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スタジオを出た俺は真夜くんと宇大さんのマンションに呼ばれて、すぐにタクシーで駆けつけた。
「聖くん、大丈夫か? 呼びつけて悪かったな。聖くんも辛いだろうけど俺も辛いし……何より真夜が酷く落ち込んでてな。話し相手になってやって欲しくて」
言われるがままリビングに促されると、真夜くんはローソファの上でクッションを抱えながら蹲っていて、そのブラウンの瞳は真っ赤に染まっていた。
「真夜くん……」
俺の姿を確認した真夜くんはゆっくりと顔を上げて「聖くんは……本当に疫病神なの?」と、静かに声を発した。
「真夜! 何を言ってる!」
宇大さんが諌めると、真夜くんは再びクッションに顔をうずめて、「時也さんが死んじゃったらどうしよう」と涙声で鼻を啜った。
「俺、最後に時也さんが運ばれていくとこ見た。早く逃げればいいのに、俺なんか一目散に逃げたのに……時也さんは客のために最後まで残って全員避難させた。あの人は本当に覇王だよ。絶対に、死なないよね……?」
「ごめん……俺のせいだよ。でも――俺は時也さんを信じるって決めた。時也さんなら、俺の疫病神ごと覆してくれるって信じることに決めた。意識はないのかもしれないけど、でも死んでない。これって時也さんが俺を疫病神にしないように頑張ってくれてるって思いたいんだ」
黙って話を聞いていた宇大さんが、静かな声で「真夜、わかるか?」と真夜くんの隣に腰掛けて肩に手のひらを置いた。
「時也さんはこんなことで死ぬようなタマじゃない。聖くんも真夜も置いて行ったりなんて絶対にしない。俺は時也さんは必ず目覚めるって信じてる。真夜も信じろ。聖くんが辛いなか前向きに信じてるのに……わからないか? めそめそするのはもうやめろ」
「……聖くん。絶対に時也さんを連れていかないよね?」
「真夜、いい加減にしろ。一番辛いのは聖くんだ。聖くんに八つ当たりしたって時也さんは目覚めん」
「だって! こんなの! 俺だって疫病神なんて言いたくないよ!? でも実際に時也さんがこんなことに!」
(責められても当然だ……)
と――。
ポケットの中でスマートフォンが振動してディスプレイを覗き込んだら、『父さん』と表示されていた。
(美聖にも何か……?)
亜美さんの言葉で前を向こうと思ったけれど、真夜くんを傷付け、そして美聖に何があったんだろう。
受話器マークをタップする指がわずかに震えた。
スタジオを出た俺は真夜くんと宇大さんのマンションに呼ばれて、すぐにタクシーで駆けつけた。
「聖くん、大丈夫か? 呼びつけて悪かったな。聖くんも辛いだろうけど俺も辛いし……何より真夜が酷く落ち込んでてな。話し相手になってやって欲しくて」
言われるがままリビングに促されると、真夜くんはローソファの上でクッションを抱えながら蹲っていて、そのブラウンの瞳は真っ赤に染まっていた。
「真夜くん……」
俺の姿を確認した真夜くんはゆっくりと顔を上げて「聖くんは……本当に疫病神なの?」と、静かに声を発した。
「真夜! 何を言ってる!」
宇大さんが諌めると、真夜くんは再びクッションに顔をうずめて、「時也さんが死んじゃったらどうしよう」と涙声で鼻を啜った。
「俺、最後に時也さんが運ばれていくとこ見た。早く逃げればいいのに、俺なんか一目散に逃げたのに……時也さんは客のために最後まで残って全員避難させた。あの人は本当に覇王だよ。絶対に、死なないよね……?」
「ごめん……俺のせいだよ。でも――俺は時也さんを信じるって決めた。時也さんなら、俺の疫病神ごと覆してくれるって信じることに決めた。意識はないのかもしれないけど、でも死んでない。これって時也さんが俺を疫病神にしないように頑張ってくれてるって思いたいんだ」
黙って話を聞いていた宇大さんが、静かな声で「真夜、わかるか?」と真夜くんの隣に腰掛けて肩に手のひらを置いた。
「時也さんはこんなことで死ぬようなタマじゃない。聖くんも真夜も置いて行ったりなんて絶対にしない。俺は時也さんは必ず目覚めるって信じてる。真夜も信じろ。聖くんが辛いなか前向きに信じてるのに……わからないか? めそめそするのはもうやめろ」
「……聖くん。絶対に時也さんを連れていかないよね?」
「真夜、いい加減にしろ。一番辛いのは聖くんだ。聖くんに八つ当たりしたって時也さんは目覚めん」
「だって! こんなの! 俺だって疫病神なんて言いたくないよ!? でも実際に時也さんがこんなことに!」
(責められても当然だ……)
と――。
ポケットの中でスマートフォンが振動してディスプレイを覗き込んだら、『父さん』と表示されていた。
(美聖にも何か……?)
亜美さんの言葉で前を向こうと思ったけれど、真夜くんを傷付け、そして美聖に何があったんだろう。
受話器マークをタップする指がわずかに震えた。
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