25 / 35
第1章 学院入学編
25話 セレーネ視点
しおりを挟む未だかつて無い程に帝国は二分されています
皇族貴族は平民のためにと民を思う皇帝派と貴族至上主義を掲げる貴族派です。
その貴族派を率いているのは間違いなく第二皇子のダラン御兄様であると私は考えます。
文官の支持があり皇帝の意思を継ぐ第一皇子ライル御兄様と武官からの支持がある第二皇子ダラン御兄様の帝位争いは年々激しさを増してきておりライル御兄様を支持している私がダラン御兄様からしたら邪魔なのでしょうね。
だからこの襲撃に乗じて私を殺そうということですのね御兄様。
本来なら行ってはいけないと分かっています。
ですが私は学院での爆発音の後学院が混乱している中ある演習場にきていた。
「ほんとに来てくれたんですね王女様」
「リュカ!」
「セレーネ様!何故来られたのですか!?」
目の前には3人、オルタ・ニグブル、捕らえられたリュカとその後ろに革命軍の男が剣をリュカに突きつけていた。
「貴方達の目的は私を殺す事でしょ!言う通りきたのだからリュカを離しなさい!」
「おっと小細工されても面倒なんてこれを首につけてもらえますか?」
ニグブルはそう言って鉄製の首輪を私に投げ寄越す。これは魔力封じの首輪!?
「それをつけたら解放しますよ」
「分かった付けるわ」
隙さえできれば──
「セレーネ様付けてはなりません!今すぐ逃げて下さい!」
リュカの必死の叫びにも返答せず私は首輪をつけた。
「さぁ付けたわよリュカを解放して」
「ハハハハァ、皇族とあろう者が従者一人の為にほんとにここまでするとはな」
初めから奴らに解放する気がないのは分かってる。でもあと少し気を反らせれば──
「言う通りにしたでしょ!早く!」
「放すわけないでしょこの現場をみられといて」
私の絶望した顔に更にオルタや剣を突きつけていた男も笑いが止まらない。
──いまだ
突如、リュカの真下に魔法式が構築され地面からリュカを円柱で守るように魔法が発動する。
丁度リュカに手を伸ばしていた襲撃者の腕はその円柱を跨いでおり魔法発動と共に腕が切り落とされる。
「ギャァァァ!?う、うでがぁぁぁ!」
「遅延型の魔法式だと!?」
「リュカ!今よ!こっちに!」
相手が魔法に釘付けになっている間にリュカは私の方へと駆け寄ってくる。
「セレーネ様──」
「説教なら後で聞くから!今はここから逃げる事が先よ!」
使い魔で居場所は伝えて置いた後は助けが間に合うまで持ちこたえなければ。
魔力は封じられたけどそこらじゅうに遅延型の魔法は仕込めた今のうちに──
「リュカ!」
リュカを連れて私は校舎の方へと走り出す。
遅延型の魔法で足止めにはなっているが距離は段々と縮まる。
「逃げ切れると思ったか!」
肉薄していたニグブルのテリトリーに入った。
──後ろに避けて
微かに聞こえた声でも確実に聞こえた声
私は無理やり身体を動かし後ろに飛ぶ。元いた所にもすぐさま魔法式が構築され地面から氷牙が形成されニグブルの腕を貫く。
「グァァ!」
「チッ、身体ごと貫くつもりだったのに」
まさにベストタイミングで現れたのは私の親友でもあるリリスだった。
「セレーネ無事だったようね」
「ナイスタイミングねリリス」
「邪魔が入ったか!」
「漆黒刃!」
「風の疾槍」
ニグブルとリリスの魔法がぶつかりあう。
幾度かの魔法合戦が繰り広げられ
「チッ互角か」
「はぁ!?あんたなんかと互角扱いとか嫌なんだけど」
「気流圧殺」
リリスの放った魔法が気流を操作しニグブル目掛けて下降し地面に這いつくばせる。
「そのまま気圧で手足を折って戦闘不能にさせる。後でたっぷり話聞かせてもらうわ」
「くそがくそがくそが!俺を倒した気か俺を見下してるんじゃない」
ニグブルは上着ポケットから小さな注射器を取り出すと迷いなくそれを首筋に打ち出す。
「彼は何を打ったの!?」
「分からないでもろくな物じゃないでしょうね。気を抜かないで!圧を強めて今すぐ戦闘不能にす──」
「ウ``ォォァァァァ!!」
まるで獣の叫び声
ニグブルから魔力が吹き出しリリスの魔法を打ち破る。
ニグブルの身体は変色していき異形な形に変化していく
──まるで魔物のような
「リリスこれやばいでしょ」
「生け捕りはなし、殺す気で行く!」
リリスは間髪入れずに魔法を放っていく
宣言通り殺すつもりで
「効かな──ッ!突風」
魔法を諸共せず突っ込んできたニグブルを避けるためにリリスは突風を放ち私たちごと後方へ避難する。
「かなり硬いわね。仕方ないやるしかないわね」
「リリスなにを──」
私はその時リリスという秀才いや神童としての凄さを改めて思い知る。
「五重魔法式展開!?」
魔法式をただ五つ展開してるのではない重ねているのだ五つの魔法を一つにするつもりだなんて。そんな魔法聞いたこともない──
それにこの魔力量に規模からみて戦闘級じゃない戦術級の魔法!?そんなものをここで──
「滅せよ五星剣!」
リリスが振り上げていた腕を振り下ろすと同時に魔法式の下に光がおりるそれは極光。
極光の降り注いた後には何も残っていない。
ただ魔法式と同じ大きさ直径10m程の底の見えない奈落のようなクレーターだけが出来ていた。
0
お気に入りに追加
28
あなたにおすすめの小説
修行マニアの高校生 異世界で最強になったのでスローライフを志す
佐原
ファンタジー
毎日修行を勤しむ高校生西郷努は柔道、ボクシング、レスリング、剣道、など日本の武術以外にも海外の武術を極め、世界王者を陰ながらぶっ倒した。その後、しばらくの間目標がなくなるが、努は「次は神でも倒すか」と志すが、どうやって神に会うか考えた末に死ねば良いと考え、自殺し見事転生するこができた。その世界ではステータスや魔法などが存在するゲームのような世界で、努は次に魔法を極めた末に最高神をぶっ倒し、やることがなくなったので「だらだらしながら定住先を見つけよう」ついでに伴侶も見つかるといいなとか思いながらスローライフを目指す。
誤字脱字や話のおかしな点について何か有れば教えて下さい。また感想待ってます。返信できるかわかりませんが、極力返します。
また今まで感想を却下してしまった皆さんすいません。
僕は豆腐メンタルなのでマイナスのことの感想は控えて頂きたいです。
不定期投稿になります、週に一回は投稿したいと思います。お待たせして申し訳ございません。
他作品はストックもかなり有りますので、そちらで回したいと思います
死んで全ての凶運を使い果たした俺は異世界では強運しか残ってなかったみたいです。〜最強スキルと強運で異世界を無双します!〜
猫パンチ
ファンタジー
主人公、音峰 蓮(おとみね れん)はとてつもなく不幸な男だった。
ある日、とんでもない死に方をしたレンは気づくと神の世界にいた。
そこには創造神がいて、レンの余りの不運な死に方に同情し、異世界転生を提案する。
それを大いに喜び、快諾したレンは創造神にスキルをもらうことになる。
ただし、スキルは選べず運のみが頼り。
しかし、死んだ時に凶運を使い果たしたレンは強運の力で次々と最強スキルを引いてしまう。
それは創造神ですら引くほどのスキルだらけで・・・
そして、レンは最強スキルと強運で異世界を無双してゆく・・・。
ごめんみんな先に異世界行ってるよ1年後また会おう
味噌汁食べれる
ファンタジー
主人公佐藤 翔太はクラスみんなより1年も早く異世界に、行ってしまう。みんなよりも1年早く異世界に行ってしまうそして転移場所は、世界樹で最強スキルを実でゲット?スキルを奪いながら最強へ、そして勇者召喚、それは、クラスのみんなだった。クラスのみんなが頑張っているときに、主人公は、自由気ままに生きていく
勇者に幼馴染で婚約者の彼女を寝取られたら、勇者のパーティーが仲間になった。~ただの村人だった青年は、魔術師、聖女、剣聖を仲間にして旅に出る~
霜月雹花
ファンタジー
田舎で住む少年ロイドには、幼馴染で婚約者のルネが居た。しかし、いつもの様に農作業をしていると、ルネから呼び出しを受けて付いて行くとルネの両親と勇者が居て、ルネは勇者と一緒になると告げられた。村人達もルネが勇者と一緒になれば村が有名になると思い上がり、ロイドを村から追い出した。。
ロイドはそんなルネや村人達の行動に心が折れ、村から近い湖で一人泣いていると、勇者の仲間である3人の女性がロイドの所へとやって来て、ロイドに向かって「一緒に旅に出ないか」と持ち掛けられた。
これは、勇者に幼馴染で婚約者を寝取られた少年が、勇者の仲間から誘われ、時に人助けをしたり、時に冒険をする。そんなお話である
追放?俺にとっては解放だ!~自惚れ勇者パーティに付き合いきれなくなった俺、捨てられた女神を助けてジョブ【楽園創造者】を授かり人生を謳歌する~
和成ソウイチ
ファンタジー
(全77話完結)【あなたの楽園、タダで創ります! 追放先はこちらへ】
「スカウトはダサい。男はつまらん。つーことでラクター、お前はクビな」
――その言葉を待ってたよ勇者スカル。じゃあな。
勇者のパワハラに愛想を尽かしていたスカウトのラクターは、クビ宣告を幸いに勇者パーティを出て行く。
かつては憧れていた勇者。だからこそここまで我慢してきたが、今はむしろ、追放されて心が晴れやかだった。
彼はスカルに仕える前から――いや、生まれた瞬間から決めていたことがあった。
一生懸命に生きる奴をリスペクトしよう。
実はラクターは転生者だった。生前、同じようにボロ布のようにこき使われていた幼馴染の同僚を失って以来、一生懸命に生きていても報われない奴の力になりたいと考え続けていた彼。だが、転生者であるにも関わらずラクターにはまだ、特別な力はなかった。
ところが、追放された直後にとある女神を救ったことでラクターの人生は一変する。
どうやら勇者パーティのせいで女神でありながら奴隷として売り飛ばされたらしい。
解放した女神が憑依したことにより、ラクターはジョブ【楽園創造者】に目覚める。
その能力は、文字通り理想とする空間を自由に創造できるチートなものだった。
しばらくひとりで暮らしたかったラクターは、ふと気付く。
――一生懸命生きてるのは、何も人間だけじゃないよな?
こうして人里離れた森の中で動植物たちのために【楽園創造者】の力を使い、彼らと共存生活を始めたラクター。
そこで彼は、神獣の忘れ形見の人狼少女や御神木の大精霊たちと出逢い、楽園を大きくしていく。
さらには、とある事件をきっかけに理不尽に追放された人々のために無料で楽園を創る活動を開始する。
やがてラクターは彼を慕う大勢の仲間たちとともに、自分たちだけの楽園で人生を謳歌するのだった。
一方、ラクターを追放し、さらには彼と敵対したことをきっかけに、スカルを始めとした勇者パーティは急速に衰退していく。
(他サイトでも投稿中)
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。
転移した場所が【ふしぎな果実】で溢れていた件
月風レイ
ファンタジー
普通の高校2年生の竹中春人は突如、異世界転移を果たした。
そして、異世界転移をした先は、入ることが禁断とされている場所、神の園というところだった。
そんな慣習も知りもしない、春人は神の園を生活圏として、必死に生きていく。
そこでしか成らない『ふしぎな果実』を空腹のあまり口にしてしまう。
そして、それは世界では幻と言われている祝福の果実であった。
食料がない春人はそんなことは知らず、ふしぎな果実を米のように常食として喰らう。
不思議な果実の恩恵によって、規格外に強くなっていくハルトの、異世界冒険大ファンタジー。
大修正中!今週中に修正終え更新していきます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる