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第二部 エリミア編
63 フェルムス入隊
しおりを挟む「けどさ、今年のフェルムス入隊者が三人もいるって、すごくない?!」
ドードルがガルクとフィオルに言った
「確かに、例年一人。二人いたら、奇跡と言われるはずだもんな」
「普通に学校生活を送ればそうでしょうが、僕らは学年をわざと合わせましたよね?それが、原因では?」
「フィオル。痛いところを言うなよ。確かに、わざと合わせたから例年より多いはずだよな。必然の入隊」
「ドードル。必然の入隊という言葉はピッタリだ。三人とも、リンドルズ学校での単位は自力だが、フェルムスの入隊はコネだもんな」
ガルクの言葉に、フィオルとドードルは少し赤くなった
「ドードルは、単位取んなくてもクルトナ家だから入れるし。フィオルはリンドルズ学校のテロでフェルムスと仲良くなってるから加点だ。そして、僕は唯一王の息子だから余裕」
「確かに。もしかしたら、僕らって史上最悪の新人になるかもしれませんね」
「あれだろ?誰だよ!あの使えない新人を採用してきた奴は!になりかねないわけだ」
「僕らも問題だが、もっとヤバいのはあっち」
フィオルがシュリオンとフェーナを指差した
「シュリオンは馬鹿だから、唯一王を目指すと思ってたけど。フェーナは何がしたいんだ?」
「フェーナを一番知ってるのは君だろ?」
「そうなんだけど。僕はてっきり、教育者にでもなりたいのかと思ってた」
「次の選挙いつだっけ?」
「一年後」
「落ちたら、笑ってやるか」
「ところで、アクトはどうするの?フェルムスに連れていくの?」
「もちろん。アイリンもアクトの利便性は知ってる。歓迎してくれるんじゃないか?」
「来週から働くのか~。僕らって史上最年少の隊員?」
「いや、ドードルの歳で2番目だ」
リンドルズ学校での日々はガルク達にとって、かけがえのない物だった。そして、卒業してフェルムスに入隊する日がやって来た
アイリン・クルトナが今年の新入りを見て、顔がピリついてる
「ついに、この日が来てしまった・・・。フェルムスも終わりだな」
「新世代に不安?若すぎた?」
「いや、馬鹿三人と、そのペットが同時に入隊なんて、誰が面倒みるんだよ」
横に並んでるドードル、フィオル、ガルクとアクトを見て絶望してる
「父さん。何で採用したんだよ」
「成績は申し分なく、実績もある。そして、私がよく知ってる人物だから、つい・・・」
「この人が隊長で、よく今までやってこれたな」
ガルクがボソッと言ったことを、フィオルがビシッと頭を叩いた
「早速、新入りに凶悪犯でも捕まえてきてもらうか・・・」
アイリンは空中で手を操作した
「名前はヨーデル。こいつを捕まえてこい。殺すの禁止な」
空中に老人の姿が浮かび上がった
「窃盗の常習犯。逃げ足が異常に速くて、住所不定。早速、初任務が大物だ」
アイリンが三人の方を見た。しかし、ガルクはその場で眠り。ドードルは部屋から消えていて、フィオルは真面目に聞いていたが、アクトにじゃれつかれて、集中できていなかった
「ガルク、起きろ!ドードル!戻ってこい!アクト、やめろ。フィオル、話聞いてたか?」
「はい」
「じゃあ、二人と一匹連れて逮捕してこい」
「了解」
フィオルは、眠そうなガルクを引っ張り、ドードルを捜しに行った。アクトはガルクの肩に止まった
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