稀代の悪女として処刑された私は時間を遡る

 娼婦だった母が侯爵と結婚し、その日を食つなぐのが精いっぱいだった生活から貴族の一員となったことで世界が変わった私――クレア。
 妹のアリスの謀略によって母が殺され、そして私は悪女として街の皆の前で処刑された。

 アリスへの恨み、憎しみを抱えたまま断頭台に首を落とされた――はずだった。
 暗闇に閉ざされて開くことない瞳が開くと、そこは見慣れたベッドの上。

 体を動かして鏡に自分の姿を映すと9歳の時の私の姿。時間が……巻き戻った?
 ふつふつ、と思い出したかのように湧いてくる妹に対する怒り。憎しみ。
 私は妹――アリスに復讐することを決意する。そして、妹を超える真の悪女になることを心に決めた――。
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