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第12話 もう一人の転生者
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私とビーチバレーのペアを掛けて2人の男子が争う。
何というシュチュエーションなのかしら。
ドキドキしてしまう。
堀越くんと慎吾くんが向かい合い私のペア権をかけた戦いが始まろうとしていた。
ジャンケンなんだけどね。
「詩織ちゃんはどっちが勝って欲しいの?」
「そうね~、どちらでもと言いたいところだけど。
堀越くんかな。」
2人の様子を見ていると由希ちゃんが声を掛けてきた。
「そうなんだ。
じゃあ、堀越くんに言えば良かったのに。」
「そうなんだけど。
自分から言うのは恥ずかしいよ。」
「最近の詩織ちゃんなら言いそうなのになぁ。」
最近の私ね。
以前とはガラッと変わってしまっているという事なのだろう。
以前の私は知らないが、恐らく大人しくて目立たない女の子だったんだろうな。
「いくぜ、響也!」
「望むところだ!」
2人は同時に右手を出してジャンケンをした。
最初はグゥーを出して、その後出したのは。
ビーチバレーが始まった。
ネットもちゃんと設置されていて、それなりに本格的なビーチバレーが出来る。
まず初めは、朱莉春樹ペアと由希晶ペア。
総当たりで1番負けたペアが罰ゲームをやる事になった。
罰ゲームは一人一人が紙に書いて袋に入れて、引き当てた罰ゲームを行う。
三咲真斗ペア、杏奈慎吾ペア、そして私と堀越くんのペア。
ジャンケンの勝敗は堀越くんがチョキで慎吾くんがパーを出した。
私は内心ほっとしている。
慎吾くんとはあまり話したこともない。
朱莉春樹ペアと由希晶ペアの対戦が始まった。
「ねぇ。
2組とも良い勝負じゃない?」
「うん。
楽しそうで俺たちも早くやりたいぜ。」
「ペアが私で良かったの?」
私と堀越くんは海の家で飲み物を飲みながら、ビーチバレーを見ている。
2組とも楽しそうだ。
特に朱莉ちゃんは春樹くんに甘えて見てる方が恥ずかしくなるくらいにはしゃいでいる。
「楢崎とペアになりたかったんだ。
俺たちも楽しもうぜ。」
「へぇ~、私とペアになりたかったんだ。
そうね。
楽しみましょ。」
ニッコリと微笑むと堀越くんの顔が少し赤くなっている様に見えた。
やっと私達の順番が回ってきた。
「いくよ。
堀越くん!」
「よし、やるぞ。」
海の家からビーチバレーのコートに向かって走った。
堀越くんも笑顔で私と並んで走っている。
対戦相手は杏奈慎吾ペア。
慎吾くんはバスケ部で運動神経抜群。
堀越くんもバスケ部で運動神経は同じく抜群。
2人の対決も見ものだ。
私は正直球技は得意ではないが、器用スキルの恩恵に期待したい。
でも、ここは男子に花を持たせて私は可愛らしい女の子を演じるのもありかも。
「さっきはジャンケンで負けたが、この勝負は負けられない。」
「この勝負も勝つ。」
ネット越しに堀越くんと慎吾くんが睨み合った。
男のプライドを賭けた闘いなのだろう。
「杏奈ちゃん。
私球技苦手なんだけど、杏奈ちゃんは?」
「詩織ちゃん苦手なんだ。
私は中学の時バレーやったことあるから、苦手ではないよ。」
ヤバイ。
杏奈ちゃんはバレー経験者だった。
私は神眼スキルを活かせばボールも止まって見えると思うけど、身体が動くかは不明で全てが未知数だ。
そして、ビーチバレーが始まった。
最初に5点先取した方が勝ち。
あっという間に私達は負けてしまった。
正直私がかなり足を引っ張った。
神眼スキルでボールは止まって見えても、スポーツは身体が動かないとボールを拾えないし捌けない。
「あ~、もうやだ~。
全然出来ないよ~。」
やっぱりスポーツはセンスが大事である。
ボールに触れてもセンスがないので上手く上がらない。
サーブも飛ばない。
アタックもうまく飛ばない。
ダメダメな私。
こんなに身体が動かないとは正直ショックを隠しきれない。
そして、嫌な予感がしてしまい。
それが現実のものとなった。
終わってみれば全敗の私達。
全て私の球技センスのなさが原因だ。
「ごめん~、堀越くん。
全然ダメダメだった。」
「楢崎は本当に球技センス無いなぁ~。
でも、楽しかったよ。」
私のフォローで堀越くんは動き回ってくれた。
彼の優しさが滲み出る動きだった。
でも、楽しんでくれていた様で終始笑顔だった。
「さぁ~て、罰ゲームタイムだね。」
朱莉ちゃんがいつの間にか穴の空いた箱まで用意していた。
「え~、やっぱりやるの?」
「そりゃ~やるわよ。
皆んな詩織ちゃんの罰ゲーム楽しみにしてたんだから。」
「え?
どうして楽しみなのよ?」
朱莉ちゃんはニヤニヤしている。
「可愛い女の子が罰ゲームってだけで絵になるもの。
それに男子達も期待してると思うよ。」
一体何に期待しているんだ?
私が困る姿を見て楽しむとするなら根性が悪い。
「はい。
詩織ちゃんと堀越くんとそれぞれ引いてね。」
促されるまま箱の中に手を入れて紙を一枚取った。
何が書かれているのか緊張する。
堀越くんも一枚紙を取り出した。
「じゃあ、先ずは堀越くんが引いた紙を広げるよ。」
朱莉ちゃんがゆっくりと紙を開いた。
堀越くんも顔が緊張して強張っている。
「え~と、ビーチバレーのペアのお願いを一つ叶えてあげるだって。
詩織ちゃんは何をお願いするのかな~。」
堀越くんにお願い出来るのか。
咄嗟にそう言われても思い浮かばない。
「さあ、詩織ちゃんの方は何かな?
ん~と、優勝チームの2人にキスのご褒美だって!
三咲真斗ペアにキスのご褒美~。」
「ちょっと誰よ~そんな罰ゲーム書いたの~。」
ほんと恥ずかしい事を書いて、自分が当たるかもしれないのに。」
だが、皆んなは大爆笑で盛り上がっている。
まあ、ホッペにキスくらいならビビることもないけど。
「さあ、詩織ちゃんから三咲ちゃんへキスのご褒美~。」
先ずは三咲ちゃんのホッペにキスをした。
皆んな笑ったり手を叩いたりで凄く盛り上がっている。
「さあ、次は真斗くんへキスのご褒美~。」
男子にキスはちょっと照れる。
同じように真斗くんも緊張している顔をしている。
恥ずかしいので素早くホッペにキスをした。
恐らく顔は赤くなってしまっているはず。
女子は私のキスに大盛り上がりになった。
私は恥ずかしさでしっかり見ていなかったが、真斗くんは喜んで笑顔になってくれていたように見えた。
他の男子に叩かれたりしている。
「詩織ちゃんは何をお願いするの?」
「え?
あ~、そうだよね。
お姫様抱っこしてもらおうかな。
高身長だし、ちょっと憧れてるんだよね。」
堀越くんは私を抱えると難なくお姫様抱っこをしてくれた。
私は堀越くんの首に手を回してしがみついている。
実感として凄く高さを感じる。
だからどうと言う事はないが、顔を距離が近いのでドキドキする。
そして、優しく降ろしてくれた。
「ありがとう。」
可愛さを全面に微笑んでみせた。
堀越くんは照れ臭そうに苦笑いをしている。
お昼は海の家で食べることにした。
新鮮な海の幸を堪能できる。
皆んなで楽しく会話をしながら食べていると、海岸沿いに1人の男性がずっと私達の方を見ている。
他の子達は気がついていないようだが、私の危険予知スキルが反応した。
久々のゾワッとするこの感覚。
それに神眼スキルでよく見ると暗いオーラを纏っている。
明らかに周りの人たちとは違う異質なものを作り出している。
何気なく私は席を立つと、その男性の方に歩き始めた。
「詩織ちゃん。
どうしたの?」
「うん。
ちょっとトイレ。」
そう言うと海岸沿いに砂浜を歩き始めた。
男性はやはり私を見ていたのだ。
目線があったままその男性の前までやって来た。
「やっと会えた。
君も転生者だよね?」
「……、あなたも転生者なの?」
その男性は歳の頃は20代前半くらい。
大学生だと思われる。
身長は堀越くんより低めで、金髪と切長の目が特徴だ。
「そうだよ。
俺の男尊女卑の世界に障害をもたらす者。
絶世の乙女は厄介だなぁ。」
私のスキルやステータスが見られているようだ。
鑑定か神眼に似たスキルを持っているようだ。
私も神眼でその男性のステータスを見れた。
スキルを確認。
男のステータス。
種族 人間 レベル56
職業 紳士レベル80
体力1256 腕力358 魔力0
気力475 魅力750 運65
敏捷性 580
スキル
鑑定眼 威圧 最強の美男 威嚇 剣聖 倍圧 剣技至高 眼引力
魔法 無
称号 転生者 男尊女卑の伝道師 統べる者
ステータスは私を遥かに凌駕する数値だ。
その他のスキルに関してはよく分からない。
だが、この男がこの世界の歪みの元凶である事は間違いない。
何というシュチュエーションなのかしら。
ドキドキしてしまう。
堀越くんと慎吾くんが向かい合い私のペア権をかけた戦いが始まろうとしていた。
ジャンケンなんだけどね。
「詩織ちゃんはどっちが勝って欲しいの?」
「そうね~、どちらでもと言いたいところだけど。
堀越くんかな。」
2人の様子を見ていると由希ちゃんが声を掛けてきた。
「そうなんだ。
じゃあ、堀越くんに言えば良かったのに。」
「そうなんだけど。
自分から言うのは恥ずかしいよ。」
「最近の詩織ちゃんなら言いそうなのになぁ。」
最近の私ね。
以前とはガラッと変わってしまっているという事なのだろう。
以前の私は知らないが、恐らく大人しくて目立たない女の子だったんだろうな。
「いくぜ、響也!」
「望むところだ!」
2人は同時に右手を出してジャンケンをした。
最初はグゥーを出して、その後出したのは。
ビーチバレーが始まった。
ネットもちゃんと設置されていて、それなりに本格的なビーチバレーが出来る。
まず初めは、朱莉春樹ペアと由希晶ペア。
総当たりで1番負けたペアが罰ゲームをやる事になった。
罰ゲームは一人一人が紙に書いて袋に入れて、引き当てた罰ゲームを行う。
三咲真斗ペア、杏奈慎吾ペア、そして私と堀越くんのペア。
ジャンケンの勝敗は堀越くんがチョキで慎吾くんがパーを出した。
私は内心ほっとしている。
慎吾くんとはあまり話したこともない。
朱莉春樹ペアと由希晶ペアの対戦が始まった。
「ねぇ。
2組とも良い勝負じゃない?」
「うん。
楽しそうで俺たちも早くやりたいぜ。」
「ペアが私で良かったの?」
私と堀越くんは海の家で飲み物を飲みながら、ビーチバレーを見ている。
2組とも楽しそうだ。
特に朱莉ちゃんは春樹くんに甘えて見てる方が恥ずかしくなるくらいにはしゃいでいる。
「楢崎とペアになりたかったんだ。
俺たちも楽しもうぜ。」
「へぇ~、私とペアになりたかったんだ。
そうね。
楽しみましょ。」
ニッコリと微笑むと堀越くんの顔が少し赤くなっている様に見えた。
やっと私達の順番が回ってきた。
「いくよ。
堀越くん!」
「よし、やるぞ。」
海の家からビーチバレーのコートに向かって走った。
堀越くんも笑顔で私と並んで走っている。
対戦相手は杏奈慎吾ペア。
慎吾くんはバスケ部で運動神経抜群。
堀越くんもバスケ部で運動神経は同じく抜群。
2人の対決も見ものだ。
私は正直球技は得意ではないが、器用スキルの恩恵に期待したい。
でも、ここは男子に花を持たせて私は可愛らしい女の子を演じるのもありかも。
「さっきはジャンケンで負けたが、この勝負は負けられない。」
「この勝負も勝つ。」
ネット越しに堀越くんと慎吾くんが睨み合った。
男のプライドを賭けた闘いなのだろう。
「杏奈ちゃん。
私球技苦手なんだけど、杏奈ちゃんは?」
「詩織ちゃん苦手なんだ。
私は中学の時バレーやったことあるから、苦手ではないよ。」
ヤバイ。
杏奈ちゃんはバレー経験者だった。
私は神眼スキルを活かせばボールも止まって見えると思うけど、身体が動くかは不明で全てが未知数だ。
そして、ビーチバレーが始まった。
最初に5点先取した方が勝ち。
あっという間に私達は負けてしまった。
正直私がかなり足を引っ張った。
神眼スキルでボールは止まって見えても、スポーツは身体が動かないとボールを拾えないし捌けない。
「あ~、もうやだ~。
全然出来ないよ~。」
やっぱりスポーツはセンスが大事である。
ボールに触れてもセンスがないので上手く上がらない。
サーブも飛ばない。
アタックもうまく飛ばない。
ダメダメな私。
こんなに身体が動かないとは正直ショックを隠しきれない。
そして、嫌な予感がしてしまい。
それが現実のものとなった。
終わってみれば全敗の私達。
全て私の球技センスのなさが原因だ。
「ごめん~、堀越くん。
全然ダメダメだった。」
「楢崎は本当に球技センス無いなぁ~。
でも、楽しかったよ。」
私のフォローで堀越くんは動き回ってくれた。
彼の優しさが滲み出る動きだった。
でも、楽しんでくれていた様で終始笑顔だった。
「さぁ~て、罰ゲームタイムだね。」
朱莉ちゃんがいつの間にか穴の空いた箱まで用意していた。
「え~、やっぱりやるの?」
「そりゃ~やるわよ。
皆んな詩織ちゃんの罰ゲーム楽しみにしてたんだから。」
「え?
どうして楽しみなのよ?」
朱莉ちゃんはニヤニヤしている。
「可愛い女の子が罰ゲームってだけで絵になるもの。
それに男子達も期待してると思うよ。」
一体何に期待しているんだ?
私が困る姿を見て楽しむとするなら根性が悪い。
「はい。
詩織ちゃんと堀越くんとそれぞれ引いてね。」
促されるまま箱の中に手を入れて紙を一枚取った。
何が書かれているのか緊張する。
堀越くんも一枚紙を取り出した。
「じゃあ、先ずは堀越くんが引いた紙を広げるよ。」
朱莉ちゃんがゆっくりと紙を開いた。
堀越くんも顔が緊張して強張っている。
「え~と、ビーチバレーのペアのお願いを一つ叶えてあげるだって。
詩織ちゃんは何をお願いするのかな~。」
堀越くんにお願い出来るのか。
咄嗟にそう言われても思い浮かばない。
「さあ、詩織ちゃんの方は何かな?
ん~と、優勝チームの2人にキスのご褒美だって!
三咲真斗ペアにキスのご褒美~。」
「ちょっと誰よ~そんな罰ゲーム書いたの~。」
ほんと恥ずかしい事を書いて、自分が当たるかもしれないのに。」
だが、皆んなは大爆笑で盛り上がっている。
まあ、ホッペにキスくらいならビビることもないけど。
「さあ、詩織ちゃんから三咲ちゃんへキスのご褒美~。」
先ずは三咲ちゃんのホッペにキスをした。
皆んな笑ったり手を叩いたりで凄く盛り上がっている。
「さあ、次は真斗くんへキスのご褒美~。」
男子にキスはちょっと照れる。
同じように真斗くんも緊張している顔をしている。
恥ずかしいので素早くホッペにキスをした。
恐らく顔は赤くなってしまっているはず。
女子は私のキスに大盛り上がりになった。
私は恥ずかしさでしっかり見ていなかったが、真斗くんは喜んで笑顔になってくれていたように見えた。
他の男子に叩かれたりしている。
「詩織ちゃんは何をお願いするの?」
「え?
あ~、そうだよね。
お姫様抱っこしてもらおうかな。
高身長だし、ちょっと憧れてるんだよね。」
堀越くんは私を抱えると難なくお姫様抱っこをしてくれた。
私は堀越くんの首に手を回してしがみついている。
実感として凄く高さを感じる。
だからどうと言う事はないが、顔を距離が近いのでドキドキする。
そして、優しく降ろしてくれた。
「ありがとう。」
可愛さを全面に微笑んでみせた。
堀越くんは照れ臭そうに苦笑いをしている。
お昼は海の家で食べることにした。
新鮮な海の幸を堪能できる。
皆んなで楽しく会話をしながら食べていると、海岸沿いに1人の男性がずっと私達の方を見ている。
他の子達は気がついていないようだが、私の危険予知スキルが反応した。
久々のゾワッとするこの感覚。
それに神眼スキルでよく見ると暗いオーラを纏っている。
明らかに周りの人たちとは違う異質なものを作り出している。
何気なく私は席を立つと、その男性の方に歩き始めた。
「詩織ちゃん。
どうしたの?」
「うん。
ちょっとトイレ。」
そう言うと海岸沿いに砂浜を歩き始めた。
男性はやはり私を見ていたのだ。
目線があったままその男性の前までやって来た。
「やっと会えた。
君も転生者だよね?」
「……、あなたも転生者なの?」
その男性は歳の頃は20代前半くらい。
大学生だと思われる。
身長は堀越くんより低めで、金髪と切長の目が特徴だ。
「そうだよ。
俺の男尊女卑の世界に障害をもたらす者。
絶世の乙女は厄介だなぁ。」
私のスキルやステータスが見られているようだ。
鑑定か神眼に似たスキルを持っているようだ。
私も神眼でその男性のステータスを見れた。
スキルを確認。
男のステータス。
種族 人間 レベル56
職業 紳士レベル80
体力1256 腕力358 魔力0
気力475 魅力750 運65
敏捷性 580
スキル
鑑定眼 威圧 最強の美男 威嚇 剣聖 倍圧 剣技至高 眼引力
魔法 無
称号 転生者 男尊女卑の伝道師 統べる者
ステータスは私を遥かに凌駕する数値だ。
その他のスキルに関してはよく分からない。
だが、この男がこの世界の歪みの元凶である事は間違いない。
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