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「俺はじんくんのこと……考えてるけど、でも……それは……」

 自分でもこの感情がなんなのかわからなくて、しばらく言い淀んでいると、神くんが痺れを切らしたように口を開いた。

「会長、何で今日、僕が隠れてたかわかります?」

 突然、話が切り替わって俺は益々混乱してしまう。
 神くんは一体何を言い出そうとしているのだろうか。

「そんなのわかんないよ……」

「また会長と遊ぼうと思ってたんです」

 言いながら、神くんが形の良い瞳をニッコリ細めた。
 神くんの言う“遊ぶ”はいつも性的なことを強要されることだったから、俺は途端に警戒心を強めるが──。

 気付いた時にはまたいつかのように神くんに壁に押し寄せられていて。
 すぐに口付けられ抵抗を許さないとばかりに、舌が無理やり唇を割り、俺の舌を絡め取って粘着質に巻き付いては離れ、巻き付いては離れを繰り返す。

   上顎をじっとりと舐められると思わず声が漏れた。

「んっ、ぅ」

 口付けを解かないままにブレザーのボタンが開けられていき肩からバサッと床に落ちた。もう何度、目にしたかわからないその光景を霞む視界で捉える。
 ネクタイが引き抜かれ、シャツのボタンが外されていく。

 解かれた口付けから涎が垂れて、神くんの伸ばした舌がそれを顎から掬いあげた。

 散々、神くんに飼いならされた俺の身体はすぐに反応を始めて。
 胸の飾りを捩じるように押し潰されれば、すぐにそこは芯を持って主張し「ぁっ、ん」と小さな喘ぎ声がこぼれる。

「会長、今日はね、会長が喜ぶもの持って来ましたよ?」

 俺が喜ぶもの? 涙目で神くんの瞳を見つめるとニッコリ笑っていて。
 その瞬間、ベルトが外されてスラックスと下着を足首までずり下げられる。

 神くんがブレザーのポケットから何かスティック状のシリコン製の細い棒を取り出した。それを見た俺は未知なるものに全身が粟立つ。

 笑みを壊さないままの神くんが「カテーテルです。会長、この間のゼリーすっごく悦んでたでしょ? きっともっと気持ちいいですよ?」と言った。

 意味がわからなくて声すら出なかった。
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