女王直属女体拷問吏

那羽都レン

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【第3章】女騎士の秘裂

第16話:開脚

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「お待たせしました。
 アルシス伯爵家次男セオドールです」
「この度、近衛隊長の任を賜ったルフェリア=ロークスだ。
 夜分に申し訳ない」

 俺が身支度を整えて応接間に入ると、そこには紫色の長い髪をポニーテールに纏めた女騎士が立っていた。
 凛々しい美貌に鋭い眼光を携えたその女性は、アリアーヌの言葉にもあった通り、新任の近衛隊長であると名乗った。
 俺達は共に挨拶口上を述べた後、応接間のソファへと向かい合うようにして座る。
 そこに、アリアーヌがティーカップ二つとティーポットをお盆に載せて運んできた。

「どうぞ」
「ああ、かたじけない」

 アリアーヌがポットから紅茶を注ぎ、カップをルフェリアの前に置く。
 しかし、彼女は礼を言いつつも中々カップに口を付けようとしなかった。

「セオドール様も」
「ああ、すまない」

 俺が自分の分のカップを受け取って口を付けると、それを確認してから初めてルフェリアはカップに口を付けた。
 どうやら、俺はこの新任の近衛隊長を名乗る女騎士に全く信用されていないらしい。

「それで、先程、近衛隊長に就任されたと仰いましたが……何故近衛隊長が代替わりを?
 そもそも、前の近衛隊長はどうされたのです?」
「前女王の近衛隊長ならば牢の中だ」
「前女王?」

 話の流れから概ねの所は理解出来たが、俺は敢えて初耳のように振る舞った。
 詰まる所、やはり目の前の女騎士は女王を追い落としたシェレイラ王女側の人間ということなのだろう。
 そして、取り逃がした女王を捉えるために俺のところへと訪れたに違いない。

 その証拠に、彼女はカマを掛けるような発言をしながら、こちらの様子を窺うことを続けている。

「うむ、前の女王が廃され新たにシェレイラ様が女王位に就くことになった」
「前の女王陛下はどうされたのです?」
「それが生憎と行方知れずなのだ。
 心当たりがあれば是非とも伺いたいのだが?」
「残念ながら、心当たりがないですね」

 俺が空っとぼけて見せると、見る見るうちに女騎士の目が吊り上がってゆく。
 しかし、彼女が強硬な行動に出ることは無かった。
 ガシャンという音と共に、彼女の手から零れ落ちたカップが割れ、中身の紅茶がぶちまけられる。

「くっ、莫迦な!? 一体、どうやって……」

 強烈な眠気に襲われた彼女は、右手で頭を押さえて必死に抗うが、堪え切れずにテーブルへと突っ伏した。
 驚愕しているのはおそらく、警戒して先に俺が飲むのを確認してから飲んだのに何故睡眠薬が入っているのかという点について。
 一つのポットから注いだ以上、俺のカップに薬が入っていなければ安全だと判断したのだろう。
 しかし、結果を見れば彼女のカップに注がれた紅茶には薬が入っていた。

 尤も、その答えは簡単──。

「ぐ……」

 ──俺も飲まされたからだ。



 † † † † † † † †



「ん……」
「目が醒めたか」

 意識を取り戻した俺の視界には、先程とは異なる石造りの部屋の天井が映った。
 どうやら、眠っている間に運ばれたらしい。
 声のした方を向くと、そこには銀色の髪の美しい少女の姿があった。

 横になっていたソファの上から身を起こすが、薬が抜け切っていないのか頭が重い。
 俺は頭をハッキリさせるために何度か振るった。

「大丈夫か?」
「………………」
「おい、聞いているのか? セオドおひぃ!?」

 無言を続ける俺に苛立ったような表情を見せる女王だが、途中で裏返った悲鳴と主にその表情が歪む。
 勿論、俺が手を伸ばして彼女の肛門に指を捻じ込んだからだ。

「い、いきなり何をする!? あ、ちょ、抜き差しするなぁ!」
「いきなり何を、はこちらの台詞です。何で睡眠薬なんか盛ったんですか」

 アリアーヌが独断でやるとも思えないし、今こうして眠らされた俺の傍に居たことからも、犯人は目の前の女王だと思って間違いないだろう。

「それは勿論、追手に対処するために決まってるだろう」
「俺まで巻き込まないで欲しいのですが」
「仕方あるまい。
 あの女騎士だけに睡眠薬を飲ませるような器用な真似は出来んのだから」
「やれやれ……そう言えば、彼女は何処に?」

 俺はあくまで巻き添えになっただけで、メインのターゲットはあの新任近衛隊長だという話だ。
 もしそうなら、その当人は何処に居るのだろうか。

「ああ、あ奴ならそこだ」

 女王が顎で指した方に視線を向けると、そこには……。

「……何やってるんですか」

 俺は頭を抱えながら女王に突っ込みを入れる。
 視線の先にあったのは、頭を下にして拘束されている紫髪の女性……ルフェリアの姿だった。
 此処で初めて俺はこの場所が屋敷の地下に設けた拷問部屋だと言うことに気付いた。

 その女性はほぼ百八十度になるまで開脚された状態で太腿や足首を縛り上げられており、剥き出しの下半身が丸見えになっている。
 頭に血が昇り過ぎないように斜めにして床の上に置かれたクッションの上に載せられているが、何の慰めにもならないだろう。
 目を閉じたまま動かないところを見ると、まだ意識を取り戻してはいないようだ。

 股間は髪と同じ紫色の陰毛によって飾られているが、綺麗に整えられて恥丘に一つまみ楚々とあるだけなので、秘裂を隠す役には立っていない。
 男性経験がないと一目で分かる綺麗な桃色の溝が、大きく広げられた脚に引っ張られるようにして口を開いていた。

 反射的に目を凝らしてみたが、光を放っているのはまさに今目の前に晒されている秘裂だった。
 どうやら彼女はオーソドックスに陰部が弱点のようだ。
 その意味では、女王が勝手にやったこの拘束はまさに彼女に適していると言える。
 女王がそれを分かっててやったのか偶々なのかは分からないが。

「こやつはシェレイラの元親衛隊長で腹心だ。
 お前の色責めで屈服させよ」
「させて、どうするんです?」
「決まっている。シェレイラの権力を突き崩すのだ」

 キッパリと告げる女王の姿に、俺は違和感を覚えた。
 元々彼女は王としての責務を果たそうと懸命な女性ではあるが、王位に固執していたわけではなかった筈だ。
 むしろ、誰かが代わってくれるなら喜んで代わりそうな印象だった。
 手段を問わず王位を取り戻そうとする今の彼女の姿勢には疑問を感じる。

「陛下が王位に拘ってるとは思いませんでしたね」
「別に、王位に拘っているわけではない。
 私は元々、望む者が居るのであればくれてやっても構わんと思っているぞ。
 但し、それが国を正しく治められる者であればの話だ」
「シェレイラ王女には無理だと?」
「あれは……そうだな、一言で言えば我慢の効かない子供だ。
 到底国を任せられるような器ではない」

 俺は噂程度にしかシェレイラ王女のことは知らないが、女王がそう言うのならばそうなのだろう。

「しかし、こんなことをしたら後に引けませんよ?
 彼女が戻らなければこの屋敷はあっと言う間に包囲されるでしょう。
 残り時間もそう多くは無い筈です」
「……巻き込んで済まないとは思ってる。
 王位を取り戻したら、相応に報いるつもりだ。
 それに、お前なら短時間でもこやつを屈服させられると信じている」

 女王からの喜んでいいのか迷う評価に、俺は肩を竦めた。
 行き当たりばったりにも思えるこの状況だが、そもそも彼女はどうして睡眠薬などを持っていたのか。
 どうやら、俺は完全に掌の上に載せられていたらしい。
 追手が来ることも、それがどんな人物なのかも、そしてその対処も……全ては女王の計算の内なのだろう。

「貴女が此処に逃げ込んできた時点で既に一蓮托生だったわけですか。
 まぁ、後に引けない以上はやるしかないですね」

 俺はソファから立ち上がり、未だ眠り続ける女騎士の秘裂を責めるために道具を揃え始めた。
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