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第二部 エリミア編

48 正義と悪

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「ダメだ!該当しそうな奴はいないか!」

 一通り、四人でクルトナ家の人間全員を調べたが、裏社会を操りそうな危険な人はいなかった

「クルトナ家。みんな、正義感強すぎ!」

「そうだろ!」

「父さん。今のは、誉め言葉ではなく、皮肉だよ」

「そうなのか?」

 アイリン・クルトナがガルクを見たが、ガルクは顔をそらした

「それより。クルトナ家が犯人だったら、すぐ分からない?」

「その通り」

「じゃあ、どうして?」

「簡単だ。クルトナ家は、正義感が全員強いが、反対に邪気もすごい持っている」

「父さんの言う通り。何かがトリガーになれば、すぐに世界を破壊しようとするような人ばっか」

 ガルクは衝撃を受けた。だが、ネオルノ先生は頷いていた

「ガルク、クルトナ家は特殊なんですよ。産まれた時からこの家で、私達には想像もできない教育を受けている。友達だってできないし。心を許せる人や悩みを聞いてくれる人もいない。特殊ケースのアイリンのように学校に行っても、ザルウィン・クルトナの末裔だと、期待を強く受ける」

「なるほど」

「しかも、そんな環境で育った上に、極悪犯罪者達から、世界を守らないといけない。結婚して、子供を授かると妻はいなくなる。けど、クルトナ家が闇落ちしないのは、正義感が他の家系よりも断然強いから」

「けど、闇落ちした人もいるの?」

 ガルクが、アイリン・クルトナに聞いたが、首を横に振った

「すごっ!」

「ガルク。君と僕が似ている理由はさっきも言ったけど、理解した?」

「とても。僕も似たような環境だ。産まれた時から、宮殿で教育され。学校に行っては、同級生とは壁を感じる。確かに似てる。だが、僕には兄弟がいた。幼馴染みもいた。僕は、自分が不幸な人間だと思って生きていたけど、幸せ者だと気づいたよ」

 ガルクがそう言った瞬間に、ネオルノ先生が頭を強く叩いた

「イタッ!」

「ガルク。アイリンやドードルの人生を馬鹿にしているのですか?不幸な人間だと・・・」

「いいんですよ。ネオルノ先生」

 アイリンやドードルは、気にしていないようだったが、ネオルノ先生は普通に説教をしだした



 説教が終わったら、帰らないと怪しまれるような時間になってしまった

「ドードル。また来ていい?」

「もちろん!」

「ガルク。次は、家ではなく、四人で古代遺跡に行くの忘れんな」

「そうでした」

 アイリン・クルトナはその場の空間を裂いた。そこを、ガルクとネオルノ先生が通り、最後にアイリンも通った

「じゃあね!」

 空間が元に戻る瞬間にガルクは叫んだ
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