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「ある生徒の報復」
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私のクラスではいじめがある。
ある女子生徒から相談を受けた。
クラスの数人から嫌がらせをされていると。
私は、その子に『気のせいなんじゃない?』と言った。
その生徒に対して、小さな嫌がらせがあることは、私も前々から知っていた。
だけど、いじめている子達のことを、私は好きだったし、注意するのも嫌だった。
自分のクラスでいじめがあることを大ごとにしたくなかったし、見てみぬふりをして、過ごしたかった。
なのに、この生徒は、私に相談なんてしてきて……。
私の平穏な教師生活に水をさすようなことを……。
なので、私は『気のせいなんじゃない?』と言ったのだ。
気が弱いこの生徒のことだから、諦めることだろう。
帰宅後。
今日もあの子からLINEがきていた。
あの子とは、いじめをしている中心人物。
よく連絡くれるから、可愛いのよね。
クラスの中心にいるから、私のこともみんなに良く言ってくれてるし……。
この子に、いじめのことで注意なんて出来ないわよ。
少し横になったら、なんだか眠くなってしまった。
私は、そのまま目を瞑った。
ふと気付くと、私は崖にいた。
崖の縁に手をかけて、なんとか掴まっている状態……。
下を見るとそこは深い闇だった……。
死ぬと思った。
手を離したら、確実に終わる……。
頭上で足音がしたので、見上げると、私の生徒がいた。
「助けて!!橋本さんっ!!」
私は叫んだ 。
「なんで助けないといけないんですか?」
目が冷たかった。
「見て分かるでしょ!?このまま落ちたら、先生死ぬの!あなたなら助けてくれるわよね??」
「なんで先生が死ぬからって、助けないといけないんですか?」
「はっ?」
「先生は私を助けなかったのに、なんで私は、先生を助けなきゃといけないんですか?」
「人が危険な状態になってて、助けないなんておかしいでしょ!!?早くしてっ!!」
「先生は、私が苦しんでたのを見て見ぬふりをしてましたよね?そんな態度をしておいて、助けてくれなんて、おかしくないですか?」
「あんないじめ位では、死なないでしょ!私は今、危険な状態なの!!助けなさいっ!!」
「私だって、危険な状態でしたよ?言いましたよね?死にたい位辛いって?」
「……私を助けたらなんとかしてあげるから!!私を今は助けなさい!!」
「あなたの言葉は、もう信じない」
橋本さんの目は、今まで見たことがないくらい、冷たかった。
「先生、問題です。先生はこの後、どうなるでしょう?」
「ねぇ……。これ、夢よね……?夢よねぇっ!??」
「……さぁ……どうでしょう?」
私の記憶はそこからない。
ある女子生徒から相談を受けた。
クラスの数人から嫌がらせをされていると。
私は、その子に『気のせいなんじゃない?』と言った。
その生徒に対して、小さな嫌がらせがあることは、私も前々から知っていた。
だけど、いじめている子達のことを、私は好きだったし、注意するのも嫌だった。
自分のクラスでいじめがあることを大ごとにしたくなかったし、見てみぬふりをして、過ごしたかった。
なのに、この生徒は、私に相談なんてしてきて……。
私の平穏な教師生活に水をさすようなことを……。
なので、私は『気のせいなんじゃない?』と言ったのだ。
気が弱いこの生徒のことだから、諦めることだろう。
帰宅後。
今日もあの子からLINEがきていた。
あの子とは、いじめをしている中心人物。
よく連絡くれるから、可愛いのよね。
クラスの中心にいるから、私のこともみんなに良く言ってくれてるし……。
この子に、いじめのことで注意なんて出来ないわよ。
少し横になったら、なんだか眠くなってしまった。
私は、そのまま目を瞑った。
ふと気付くと、私は崖にいた。
崖の縁に手をかけて、なんとか掴まっている状態……。
下を見るとそこは深い闇だった……。
死ぬと思った。
手を離したら、確実に終わる……。
頭上で足音がしたので、見上げると、私の生徒がいた。
「助けて!!橋本さんっ!!」
私は叫んだ 。
「なんで助けないといけないんですか?」
目が冷たかった。
「見て分かるでしょ!?このまま落ちたら、先生死ぬの!あなたなら助けてくれるわよね??」
「なんで先生が死ぬからって、助けないといけないんですか?」
「はっ?」
「先生は私を助けなかったのに、なんで私は、先生を助けなきゃといけないんですか?」
「人が危険な状態になってて、助けないなんておかしいでしょ!!?早くしてっ!!」
「先生は、私が苦しんでたのを見て見ぬふりをしてましたよね?そんな態度をしておいて、助けてくれなんて、おかしくないですか?」
「あんないじめ位では、死なないでしょ!私は今、危険な状態なの!!助けなさいっ!!」
「私だって、危険な状態でしたよ?言いましたよね?死にたい位辛いって?」
「……私を助けたらなんとかしてあげるから!!私を今は助けなさい!!」
「あなたの言葉は、もう信じない」
橋本さんの目は、今まで見たことがないくらい、冷たかった。
「先生、問題です。先生はこの後、どうなるでしょう?」
「ねぇ……。これ、夢よね……?夢よねぇっ!??」
「……さぁ……どうでしょう?」
私の記憶はそこからない。
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