57 / 100
四章 虚空を統べる者
58話
しおりを挟む
「銀の翼。 広域に構成員を持つ冒険者クランで、特筆する成果もなければ逆に悪い噂の一つも上がっていない。 言ってしまえば清廉潔白な組織だ。 いや、だったと言ったほうが良いのかな」
パーシヴァルは手に持っていた資料をテーブルの上に置きながら、小さなため息をついた。
闘いの後、ビャクヤとパーシヴァルが合流し、捕縛したアテネスを憲兵団へと引き渡すことになった。
それからアリアと共に冒険者ギルドの総合窓口へと戻ってきたのだが、俺達の報告を聞いたパーシヴァルの表情は優れない。
自分の管轄にある街でのさばっていた裏組織が、冒険者クランとして堂々と活動してたのだ。ギルドマスターとして思う所があったのだろう。
それだから、という訳ではないだろうがパーシヴァルは食い気味に俺達に質問を繰り返した。
「それで、この銀の翼について、他に情報はあるのかな」
「リーダーの男はハイゼンノードと呼ばれていました。 聞き覚えはありませんか?」
「……その情報は、間違いないんだね?」
「直接会って話しましたから。 魔法の造詣が深い、狂った研究者という風貌でした」
覚えているままの姿を使えると、パーシヴァルは額を抑えた。
そして短くない時間を掛けて、沈黙を破った。
「間違いない。 メイヤード・ハイゼンノード。 私の古くからの友人だよ」
「あの男が友人? ずいぶんと趣味が良いわね」
「まぁ待て、アリア。 パーシヴァルは信頼できる男だ。 我輩が保証しよう」
噛みつくアリア。だがそれほどにパーシヴァルの言葉は衝撃的だった。
あれほどの狂人と、英雄的な冒険者だったパーシヴァル。
その接点が気になるところだが、パーシヴァル本人の様子を見るに深入りするのは難しそうだ。
疑念の視線を送っているアリアを、ビャクヤが宥める。
「気になっていたんだが、そちらのお嬢さんはどなたかな」
「この子はアリア。 偶然、銀の翼に追われていた所を保護したんです」
「なるほど。 それで幽霊を追っていたはずの君たちが、裏組織との抗争を巻き起こしていると」
「すみません。 少し、事情が複雑で」
そんなもっともな意見に、苦笑を浮かべる。
幽霊屋敷の調査を命じたはずが、街の裏組織と抗争を繰り広げているのだ。疑念や怒りのひとつやふたつ、湧いて当然だった。パーシヴァルも何やら事情を察してくれているが、本来なら依頼の中止か失敗の判断を下されてもおかしくはない。
寛容な処置に感謝すると同時に、謝罪もしておく。
ただそんな空気を、アリアは物ともせずに、言い放った。
「その幽霊が私よ。 私が人形を使って、人々を殺めていたの」
空気が重くなるのを、肌で感じた。
見ればパーシヴァルの表情から温厚さが消えていた。
「本当かい? ふたりとも」
「済まぬ、パーシヴァル。 お主からの信頼を裏切るような形になってしまったが、この選択が間違っているとは思えぬのだ」
「いえ、俺が判断したことです。 ビャクヤはアリアを引き渡すよう言っていましたが、俺が強引に事情を聞こうとして、状況をかき回してしまいました」
けっして遊び半分で事に首を突っ込んでいるわけではない。
それが伝わったのか、パーシヴァルは小さく息を吐いて、背もたれに体を預けた。
「過ぎてしまったことは仕方がない。 今は憲兵団も銀の翼の本部強襲作戦に人手を割かれている。 その後にゆっくりと事情を聴いて、事後処理を行おう」
「その必要はないわ。 これ以上、手を煩わせるわけにはいかないもの。 これは私の問題だから。 私が全て話して、終わらせる。 銀の翼の構成員だった私が」
「……なるほど。 ようやく話が繋がってきたね。 詳しく話を聞かせてもらえるかな? 嘘偽りなく、全て正直に」
「もちろんよ」
そして、アリアは全てを話した。孤児院に捨てられたこと。そこをで迫害されたこと。そして、自分を本当の名前で呼ぶ女性や、アリアが銀の翼に入団した経緯。そして、取り返しのつかない復讐と、それに対する罪滅ぼし。人形による殺人の真意と真相。
全てを聞いたパーシヴァルは、一つの質問を問いかけた。
「人形による被害の真相は分かった。 だが聞きたいのは、君が銀の翼として誰かを殺したか、だ。 それによっては、君に課せられる罰は大きく変わってくる」
「私が銀の翼の一員として、最初に命じられたのは一人の女性の殺害。 今は商人街に住んでる、ひとりの女性よ」
「それは?」
「ナナリア・ティレット。 凄い腕のいい人形職人ね」
聞き覚えの無い名前に、パーシヴァルが眉をひそめる。
これがもっと大物、それこそパーシヴァルの様な街に必要不可欠な人間の名前が上がったなら、また話は別だっただろう。だが暗殺の英才教育を施したアリアに与えられたのが人形を作る女性の暗殺となれば、首をひねらざるをえない。
もちろんナナリアなる名前は俺達も初耳だ。パーシヴァルの問い掛けるような視線に首を横に振る。
「待ってくれ。 銀の翼は何の関係もない人間を標的に定めるのか?」
「いいえ、関係ない相手を標的にすることは殆どないわ。 その女性が銀の翼に関りのある人間という訳でもないし、敵対している組織の構成員でもない。 でもその女性を標的にすることで銀の翼に利点があったの」
「それは?」
「ナナリア・ティレットは、ウェブルス家の子孫。 そして、私を捨てた張本人よ」
その衝撃に、言葉を失った。
アリアにその女性を狙われる事の意味。
そして銀の翼の狙いというのは、つまり――
「母親を殺す程の忠誠心があるか、私を試したのよ。 あの狂った研究者は」
パーシヴァルは手に持っていた資料をテーブルの上に置きながら、小さなため息をついた。
闘いの後、ビャクヤとパーシヴァルが合流し、捕縛したアテネスを憲兵団へと引き渡すことになった。
それからアリアと共に冒険者ギルドの総合窓口へと戻ってきたのだが、俺達の報告を聞いたパーシヴァルの表情は優れない。
自分の管轄にある街でのさばっていた裏組織が、冒険者クランとして堂々と活動してたのだ。ギルドマスターとして思う所があったのだろう。
それだから、という訳ではないだろうがパーシヴァルは食い気味に俺達に質問を繰り返した。
「それで、この銀の翼について、他に情報はあるのかな」
「リーダーの男はハイゼンノードと呼ばれていました。 聞き覚えはありませんか?」
「……その情報は、間違いないんだね?」
「直接会って話しましたから。 魔法の造詣が深い、狂った研究者という風貌でした」
覚えているままの姿を使えると、パーシヴァルは額を抑えた。
そして短くない時間を掛けて、沈黙を破った。
「間違いない。 メイヤード・ハイゼンノード。 私の古くからの友人だよ」
「あの男が友人? ずいぶんと趣味が良いわね」
「まぁ待て、アリア。 パーシヴァルは信頼できる男だ。 我輩が保証しよう」
噛みつくアリア。だがそれほどにパーシヴァルの言葉は衝撃的だった。
あれほどの狂人と、英雄的な冒険者だったパーシヴァル。
その接点が気になるところだが、パーシヴァル本人の様子を見るに深入りするのは難しそうだ。
疑念の視線を送っているアリアを、ビャクヤが宥める。
「気になっていたんだが、そちらのお嬢さんはどなたかな」
「この子はアリア。 偶然、銀の翼に追われていた所を保護したんです」
「なるほど。 それで幽霊を追っていたはずの君たちが、裏組織との抗争を巻き起こしていると」
「すみません。 少し、事情が複雑で」
そんなもっともな意見に、苦笑を浮かべる。
幽霊屋敷の調査を命じたはずが、街の裏組織と抗争を繰り広げているのだ。疑念や怒りのひとつやふたつ、湧いて当然だった。パーシヴァルも何やら事情を察してくれているが、本来なら依頼の中止か失敗の判断を下されてもおかしくはない。
寛容な処置に感謝すると同時に、謝罪もしておく。
ただそんな空気を、アリアは物ともせずに、言い放った。
「その幽霊が私よ。 私が人形を使って、人々を殺めていたの」
空気が重くなるのを、肌で感じた。
見ればパーシヴァルの表情から温厚さが消えていた。
「本当かい? ふたりとも」
「済まぬ、パーシヴァル。 お主からの信頼を裏切るような形になってしまったが、この選択が間違っているとは思えぬのだ」
「いえ、俺が判断したことです。 ビャクヤはアリアを引き渡すよう言っていましたが、俺が強引に事情を聞こうとして、状況をかき回してしまいました」
けっして遊び半分で事に首を突っ込んでいるわけではない。
それが伝わったのか、パーシヴァルは小さく息を吐いて、背もたれに体を預けた。
「過ぎてしまったことは仕方がない。 今は憲兵団も銀の翼の本部強襲作戦に人手を割かれている。 その後にゆっくりと事情を聴いて、事後処理を行おう」
「その必要はないわ。 これ以上、手を煩わせるわけにはいかないもの。 これは私の問題だから。 私が全て話して、終わらせる。 銀の翼の構成員だった私が」
「……なるほど。 ようやく話が繋がってきたね。 詳しく話を聞かせてもらえるかな? 嘘偽りなく、全て正直に」
「もちろんよ」
そして、アリアは全てを話した。孤児院に捨てられたこと。そこをで迫害されたこと。そして、自分を本当の名前で呼ぶ女性や、アリアが銀の翼に入団した経緯。そして、取り返しのつかない復讐と、それに対する罪滅ぼし。人形による殺人の真意と真相。
全てを聞いたパーシヴァルは、一つの質問を問いかけた。
「人形による被害の真相は分かった。 だが聞きたいのは、君が銀の翼として誰かを殺したか、だ。 それによっては、君に課せられる罰は大きく変わってくる」
「私が銀の翼の一員として、最初に命じられたのは一人の女性の殺害。 今は商人街に住んでる、ひとりの女性よ」
「それは?」
「ナナリア・ティレット。 凄い腕のいい人形職人ね」
聞き覚えの無い名前に、パーシヴァルが眉をひそめる。
これがもっと大物、それこそパーシヴァルの様な街に必要不可欠な人間の名前が上がったなら、また話は別だっただろう。だが暗殺の英才教育を施したアリアに与えられたのが人形を作る女性の暗殺となれば、首をひねらざるをえない。
もちろんナナリアなる名前は俺達も初耳だ。パーシヴァルの問い掛けるような視線に首を横に振る。
「待ってくれ。 銀の翼は何の関係もない人間を標的に定めるのか?」
「いいえ、関係ない相手を標的にすることは殆どないわ。 その女性が銀の翼に関りのある人間という訳でもないし、敵対している組織の構成員でもない。 でもその女性を標的にすることで銀の翼に利点があったの」
「それは?」
「ナナリア・ティレットは、ウェブルス家の子孫。 そして、私を捨てた張本人よ」
その衝撃に、言葉を失った。
アリアにその女性を狙われる事の意味。
そして銀の翼の狙いというのは、つまり――
「母親を殺す程の忠誠心があるか、私を試したのよ。 あの狂った研究者は」
0
お気に入りに追加
83
あなたにおすすめの小説
パーティーから追放され婚約者を寝取られ家から勘当、の三拍子揃った元貴族は、いずれ竜をも倒す大英雄へ ~もはやマイナスからの成り上がり英雄譚~
一条おかゆ
ファンタジー
貴族の青年、イオは冒険者パーティーの中衛。
彼はレベルの低さゆえにパーティーを追放され、さらに婚約者を寝取られ、家からも追放されてしまう。
全てを失って悲しみに打ちひしがれるイオだったが、騎士学校時代の同級生、ベガに拾われる。
「──イオを勧誘しにきたんだ」
ベガと二人で新たなパーティーを組んだイオ。
ダンジョンへと向かい、そこで自身の本当の才能──『対人能力』に気が付いた。
そして心機一転。
「前よりも強いパーティーを作って、前よりも良い婚約者を貰って、前よりも格の高い家の者となる」
今までの全てを見返すことを目標に、彼は成り上がることを決意する。
これは、そんな英雄譚。
治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~
大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」
唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。
そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。
「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」
「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」
一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。
これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。
※小説家になろう様でも連載しております。
2021/02/12日、完結しました。
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜
サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」
孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。
淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。
だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。
1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。
スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。
それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。
それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。
増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。
一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。
冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。
これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。
かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。
『殺す』スキルを授かったけど使えなかったので追放されました。お願いなので静かに暮らさせてください。
晴行
ファンタジー
ぼっち高校生、冷泉刹華(れいぜい=せつか)は突然クラスごと異世界への召喚に巻き込まれる。スキル付与の儀式で物騒な名前のスキルを授かるも、試したところ大した能力ではないと判明。いじめをするようなクラスメイトに「ビビらせんな」と邪険にされ、そして聖女に「スキル使えないならいらないからどっか行け」と拷問されわずかな金やアイテムすら与えられずに放り出され、着の身着のままで異世界をさまよう羽目になる。しかし路頭に迷う彼はまだ気がついていなかった。自らのスキルのあまりのチートさゆえ、世界のすべてを『殺す』権利を手に入れてしまったことを。不思議なことに自然と集まってくる可愛い女の子たちを襲う、残酷な運命を『殺し』、理不尽に偉ぶった奴らや強大な敵、クラスメイト達を蚊を払うようにあしらう。おかしいな、俺は独りで静かに暮らしたいだけなんだがと思いながら――。
追放?俺にとっては解放だ!~自惚れ勇者パーティに付き合いきれなくなった俺、捨てられた女神を助けてジョブ【楽園創造者】を授かり人生を謳歌する~
和成ソウイチ
ファンタジー
(全77話完結)【あなたの楽園、タダで創ります! 追放先はこちらへ】
「スカウトはダサい。男はつまらん。つーことでラクター、お前はクビな」
――その言葉を待ってたよ勇者スカル。じゃあな。
勇者のパワハラに愛想を尽かしていたスカウトのラクターは、クビ宣告を幸いに勇者パーティを出て行く。
かつては憧れていた勇者。だからこそここまで我慢してきたが、今はむしろ、追放されて心が晴れやかだった。
彼はスカルに仕える前から――いや、生まれた瞬間から決めていたことがあった。
一生懸命に生きる奴をリスペクトしよう。
実はラクターは転生者だった。生前、同じようにボロ布のようにこき使われていた幼馴染の同僚を失って以来、一生懸命に生きていても報われない奴の力になりたいと考え続けていた彼。だが、転生者であるにも関わらずラクターにはまだ、特別な力はなかった。
ところが、追放された直後にとある女神を救ったことでラクターの人生は一変する。
どうやら勇者パーティのせいで女神でありながら奴隷として売り飛ばされたらしい。
解放した女神が憑依したことにより、ラクターはジョブ【楽園創造者】に目覚める。
その能力は、文字通り理想とする空間を自由に創造できるチートなものだった。
しばらくひとりで暮らしたかったラクターは、ふと気付く。
――一生懸命生きてるのは、何も人間だけじゃないよな?
こうして人里離れた森の中で動植物たちのために【楽園創造者】の力を使い、彼らと共存生活を始めたラクター。
そこで彼は、神獣の忘れ形見の人狼少女や御神木の大精霊たちと出逢い、楽園を大きくしていく。
さらには、とある事件をきっかけに理不尽に追放された人々のために無料で楽園を創る活動を開始する。
やがてラクターは彼を慕う大勢の仲間たちとともに、自分たちだけの楽園で人生を謳歌するのだった。
一方、ラクターを追放し、さらには彼と敵対したことをきっかけに、スカルを始めとした勇者パーティは急速に衰退していく。
(他サイトでも投稿中)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる