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12歳の少年がサムライになれる学校へ
父の死の真相
しおりを挟む友愛「か、母さんなんでここに・・・」
突然、現れた母の紗江に友愛は驚きを隠せずにいた・・・・
紗江「母さんは佐竹さんと知り合いなの・・・いよいよ友愛にお父さんがどういう人だったかを話さなくてはならない時が来たみたいだから、佐竹さんに新潟まで連れてきてもらったの・・・・」
母さんのその言葉に佐竹さんはコクリと頷く。
え、えー!マジで?
母さんが、日本の法務大臣と知り合い、なぜ?
紗江「友愛、突然だけど落ち着いてね、お父さんは事故でなくなったわけじゃないの・・・殺されたのよ。」
母さんの衝撃的な発言に、友愛は頭が真っ白になる。
そして、一気に辺りの空気が重たくなった・・・・・
リリも佐竹さんも複雑そうな表情を浮かべ、うつむいている・・・・
父の小島冬樹は殺されて亡くなった・・・
友愛「ど、どういうこと・・・だって父さんは勤めていた会社の火災の事故で・・・」
紗江「ごめんね、今まで黙ってて・・・・あなたのお父さんは8年前に起きた【358アメリカ同時爆破テロ事件】の真相に深く迫りすぎて、殺されてしまったの・・・」
友愛「え!」
その瞬間、友愛の中であのビルが崩壊する夢と母さんの話が繋がった・・・
そうか、あの夢は有名な358テロの事件の場面だったんだ・・・・
で、でも真相に深く迫りすぎて殺されたってどういうこと?
紗江「友愛、あなたは記憶を無くしてるの・・・あのテロのせいでね・・・」
友愛「ぼ、僕が記憶を無くしてる?」
次から次へと流れる驚きの情報に、友愛の頭は混乱し始めた・・・
紗江「実はね。友愛と母さんと父さんはね、あのテロの時、テロリストの標的となった【世界平和センタービル】の中にいたの・・・・」
友愛「え?!」
紗江「あの時の出来事は今でも忘れられない・・・・・旅客機が追突してビルが爆発して崩壊して必死で逃げたわ・・・・多くの人が業火の中で焼け死んでいく姿、ビルの崩壊に飲み込まれていく人たち、どうせ死ぬんだとビルから飛び降りる人たち、いろんな人の死を目の当たりにしたわ。幸い母さんも父さんも友愛を連れて、なんとか逃げ切って助かったけど、その時の友愛はあまりに悲惨な現場を見たせいか、ショックが大きすぎて多くの記憶を失ったの、そして日本に帰国した私と父さんは相談して決めたの。あのような辛すぎる体験をわざわざ思い出させる必要はない、友愛には何も知らせず、幸せに生きてもらおうと・・・・黙っていて悪かったけど、母さんみたいに、後でトラウマになってあの時が夢に出てくるぐらいならその方が良いと思ったの・・・」
母さんも夢で苦しんでたんだ・・・
紗江「日本に帰ってきた後、父さんはなぜかテレビで報道されているテロの映像をビデオテープに保存して何度も何度も巻き戻して、見ていたわ。その様子はあまりに不思議だった、。友愛もくっついて見ていたわね・・・・・そのテロを自分が体験したことは思い出せていなかったみたいだけど・・・」
そうか、夢でビルの中の様子を見れていたのは、実際に事件を体験していたから・・・
夢でビルの外を見れていたのは、父さんと見ていたビデオテープの映像なんだ。
紗江「それからしばらくしたある日、父さんは出張に出かけてくると言ってその3日後に殺されたの・・・・その時母さんは始めて知ったの、父さんはスパイの仕事をしていたと・・・・」
友愛「ス、スパイ?」
紗江「そう、父さんは【玄勇会】と呼ばれる大きな組織の一員で、秘密裏に色んな所に潜り込んでいたらしいの・・・」
友愛は何が何だかわからなくなった・・・父さんがあの憧れのスパイをしていた・・そしてそのせいで死んだ・・・
紗江「玄勇会という組織は、日本を守るために活動している団体なの・・・そのため構成員たちは政界、財界など各界に潜り込み活動してるの。だから玄勇会のメンバーだった父さんも警察に巣食う悪を取り除こうと情報収集や工作活動をしていた。そう、あの日358テロの時も父さんは【世界平和センタービル】で貿易ビジネスマンに変装して、アメリカの貿易に関する情報を収集していたの。そしてあの事件が起きた。父さんは帰国してから事件の映像のビデオテープを何度も再生して調べ直していたわ。そして、何か【不審な点】に気が付いたみたいなの、その不審な点について調べるため、父さんは対外情報に詳しい日本の公安警察の【ZERO】という組織に潜り込んだのよ。」
友愛「ZERO?」
紗江「ZERO(ゼロ)、全国の公安警察をまとめる警察庁の組織よ。公安警察とは国家体制を脅かすような事件を秘密裏に未然に防ぐスパイのような警察よ。」
友愛「その公安警察のボスの部署に父さんが潜入していたんだ・・・」
紗江「ええ、いわば日本の治安や安全保障の頭脳であり、あらゆる犯罪情報の宝庫だから。だけど当時はある人物が日本警察を牛耳り腐らせていた時代だったから父さんは上手く情報を手に入れることができなかったの。」
友愛「その人物って?」
佐竹さん「そこからは、私が話そう。」
佐竹さんが母さんの代わりに話し始めた。
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