魔力ゼロの英雄の娘と魔族の秘密

13章 賢者の塔

①

ローブの男との激突が終わり、街に一時的な静寂が訪れた。ギルドホールではアリアとイアン、そしてユーゴが集まり、今回の戦闘を振り返っていた。

アリアはテーブルに置かれた剣をじっと見つめていた。

「イアンの血が、この剣に関係してるなんて……どういうことなんだろう。」

彼女の声はどこか落ち着かず、不安を滲ませている。

イアンはその隣で深い息をつき、静かに言葉を紡いだ。

「私も、はっきりしたことは分からない。ただ、剣が私に反応したことは事実だ。」

「剣と呪いが共鳴している可能性があるな。」

ユーゴが冷静に話を引き継ぐ。

「この剣――選ばれし刃は、魔族と人間の技術が融合したものだ。その力を完全に引き出すためには、魔族の血が必要とされている。そして、イアンの血はそれに応じる力を持っている。」

「じゃあ……イアンがいなかったら、この剣は本当の力を発揮できないってこと？」
アリアが眉をひそめて尋ねる。

「それが何を意味するのかはまだ分からない。だが、これが敵にとって鍵になるのは間違いない。」
ユーゴの言葉に、アリアは剣を握りしめた。

「だったら、もっとこの剣のことを調べなきゃ。私がちゃんと使いこなせるようになれば、奴らの計画なんて阻止できる！」


「その通りだが、君一人では剣の秘密を解き明かすことは難しい。」
ユーゴが厳しい表情でアリアを見つめる。

「この剣についての情報は、古い記録の中にしか残っていない。そして、それを保管しているのが、この街から北にある『賢者の塔』だ。」

「賢者の塔？」
アリアが首をかしげる。

「古代の記録や封印術を研究している学問の拠点だ。だが、そこに行くには多くの試練が待ち受けている。」
ユーゴが静かに説明を続ける。

「試練って……また戦いとか？」
アリアが剣を握り直す。

「その通り。賢者の塔は、外敵から守るために強力な結界で覆われている。その結界を突破するには、剣とイアンの力を合わせなければならないだろう。」

「つまり、また二人で協力しろってことか。」
イアンが冷静に言うと、アリアは自信ありげに笑った。

「だったら、やるしかないね！私たちならきっと大丈夫！」


翌日、二人は「賢者の塔」への旅の準備を整えていた。

アリアはギルドの装備庫から新しい防具を借り受け、剣を腰に収める。

「イアン、準備はいい？」

「すでに整っている。だが、塔にたどり着くまでの道のりは長い。慎重に進むべきだ。」

「分かってるよ。でも、またあのローブの男が出てきたら、今度は絶対負けない！」

アリアの決意に満ちた声に、イアンは静かに微笑みを浮かべた。

「その意気だ。私も全力で君を支える。」

二人は最後にユーゴと顔を合わせ、旅立ちの挨拶を交わした。

「賢者の塔に着いたら、何としてでも剣の秘密を解き明かすんだ。そして、無事に帰ってくることを約束してくれ。」

ユーゴの言葉に、アリアは大きく頷いた。

「もちろんだよ！待ってて、必ず帰ってくる！」








ステータス画面

アリア・マーウェラ

• レベル: 18
• 職業: 剣士（盾なし）
• 体力: 42
• 魔力: 0
• 力: 36
• 敏捷: 25
• 器用: 20
• 知力: 10
• 精神: 16

スキル一覧

• 剣の扱い Lv.7
• 投擲 Lv.1
• 身体強化 Lv.4
• 戦闘直感（パッシブ）
• 特別装備:
• 選ばれし刃（第三段階解放準備中 / 魔力を断ち切る力 + 光属性攻撃力強化 / 魔族の力に対して特攻効果 / 使用時に生命力を消耗）

イアン

• レベル: 19
• 職業: 魔法使い（呪術特化）
• 体力: 12
• 魔力: 52
• 力: 7
• 敏捷: 14
• 器用: 18
• 知力: 34
• 精神: 30

スキル一覧

• 氷結魔法 Lv.6
• 魔力制御 Lv.5
• 詠唱短縮 Lv.3
• 炎魔法付与 Lv.3
• 呪いの触（自動発動 / パッシブ）