黒慈緑を拘置所から出所させてサムライ校の教師として雇ったんだろう?

見るからに凶悪そうじゃん。元殺人犯を先生として雇うなんておかしくないか?



麗太「助けてもらって、失礼かもしれないけどさ。元殺人犯を先生にするなんて天道校長ってどうかしてるよ。」

友愛「うん・・・・・・・・・・・・」


元殺人鬼を雇うなんて、校長はどんな頭してんだ?と突っ込んでやりたい2人・・・・


麗太「それに最黒先生は、絶対怪しいよ。」

友愛「確かに・・・・」

壁の血の話をした瞬間に明らかに動揺していた・・・・怪しいと思わない方がおかしい・・・

そして、何より彼には元大量殺人鬼という経歴がある・・・・

疑いの塊みたいなもんだ。





麗太「それにしても、友愛さ。君凄いね。」

友愛「え?」

麗太「僕を助けようと、あの骸骨の仮面のナイフを蹴りで叩き落としたじゃん。どこで覚えたの?あんな凄いこと。」

友愛「僕もなんであんなことが出来たかわからないんだ。気づいたら勝手に動いてたっていうか・・・
普段は体育でも、運動神経悪くて周りの足を引っ張るんだけどさ」

麗太「じゃあ、誰かから、教えてもらったの?」

友愛「う~ん、そうじゃないと思うんだけど・・・」


友愛は、なんであんな超人的なことができたのか、必死に考えたが、咄嗟の反応としか結論
が出なかった。


麗太「でも、とにかくありがとうね。」


麗太は、心からの感謝を口にした。


友愛は嬉しかった。

始めてかもしれない、誰かのために何かしてお礼を言ってもらえる体験は。

それも命をかけて、人を守ることなんて友愛の平凡すぎた人生ではあり得ないことだった・・・

だけど友愛は、いまいち自分が麗太を守ったとは信じきれていなかった・・・

確かに友愛は麗太を守った。

しかし、あの時の超人的な身の動きは、見えない誰かが自分の身体に魔法をかけてやらせたような・・・
そんな気がする友愛だった。






次回、いよいよ入学式へ




作者のYouTubeチャンネルのリンクです。
今後、小説の映像化も試みようと思ってます。
よければ是非、立ち寄ってみてください。

https://www.youtube.com/channel/UCwOBvsCxcb4L1TnWjO1QZWg/videos





















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