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第二部 エリミア編

83 疑念

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 シュリオンは怒鳴った

「蘇生させるのは禁忌行為だ!父さんの時も、それは出来なかった!それに、フェーナは自殺したんだ!生き返らせても辛いだけだろ!」

「だったら、どうしてまだ、蘇生措置がこの世に残ってるんだよ!誰かを生き返らせたいと思ってる奴が、存在するからだろ?それに、フェーナが生き返って、死にたいと望んでも、そうはさせない!」

「フェーナの遺体は、夫である俺が引き取る」

「フェーナは、僕の家族でもある!」

「蘇生は許可できない!この世の誰にも!」

「生き返らせるのが無理なら、クローンを作成する!」

「・・・イカれてる」

「お前も、フェーナとまだ居たいだろ?」

「クローンも!禁忌行為だ!」

「誰にも許可出来ないものは、トップが許可すればいい」

「勝手に許可できるわけないだろ!」

「だったら・・・」

「何だよ!・・・言えよ!」

「トップを変えるまで・・・」

 ガルクは、そう言い残すとスミと共に空間移動した

「おい!待て!」

 シュリオンは、ガルクに意味を聞こうとしたが遅かった



 スミは帰ってくるなり、ガルクの胸ぐらを掴み、壁に押し当てた

「何すんだ?!」

「あなたこそ、何してるの?!」

「は?」

「何で、宣戦布告したの?せっかくの準備が台無しになったじゃない!」

「僕はただ・・・」

「フェーナちゃんは生き返らない!さっきの感情的になっての宣戦布告は、無意味よ!」

「許せ。スミ」

 スミはガルクを壁に押さえつけるのをやめた

「一つ疑問に思ったことがある。フェーナは自殺したりしない」

「それはあなたの・・・」

「まぁ聞け。この前、アクトをフェーナに会わせた。だが、アクトはフェーナに見つけられ、一緒に育てたのに、懐いていなかった」

「それが?」

「フェーナ本人じゃなかったなら?」

 ガルクは自分がそうとうブッ飛んでることを言ってるのが分かっていた

「は?死んだのはフェーナちゃんじゃない?」

「フェーナに誰かが成り済ましてると思って、調べてる矢先に自殺だ」

「けど、映像を見たじゃない!」

「シュリオンの幻術だった可能性もある」

「ガルク。無理やり繋げ過ぎよ。そんなことあるわけないじゃない!」

「だが、否定することもできない」

「肯定はもっとできないわ!仮にフェーナちゃんじゃなかったとして、シュリオンが幻術を見せる意味がないでしょ?」

「フェーナに生き返られることをそうとう拒絶していた」

「それは、フェーナちゃんを思ってでしょ。それに、禁忌行為はやってはいけないから」

「少し、一人になる」
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