怪談短歌

牧田紗矢乃

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053、何回も……

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 何回も 他人と間違え られた日に
 家族に言われた「あら、どちら様?」



 これ、想像すると結構怖いんですよね。
 自分が認識している「自分」と他人が認識している「自分」が別の人間だという話なので。

 じゃあ全く別の人間になっているのかと言えば、鏡に映る姿はいつもと何も変わっていないんですよ。
 夢だとしても絶対に嫌ですよね。

 忘れられた時が「本当の死」の時なんだ、っていう話もありますが、その通りだと思います。
 家族からも忘れられてしまったら死ぬよりつらいかも知れません。
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