暖炉が好きなシンデレラ

ねね

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1 お嬢さま、ヒマになる

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 昔々あるところに、大きなお屋敷がありました。お屋敷には旦那さまと奥さまと、小さな女の子が暮らしていました。

 使用人はお屋敷に暮らしていないのか?

 そこはあえて突っ込まずにスルーして下さい。ここでは彼らはカウントされないと、まあそういう事なのです。

 やがて奥さまは病気で死んでしまいました。あとに残された女の子は、それはそれは大層、ものっっっすごくヒマになりました。

 ☆ ☆ ☆

「どうしよう。
 や、やることが、ない……っ。」

 女の子は六歳です。六歳のお嬢さまがやることと言ったら、何でしょうか。

 お庭を果てしなく駆け回ること?後ろ向きに階段を降りること?

 横向きでスキップして、どこまで行ったら木にぶつかるか試してみること?

 それとも川の中に足を突っ込んで、ヒルに血を吸われるまで絵本を読み続けることでしょうか。

 何匹釣れたか最高記録に挑戦してみても良いですね。足は、痒くなりますが……。

 そんなアホなことを全部やっても時間は余ります。それほどまでにヒマなのです。

 どうしてそんなにヒマなのか。

 奥さまが生きていた頃は、女の子は彼女とお喋りをして時間を潰せておりました。

 けれど奥さまが亡くなってから、彼女の代わりになってくれる人は誰もいないのでした。

 使用人たちは、あまり長く女の子とお喋りをしてくれません。旦那さまは、そもそも普段はお屋敷にいないため戦力外です。

 女の子があまりに幼いので、お仕事やお勉強はまだ彼女の世界に現れてもいません。

 つまり、やることがないのですよ。

 もし、この状態が続いていたなら。女の子はそのうち、ずーっとご飯を食べ続けて太るか、ずーっと眠り続けて足を悪くしたかもしれませんね。

 なにしろ彼女は、目的もなく己を律して規則正しい生活をおくれるような、そんな立派な人間ではないのですから。

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