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第二部 エリミア編
34 裏切り者
しおりを挟む「アイリン・クルトナ隊長。再生します」
フェルムス隊員が、そう言うと全員の上に空間移動妨害装置室のホログラム映像が流れた
「誰か来る!」
シュリオンが、映像の音から判断しそう言った。次の瞬間、生徒と教師は衝撃を受けた
「リッゾル!?リッゾルだよな!?」
リッゾルが、空間移動妨害装置の機能を停止させている
「彼は、生徒ですね。先ほどから、医務室で監視をさせています」
「どうして?どうしてリッゾルさんが?!」
フェーナは驚きが隠せていない
「こっちが聞きたいくらいだ。ただの生徒が厳重なシステムを突破できるか?データを見ると、勉強はできないそうだし。得意なのはライクルスだけだ」
「我が校の生徒が、そんなこと・・・」
「我々も、校長と同じ考えです」
「操られた。または、化けられている」
「操る?クルトナ一族の憑依みたいに?」
ネオルノ先生は、いつもより口調が早い
「憑依能力はクルトナ一族以外で聞いたことないですよ!」
「我々のデータベースでも、憑依能力はクルトナ家だけです。結論から言うと、クルトナ家に裏切り者がいるか。化けられたかです」
「けど、リッゾル本人がやった可能性もある」
フェルムス隊員の一人がそう言う
「確かに、部下の言う通り。リッゾルがやった可能性だって、もちろんある。だが、厳重なシステムを解除し。周りの級友をも巻き込むか?もしやったなら、相当なサイコパスだぞ。そいつは!あの、システムを解除できるのは頭が相当切れないと」
「今は、昏睡状態なんで。目が覚めたら・・・」
「目が覚めたら、記憶を見てみよう。それと、リッゾルにおかしな所は無かったか?」
アイリン・クルトナが、ガルクやシュリオン、フェーナを見た。フェルムス隊員や校長、ネオルノ先生も見ている
「あった!フィオルと外にいる生徒を避難させていると。リッゾルがやって来た!」
「彼は何かいってたか?」
「フェーナを捜していた」
みんなが、フェーナを見た
「私の所に確かに来たわ。ガルクのことを言ったから、後をついていったわ」
「他には?」
「よく覚えていないの。両親の事故の爆発音と似てて、体が動かなくて・・・」
「そうですか・・・。ガルクはリッゾルと会ったのか?」
「リッゾルと?会ってませんよ!最後に会ったけど・・・。その時は、意識が無かった」
「ガルクは、私が保証します」
ネオルノ先生がガルクの肩に手を乗せて言った
「リッゾル・・・。前から、変わった奴だからな」
「シュリオン。思ってても言わないの!」
アイリン・クルトナは顎を手で触りだした
「なぜ、フェーナを?それに、空間移動妨害装置ならまだしも、島に張ってある結界も破られていた」
「結界?!学校に結界張ってあるの?!」
ガルクとシュリオンは驚いている
「そうだよな。生徒は知らないよな。知ってるのは、ごく一部」
「だから、湖畔近くにテロリスト達が居たのか」
ガルクは納得した
「結界って、どうやって破るの?」
「ここの結界は、学校関係者には効力がない。警備システムと同じだ。だが、フェルムスや唯一王は普通に入れる。だが、一般市民達は入ることが出来ない」
「けど、能力を使えば?通り抜け能力や解除能力とかさ」
シュリオンが聞いたが、校長は首を横に振った
「どんな能力も結界には負けます。解除できるのは、学校内のシステムだけ」
「空間移動妨害装置みたいに、厳重なシステムに守られてるが。空間移動妨害装置のように、どこにでもあるわけじゃない。無効にする操作方法が分からないはず。フェルムスですら、知ってるのは、私だけだ」
アイリン・クルトナは自分を指差した
「は?じゃあ、リッゾルは?!」
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