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第二部 エリミア編

49 父と当主

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 リンドルズ学校の湖畔に戻ってきたガルク達三人は、話し合いをしだした

「ガルク。ドードルをどうみる?」

「え?ドードル?」

 アイリン・クルトナはガルクを真剣に見てる

「その質問の意図が分からないのですが・・・。逆に父親のあなたは、何を感じてるのですか」

 ガルクが質問を返した

「質問の意図か・・・。私、アイリン・クルトナとしての意見は、ドードルは弱い。その上、心に大きな闇があると思う」

「けど、それはあなたのせいでも・・・」

「最後まで聞け。アイリン・クルトナしての意見はそうだが。父親としての意見は、環境さえ違えば、クルトナ家の誰よりも正義感が強く育ったはず。だが、私のせいで正義感の行き場が無くなり、闇を取り込んでしまっている」

「それで、僕が彼から闇を感じたのかということですね?」

「そうだ」

「感じませんでしたよ。能力上、人の感情には、特に負の感情は敏感に感じることができますが。彼からは、あまり感じませんでした」

「老人の意見。いいですか?」

 ネオルノ先生が割り込んできた

「どうぞ」 

「彼を、リンドルズ学校に入学させては?」

「いいね!」

「いや、ダメだ。私のような学校生活を送ってほしくない」

「あなたの学校生活は、ガルーダがいたから、マシだったのでしょう。しかし、ガルーダもその頃まだ無名。アイリンの本当の友達はガルーダ以外いなかった」

「そうです。ガルーダだけはクルトナ家だと気にせず接してくれた」

「だったら、僕やシュリオン。フェーナが友達になるよ。全員、ドードルと似たよう環境だし」

「けど、今さら学校に馴染めるのか?勉強についていけるのか?」

「大丈夫ですよ。私がどうにかします。テストを受けてもらって、どれくらいの学年のレベルかを判断します。その後、学校に入学。ドードルは、ガルク達と同じ部屋にしますよ」

 アイリン・クルトナは少し考えてから

「ドードルと話してみます。けど、その前に古代遺跡とリッゾルの件だ」

「次のテロは起こるの?それとも、今回で最後?」

「分からない。だが、テロだとしたら、目的がなんなのかが分からない。人を殺したいだけなら、町でやればいい。わざわざ、警備の厳重な学校でやる意味が分からない」

「テロ組織の尻尾がいまだに掴めてないんでしょ?」

「あぁ。まるで、こっちのやり口が分かってるみたいだ」

 その時、数人が湖畔にやって来るのが見えた

「ガルク!先生!」 

 シュリオン、フェーナ、フィオルがこっちに来てる

「ガルク。ネオルノ先生。今度、迎えに行くから。それまで、このコイン持っとけ」

 アイリンが急いで、二人にコインを渡した

「小銭?」

「あぁ。だが、フェルムスの潜入捜査官が使う特殊なコインだ。コインが熱くなると、私からの伝達事項が、コインの表に出る。間違って、使うなよ」

 アイリンは、向かってくる三人に手を振ると、その場に空間を切り裂いて消えた
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