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第一部 地球編

39 破壊技

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「エイリアンが来た。班長!」

 宇宙空間を監視している情報処理班の一人が班長を大声で呼んだ。情報処理班の班長であるチョウが急いで確認する

「ちょっと待てよ。三隻だと!しかも、一隻はでかすぎるぞ!コンピューター!すぐに全員に知らせろ!」



 宇宙船は南極大陸の上空でオゾン層辺りの高さまで来て、完全に目視できるほど接近していた。南極大陸にはマスターウェザー以外のA.C.T アクトしかいない。CAは戦争が起こると予知してから、A.C.T アクトに協力していた

「クイック。南極に居た研究員達は避難させてくれたか?」

「はい。タンク副隊長」

「しかし、でかいな」

 全員が空を見上げながら、喋ってる

「三隻のうち、でかい一隻が本船で、その横の二隻が護衛船といったところか。さて、これは手を先に出していいものなのか?隊長どうしますか?」

 タンクが通信機を使って、マスターウェザーに言った

「あと、三十分待ってください。もう少しで、準備が整います」

 マスターウェザーは宇宙船が確認された瞬間から、地球の周りを飛び回って力をつけていた



 三十分後、マスターウェザーが南極に来た

「兵士隊は待機させてますか?」

「南極のA.C.T アクト基地にいます。その他にも近くで待機を」

「それじゃあ、始めましょうか。戦争を」

 三隻の宇宙船がさっきよりも近付いてる

「空が覆われるでかさ。あのでかい一隻はイギリスよりでかそうね」

「墜落させたら、下敷だな」

「下敷きか~。帰ろっかな。眠くなってきた」

 レッドマジシャン達三人が冗談を言ってたが、サンストーンは

「こんな時にも、冗談を言ってられるなんて。お前ら、馬鹿と大馬鹿と救い用の無い馬鹿だろ?」

 サンストーンがレッドマジシャン、トリックスター、ビーストソウルを順番に指しながら言った。だが、三人はさらに盛り上がってる

「よっしゃ!二人に勝った!」

「まぁ。ビーストソウルに勝てたから、良しとしよう」

「馬鹿に順位なんてないだろ?馬鹿なんだから。ということで、馬鹿なんで墜落させずに帰ろうぜ!」

 マスターウェザーは手に負えなくなる前に

「いや、ちゃんと南極点辺りに墜落させますよ。なんのために南極大陸の端にいると思ってるのですか?タンク」

「はい。マスター」

 タンクは鉄球を取り出した

「『フルチャージ』」

 破壊エネルギーを能力全て使い、込めた

「フィート。お願いします」

 フィートはタンクが破壊エネルギーを込めた鉄球に触った。鉄球に触ると、フィートの腕が肩まで消滅したが、鉄球が数倍のサイズになった。フィートの能力は体の大きさを変えることだが、覚醒前は、実体のある物の大きさを変えることだった

「私も準備しますか」

 マスターウェザーは両手を口の前に広げた。両手の中に、小さな嵐のような物を創造した

「王者の吐息の上をいく、技をやります」

 その間、カーナはフィートの腕を再生した

「ブルズアイ。センス」

 センスは空間把握能力で船の構造を見て、隙を探し、それをブルズアイに大まかな場所を伝えた。ブルズアイは気流が見える。気流が見えるから、正確に目に見えない弾を当てることができる能力だ。そして、確実に宇宙船の隙に当てるため指示を出した

「タンク。もう二センチ上。そこ!」
 
「始めますか。『ゼウスの吐息』」

 マスターウェザーは護衛船の一隻を狙って、フゥーと両手に息を吹きかけた。両手にあった小さな嵐のようなものが護衛船に向かって飛んでいった。それは、進むにつれてだんだん大きくなっている

「コールドアイ!」

「分かってますよ!」

 コールドアイは三隻の宇宙船を目を見開いて見つめた。三隻の宇宙船はその場でピタッと停まった

「止めました!ただ問題発生!」

「どうしました?」

「まばたき厳禁なんですが、寒さと眩しさで、まばたきしちゃいそうです」

「耐えてください。君にこの戦いはかかってるですよ!」

 一方タンクの鉄球は飛ばした時のスピードをあげるため、クイックが腕と引き換えに触った。そして、遥か遠くの標的に当てるため、レッドマジシャンとトリックスター、ビーストソウル、スノーメロディーは呼吸を整えてた。スノーメロディーは音叉を取り出して、いつものルーティーンを行った

「さぁ。カルテットといきましょうか」

 タンクが飛ばした瞬間、四人でおもいっきり殴った

「『ffffフォルティッシッシッシモ』」
 
 殴られるた鉄球は猛スピードで飛んでいった。四人の腕は殴った勢いで、腕は消え、体は後ろに吹っ飛んだ。マスターウェザーが放った技は、大きくそして速くなったのを、カーナに腕を再生してもらったクイックが腕を振り回して、風をさらに送り。スノーメロディーは再生したら、雪や氷をクイックの風に乗せて飛ばした。二隻の護衛船を狙った、地球からの攻撃は、物凄い勢いで、標的に向かって飛んでいった。宇宙船の三隻も攻撃してきたことに気付いてはいるだろうが、宇宙船自体が、コールドアイに止められているので、回避や反撃ができないらしい。ただ、コールドアイの目が力尽き、まばたきをしてしまった。だが、宇宙船が動き出した時には、遅かった。それぞれの攻撃が、二隻の護衛船にぶつかった。タンク達が放った、攻撃に当たった、護衛船は爆発を起こし、粉々になっている。それを見て、頭がおかしい全員は思った。綺麗だと。マスターウェザー達の攻撃に当たった護衛船は、当たった所に亀裂が入った。技は、標的に当たったのに消えず。さらに、宇宙船の外壁をえぐり進めてるように見えた。亀裂が入った所に、さらに技が当たり続けるので、亀裂がさらに大きくなり、少し、時間はかかったが、バラバラになり瓦礫やエイリアンの体の一部が落ちてきた。センスが能力を使ってすぐに調べた

「二隻の宇宙船から、生体反応が消えました」

 二隻の護衛船が壊れたが、コールドアイの能力が切れた瞬間に本船が反撃してきた。急いで船を見つめたが本船の側面から、赤い彗星のように見える攻撃を放ってきた。そして、主砲らしき所からも側面からの攻撃よりも遥かに大きい弾を撃ってきた。コールドアイは眩しすぎるので、上手く見てらず、止められなかった

「ケイナン。側面の攻撃だけ、対応してください。ガントン準備を」

 マスターウェザーがケイナンに指示を出し、ケイナンは空にバリアを無数に出した。バリアの何枚かは割れたが、側面からの攻撃は打ち消した。ガントンはテュールに叫んだ

「テュール!投げろ!」

 テュールは体が一瞬で大きくなり、ガントンの腹を鷲掴みにしてから、投げた。主砲からの弾に向かってガントンは飛んでいった。飛んでいる間、ガントンは心の中で何度も同じことを復唱していた

「エネルギー系でありますように。エネルギー系でありますように。でなければ、死ぬぞ!」

 弾がガントンと当たった。ガントンは弾の勢いで、地面に弾と落ちているが、弾は小さくなっている。ガントンは弾を体に吸収しているのだ。そして、南極の地面に叩きつけられる前に、弾を全て吸収した。地面すれすれで、クイックがお姫様抱っこしてくれて助かった。ガントンは笑ってる

「エネルギー系だった。さあ!倍にして返してやろう!」

 他の全員が叫んだ

「撃てー!」
 
 ガントンはまたテュールに空に投げてもらい。体からさっきの弾を放出した。それは、さっきの倍の大きさ、倍の速さで、本船の主砲に当たった。本船の主砲は大破し、バランスを失った本船は南極大陸に落ちた。南極大陸に落ちている間、本船は引っ張られるように南極点辺りに墜落した。実は、新機軸開発班がトラクタービームを造り、南極点に設置していた。ただ、強い力で引っ張ってはくれるが、宇宙船自体の力の方が大きいのと、対象がでかすぎる。また、時間的に一基しか設置できなかったため、宇宙船をボロボロにしないといけなかった。南極点に引っ張られた宇宙船は墜落はしたが、バラバラになったり、大破はしていなかった

「さすが本船。小さい二隻より強固ですね。すぐに大破できる能力は誰にもありませんか。第二ラウンドは地上戦です。兵士隊を!」

 みんな、すぐに散らばった



 墜落した宇宙船から数分後、エイリアンの大群が出てきた。歩兵以外にも、装甲車らしきの物や、空を飛んでる一人用の乗り物など。どれも、地球の軍事力より進んでる物ばかりだ。そして、何よりエイリアン一人一人が特殊能力を持っている。エイリアンの本船対地球の総力戦の幕があがる
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