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第二章 動き出す

呼吸と体の使い方

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「といっても半分だがな。魔力の取り込む量は呼吸で変わるといっても良い。魔力耐性や量、そして属性は生まれてから約10の歳までに決まると言われている。それはその土地の魔力の量や種族も多少は関係しているが、呼吸を使って大人になってから増やすことも可能だ。普通の呼吸じゃないぞ、特殊なやつだ」

半分か。
でも答えておいて疑問が残る。
耐性が強いのに魔法が使えない人がいるのは何でだ。

「はぁーっ、はぁーっ」

あと、息が荒くなってきた。
高度のせいか、疲れのせいか分からんが、何となく息苦しい。酸素が薄いかもしれん。

「後の半分はな、自らの体を上手く使えているかどうかだ。とある国では氣と呼んでいるものがあってだな、これは大昔の人達が元々持っていた体に宿る魔力に似た力だ。これは更に特殊で、なんと呼吸を使えない無機物にも宿っている。人はその外からの魔力と内にある氣を混ぜ込んで身体能力の向上や傷の治癒を行う。さらに上手く使うと魔力を巻き込んで凄いことが出来るようになる。これは後で見せるが、氣は体を鍛えれば鍛えるだけ増える」

ザラキはまだ少しも息を切らさない。
こんなにずっと喋り続けているのにどういう事だ。

『なぁ、なんか苦しくなってきたんだけど』

「え?」

「どうした?」

「ネコが苦しくなってきたらしいんですけど」

「どれ」

ザラキが止まりネコを見る。

「どんな苦しさだ?息苦しい感じか?全身絞められるような感じか?裂かれるような感じか?」

『うーん、なんか、バラバラになりそうなかんじ』

「バラバラになりそうな感じと言ってます」

「そうか、じゃあネコの修行を始める。魔力を使わずに崩壊を抑えろ」

『え』
「え」

ネコと同時にザラキを見る。
魔力を使わずにって、大丈夫なの?それ。

「大丈夫、強く自分の形を意識していろ。なんなら一番楽な姿を思い浮かべていても良い」

『オニだ』

「それ伝える?」

『やめて』

ふーっ、ふーっ、とネコが息を切らしていた。
てかこいつ呼吸をしていたのか。

「さぁ、登るぞ。頑張れ、必ず身になる」













月が高く上がっている。

オレの息は上がりきり、頭痛がする。
隣のネコもなんだかフラフラしている。

そんな中でザラキは一人元気だった。

「よく頑張った。見てみろ、ルキオは美しいだろう」

「…ええ……」

疲れと息苦しさで景色を堪能できないのが残念過ぎる。といっても真夜中なのでよく分からない。強いて言えば何故か海が淡く光ってるくらいかな。

「まぁ、それどころじゃないよな。俺も昔やられたからちょっとやりたかっただけだ。気にするな」

よっと乗ってた岩からザラキが下りる。

「さて、これからライハの修行を始める!」
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