21 / 38
本編 雌花の章
第二十一話 二人の連携で
しおりを挟む
それから、俊の両親と、椎奈の母との顔合わせをおこなった。晴れて認められた二人は、正式に婚約に至った。
俊と椎奈は、俊の提案で温泉宿に旅行にいくことになった。
理由は俊曰く、イチャイチャしたいからだそうだ。
「盆屋はいやなんだよ……女性を抱くのに俺は集中できない。なんかこうフッと、最中に仕事が頭を過るんだよ。摘発とか……違法AVとか」
道中、俊の運転する車の中で彼はぼやき続けた。完全な職業病じゃないか。
「あと一月で一緒に暮らせるのに?」
結納は済ませているし、この地域特色の、親族のみの簡素な式の日取りも決まっている。夫婦用の官舎にも空きができそうだということで押さえてある。空き次第、二人で暮らす予定で、それが一月ほど先になるのだ。
「結婚前ってのがいいんだよ」
「結婚したら行かないの?」
「いや新婚旅行も行く……要するに、自宅以外の場所でも椎奈さんとやりたい」
椎奈は俊の腿をぺちっと叩いた。
温泉だけ楽しむのも悪くはないが、せっかくの旅行なので、宿の近くにあるテーマパークにまず向かった。
ホワイトタイガーのこどもが、一般展示されていた。二人で可愛いねえとガラス越しに眺めていたとき、ふと、椎奈の手を誰かが握った。
驚いて見下ろすと、小さな女の子が、椎奈と同じように驚いた顔で椎奈を見上げていた。彼女はぴゃっと椎奈から手を離し、辺りを見回し、やがてべそをかきはじめた。椎奈は慌ててかがみ込んだ。
「お、お母さんか、お父さんとはぐれちゃったのかな?」
可愛いホワイトタイガーの赤ちゃんに見とれているあいだに、保護者とはぐれたことに気付けず、椎奈を身内と勘違いして手を握ったのだろう。
椎奈の後ろで、俊もしゃがみ、女児に笑いかけた。
「今日はここに、誰と来たのかな?」
「……お、おとさ」
「お父さんかな?」
女の子は泣きながら、もうひとつ訴えた。
「おかさ、も」
「探しに行こうね。こっちのベンチで座っていよっか」
椎奈が声をかけ、背中を押してやると、女の子は泣きながらも従った。
「椎奈さんはここで、女の子といてくれ。俺はスタッフを探してくる」
「はい」
俊が駆けていったあと、椎奈はベンチで座って泣いている女の子の前にしゃがみこんだ。
「お父さんとお母さんは、さっきのお兄さんが探してきてくれるから。ここで待っていようね。ホワイトタイガーの赤ちゃん、可愛かったね」
「……うん」
「今日はどんな動物さんを見たかな。お姉さんも見たいから、おしえてほしいな」
「かめしゃん」
なかなか玄人好みなところを突いてきた。椎奈はここで亀を見ていない。
「かめさんがいたところ、どこか探してみよっか」
園内地図を広げてみたが、亀の表記はない。亀に似た何か他の動物だろうか……亀に似た他の動物って、この世に存在する?
女の子は園内地図が気になったらしく、泣き止んで、それを熱心に眺めはじめた。椎奈はその隙に、連想ゲームさながら亀に似た動物を脳内で探していると、俊がスタッフを連れて戻ってきた。
「おかえりなさい」
「ただいま。この子です」
俊がスタッフに告げると、スタッフは携帯電話で連絡を入れた。ほどなく別のスタッフと、迷子の女の子の家族らしき三人がやってきた。
「おかさん!」
女の子は駆け出し、やってきた女性にしがみ付いた。彼女は泣いている女の子を抱き上げあやしている。父親と思われる男性が、椎奈と俊に感謝を述べに頭を下げた。
「あ」
父親と手をつないでいる男の子が、亀柄の着物を着ていた。
家族四人とスタッフは、再度、椎奈と俊に頭を下げてから去った。
「お疲れ様でした」
「椎奈さんも、お疲れさま。あなたがいてくれてよかった」
俊は腰に手をあて、大仕事のあとのような、緊張が解けた顔をしていた。そういえば、俊はお見合いのとき、女児に声をかけるのは難しいと言っていた。
「連携プレーだったね。私も、俊さんがいてくれて助かった。そういえば、さっきね……」
椎奈は俊から差し出された手を握り、亀の話をしながら、次のエリアへ足を進めた。
俊の取った宿は大浴場もあるが、部屋に小さな露天風呂もあるところだった。今の季節は紅葉も楽しめる。
まずそれぞれ大浴場を楽しみ、部屋に戻って、運ばれてきた料理を楽しみ、人心地したあと、露天風呂を楽しもうという流れになった。
脱衣所で、俊はいそいそと椎奈の角帯を解いている。椎奈はされるがまま、黙っていた。椎奈の帯を完全に落とす前に、俊は椎奈の顔を覗った。椎奈の緊張に気付いたようだ。
「やめたい?」
「違うの。一緒に入りたいけど……こんな明るいところで裸になるのは初めてだから。私の口数が少ないのは、恥ずかしくて」
「そういうことか」
俊は椎奈の帯を落とすと、ぴたりと抱きしめてきた。俊の熱い肌の感触に、椎奈はほぼ嬌声のようなものを洩らした。部屋の空調は整えられ寒くはないが、夏に抱き合ったときより、数倍気持ちがいい。
「檸檬の匂いだ……大浴場を出たあとから、椎奈さんから香りがしてて、ずっとムラムラしてた」
気付いてくれて嬉しい。
俊は椎奈の身頃の中に手を伸ばして、背に腕をくぐらせ、うなじを掴んだ。お見合いの初日の行動をなぞっているのだ。
「ん」
口付けが、深い。ぴたりと合わせた正面で、俊の雄が反応しているのがよく分かる。同じく、椎奈の中もうずいてきた。
「おふろに」
「ん?」
「入る前に……しちゃう、の?」
「確かに、そんな勢いになってきてるな。……布団に戻るか」
そもそも、俊が椎奈の浴衣を脱がせる必要など全くなかった。この流れはなるべくしてなった。
俊は軽々椎奈を抱き上げ、寝室へ戻った。枕を並べて敷いてある布団の片方に椎奈を下ろし、手を伸ばす椎奈に応え彼女に覆い被さった。
「電気、消さない?」
「消さない」
「どうしよう」
椎奈は俊に抱きつきながら囁いた。
「私、俊さんのあのときの声を聞いただけで興奮しちゃうのに、俊さんの顔まで見えたら挿れる前にいきそう」
「そういうことを言うのは、今はやめてくれ」
理性がなくなる、と俊は言いながら椎奈の口を自分のそれで塞いだ。
「俺も我慢してるんだ。……椎奈さんの、声と顔のギャップに萌えて歯止めが利く気がしない」
先日の顔合わせのときにこっそり教えてくれたが、俊曰く、椎奈の顔が声と合っていないそうだ。声はキリっとしているのに、顔が可愛すぎるとかなんとか。
「慣らすために、私だけ目隠ししたほうがいいのかな」
俊は動きを止め、椎奈の顔をまじまじ見た。
「それはそれでものすごいそそられる、ヤバいな。想像したけど、俺も……」
「目隠し、やったほうがいい?」
「それは次で……それに椎奈さん、俺の睾丸が左右非対称かどうか見たくないか?」
「え……見たい」
「俺たち、露天風呂に辿り着く前にチェックアウトの時間になりそうだな」
そうかもしれない。
「また来ようよ。家族が増えたときとか、定年後とか」
俊はそうだなと笑った。椎奈が何度見てもときめいてしまう笑顔だ。
「また来よう」
雌花の章 終
俊と椎奈は、俊の提案で温泉宿に旅行にいくことになった。
理由は俊曰く、イチャイチャしたいからだそうだ。
「盆屋はいやなんだよ……女性を抱くのに俺は集中できない。なんかこうフッと、最中に仕事が頭を過るんだよ。摘発とか……違法AVとか」
道中、俊の運転する車の中で彼はぼやき続けた。完全な職業病じゃないか。
「あと一月で一緒に暮らせるのに?」
結納は済ませているし、この地域特色の、親族のみの簡素な式の日取りも決まっている。夫婦用の官舎にも空きができそうだということで押さえてある。空き次第、二人で暮らす予定で、それが一月ほど先になるのだ。
「結婚前ってのがいいんだよ」
「結婚したら行かないの?」
「いや新婚旅行も行く……要するに、自宅以外の場所でも椎奈さんとやりたい」
椎奈は俊の腿をぺちっと叩いた。
温泉だけ楽しむのも悪くはないが、せっかくの旅行なので、宿の近くにあるテーマパークにまず向かった。
ホワイトタイガーのこどもが、一般展示されていた。二人で可愛いねえとガラス越しに眺めていたとき、ふと、椎奈の手を誰かが握った。
驚いて見下ろすと、小さな女の子が、椎奈と同じように驚いた顔で椎奈を見上げていた。彼女はぴゃっと椎奈から手を離し、辺りを見回し、やがてべそをかきはじめた。椎奈は慌ててかがみ込んだ。
「お、お母さんか、お父さんとはぐれちゃったのかな?」
可愛いホワイトタイガーの赤ちゃんに見とれているあいだに、保護者とはぐれたことに気付けず、椎奈を身内と勘違いして手を握ったのだろう。
椎奈の後ろで、俊もしゃがみ、女児に笑いかけた。
「今日はここに、誰と来たのかな?」
「……お、おとさ」
「お父さんかな?」
女の子は泣きながら、もうひとつ訴えた。
「おかさ、も」
「探しに行こうね。こっちのベンチで座っていよっか」
椎奈が声をかけ、背中を押してやると、女の子は泣きながらも従った。
「椎奈さんはここで、女の子といてくれ。俺はスタッフを探してくる」
「はい」
俊が駆けていったあと、椎奈はベンチで座って泣いている女の子の前にしゃがみこんだ。
「お父さんとお母さんは、さっきのお兄さんが探してきてくれるから。ここで待っていようね。ホワイトタイガーの赤ちゃん、可愛かったね」
「……うん」
「今日はどんな動物さんを見たかな。お姉さんも見たいから、おしえてほしいな」
「かめしゃん」
なかなか玄人好みなところを突いてきた。椎奈はここで亀を見ていない。
「かめさんがいたところ、どこか探してみよっか」
園内地図を広げてみたが、亀の表記はない。亀に似た何か他の動物だろうか……亀に似た他の動物って、この世に存在する?
女の子は園内地図が気になったらしく、泣き止んで、それを熱心に眺めはじめた。椎奈はその隙に、連想ゲームさながら亀に似た動物を脳内で探していると、俊がスタッフを連れて戻ってきた。
「おかえりなさい」
「ただいま。この子です」
俊がスタッフに告げると、スタッフは携帯電話で連絡を入れた。ほどなく別のスタッフと、迷子の女の子の家族らしき三人がやってきた。
「おかさん!」
女の子は駆け出し、やってきた女性にしがみ付いた。彼女は泣いている女の子を抱き上げあやしている。父親と思われる男性が、椎奈と俊に感謝を述べに頭を下げた。
「あ」
父親と手をつないでいる男の子が、亀柄の着物を着ていた。
家族四人とスタッフは、再度、椎奈と俊に頭を下げてから去った。
「お疲れ様でした」
「椎奈さんも、お疲れさま。あなたがいてくれてよかった」
俊は腰に手をあて、大仕事のあとのような、緊張が解けた顔をしていた。そういえば、俊はお見合いのとき、女児に声をかけるのは難しいと言っていた。
「連携プレーだったね。私も、俊さんがいてくれて助かった。そういえば、さっきね……」
椎奈は俊から差し出された手を握り、亀の話をしながら、次のエリアへ足を進めた。
俊の取った宿は大浴場もあるが、部屋に小さな露天風呂もあるところだった。今の季節は紅葉も楽しめる。
まずそれぞれ大浴場を楽しみ、部屋に戻って、運ばれてきた料理を楽しみ、人心地したあと、露天風呂を楽しもうという流れになった。
脱衣所で、俊はいそいそと椎奈の角帯を解いている。椎奈はされるがまま、黙っていた。椎奈の帯を完全に落とす前に、俊は椎奈の顔を覗った。椎奈の緊張に気付いたようだ。
「やめたい?」
「違うの。一緒に入りたいけど……こんな明るいところで裸になるのは初めてだから。私の口数が少ないのは、恥ずかしくて」
「そういうことか」
俊は椎奈の帯を落とすと、ぴたりと抱きしめてきた。俊の熱い肌の感触に、椎奈はほぼ嬌声のようなものを洩らした。部屋の空調は整えられ寒くはないが、夏に抱き合ったときより、数倍気持ちがいい。
「檸檬の匂いだ……大浴場を出たあとから、椎奈さんから香りがしてて、ずっとムラムラしてた」
気付いてくれて嬉しい。
俊は椎奈の身頃の中に手を伸ばして、背に腕をくぐらせ、うなじを掴んだ。お見合いの初日の行動をなぞっているのだ。
「ん」
口付けが、深い。ぴたりと合わせた正面で、俊の雄が反応しているのがよく分かる。同じく、椎奈の中もうずいてきた。
「おふろに」
「ん?」
「入る前に……しちゃう、の?」
「確かに、そんな勢いになってきてるな。……布団に戻るか」
そもそも、俊が椎奈の浴衣を脱がせる必要など全くなかった。この流れはなるべくしてなった。
俊は軽々椎奈を抱き上げ、寝室へ戻った。枕を並べて敷いてある布団の片方に椎奈を下ろし、手を伸ばす椎奈に応え彼女に覆い被さった。
「電気、消さない?」
「消さない」
「どうしよう」
椎奈は俊に抱きつきながら囁いた。
「私、俊さんのあのときの声を聞いただけで興奮しちゃうのに、俊さんの顔まで見えたら挿れる前にいきそう」
「そういうことを言うのは、今はやめてくれ」
理性がなくなる、と俊は言いながら椎奈の口を自分のそれで塞いだ。
「俺も我慢してるんだ。……椎奈さんの、声と顔のギャップに萌えて歯止めが利く気がしない」
先日の顔合わせのときにこっそり教えてくれたが、俊曰く、椎奈の顔が声と合っていないそうだ。声はキリっとしているのに、顔が可愛すぎるとかなんとか。
「慣らすために、私だけ目隠ししたほうがいいのかな」
俊は動きを止め、椎奈の顔をまじまじ見た。
「それはそれでものすごいそそられる、ヤバいな。想像したけど、俺も……」
「目隠し、やったほうがいい?」
「それは次で……それに椎奈さん、俺の睾丸が左右非対称かどうか見たくないか?」
「え……見たい」
「俺たち、露天風呂に辿り着く前にチェックアウトの時間になりそうだな」
そうかもしれない。
「また来ようよ。家族が増えたときとか、定年後とか」
俊はそうだなと笑った。椎奈が何度見てもときめいてしまう笑顔だ。
「また来よう」
雌花の章 終
15
お気に入りに追加
37
あなたにおすすめの小説
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
隣国王を本気にさせる方法~誘拐未遂4回目の王女は、他国執着王子から逃げ切ります~
猪本夜
恋愛
プーマ王国のゲスな王子に執着されている王女レティツィア(17歳)は、未遂なものの、何度も王子に誘拐されかけている。
王子の執着と誘拐が怖くてビクビクと大人しく過ごす日々だが、それでも両親と三人の兄たちに溺愛され、甘えつつ甘やかされる日々を送っていた。
そんなある日、レティツィアに海の向こうの隣国アシュワールドの王オスカー(23歳)から婚約者候補の打診が舞い込み――。
愛してくれる両親と兄たちから離れたくないレティツィアは、隣国王オスカーと結婚する気はなく、オスカーに嫌われようと画策する。作戦名はその名も『この子はナイな』作戦。
そして隣国王オスカーも結婚に前向きではない。
風変わりなレティツィアに戸惑うオスカーだが、だんだんとレティツィアの魅力にはまっていく。一方、レティツィアもオスカーのことが気になりだし――。
レティツィアは隣国執着王子から逃げ切ることができるのか。
※小説家になろう様でも投稿中
腹黒王子は、食べ頃を待っている
月密
恋愛
侯爵令嬢のアリシア・ヴェルネがまだ五歳の時、自国の王太子であるリーンハルトと出会った。そしてその僅か一秒後ーー彼から跪かれ結婚を申し込まれる。幼いアリシアは思わず頷いてしまい、それから十三年間彼からの溺愛ならぬ執愛が止まらない。「ハンカチを拾って頂いただけなんです!」それなのに浮気だと言われてしまいーー「悪い子にはお仕置きをしないとね」また今日も彼から淫らなお仕置きをされてーー……。
ハイスぺ副社長になった初恋相手と再会したら、一途な愛を心と身体に刻み込まれました
中山紡希
恋愛
貿易会社の事務員として働く28歳の秋月結乃。
ある日、親友の奈々に高校のクラス会に行こうと誘われる。会社の上司からモラハラを受けている結乃は、その気晴らしに初めてクラス会に参加。賑やかな場所の苦手な結乃はその雰囲気に戸惑うが
そこに十年間片想いを続けている初恋相手の早瀬陽介が現れる。
陽介は国内屈指の大企業である早瀬商事の副社長になっていた。
高校時代、サッカー部の部員とマネージャーという関係だった二人は両片思いだったものの
様々な事情で気持ちが通じ合うことはなかった。
十年ぶりに陽介と言葉を交わし、今も変わらぬ陽介への恋心に気付いた結乃は……?
※甘いイチャイチャ溺愛系のR18シーンが複数個所にありますので、苦手な方はご注意ください。
※こちらはすでに全て書き終えていて、誤字脱字の修正をしながら毎日公開していきます。
少しでも楽しんで頂けたら嬉しいです。
亡くなった夫の不義の子だと言われた子どもを引き取ったら亡くなった婚約者の子どもでした~この子は私が育てます。私は貴方を愛してるわ~
しましまにゃんこ
恋愛
ある日アルカナ公爵家に薄汚い身なりをした一人の娘が連れてこられた。娘の名前はライザ。夫であり、亡きアルカナ公爵の隠し子だと言う。娘の体には明らかに虐待された跡があった。けばけばしく着飾った男爵夫妻は、公爵家の血筋である証拠として、家宝のサファイヤの首飾りを差し出す。ライザはそのサファイヤを受け取ると、公爵令嬢を虐待した罪と、家宝のサファイヤを奪った罪で夫婦を屋敷から追い出すのだった。
ローズはライザに提案する。「私の娘にならない?」若く美しい未亡人のローズと、虐待されて育った娘ライザ。それから二人の奇妙な同居生活が始まる。しかし、ライザの出生にはある大きな秘密が隠されていて。闇属性と光属性を持つライザの本当の両親とは?ローズがライザを引き取って育てる真意とは?
虐げられて育った娘が本当の家族の愛を知り、幸せになるハッピーエンドストーリーです。
小説家になろう、他サイトでも掲載しています。
素敵な表紙イラストは、みこと。様から頂きました。(「悪役令嬢ですが、幸せになってみせますわ!10」「とばり姫は夜に微笑む」コミカライズ大好評発売中!)
悪役令嬢は王太子の妻~毎日溺愛と狂愛の狭間で~
一ノ瀬 彩音
恋愛
悪役令嬢は王太子の妻になると毎日溺愛と狂愛を捧げられ、
快楽漬けの日々を過ごすことになる!
そしてその快感が忘れられなくなった彼女は自ら夫を求めるようになり……!?
※この物語はフィクションです。
R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。
【完結】お義父様と義弟の溺愛が凄すぎる件
百合蝶
恋愛
お母様の再婚でロバーニ・サクチュアリ伯爵の義娘になったアリサ(8歳)。
そこには2歳年下のアレク(6歳)がいた。
いつもツンツンしていて、愛想が悪いが(実話・・・アリサをーーー。)
それに引き替え、ロバーニ義父様はとても、いや異常にアリサに構いたがる!
いいんだけど触りすぎ。
お母様も呆れからの憎しみも・・・
溺愛義父様とツンツンアレクに愛されるアリサ。
デビュタントからアリサを気になる、アイザック殿下が現れーーーーー。
アリサはの気持ちは・・・。
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる