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14.断らないでくれ sideエドモンド
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sideエドモンド
恋…俺が、フローリアに恋?まさか、俺が?
「そもそも、俺は、フローリアの9歳年上だぞ。対象外だろ」
年の差があるんだ、それに彼女はまだ若い。俺のような男を恋愛対象として見るはずがないだろ。
「何言ってんの。1桁差じゃない。10や20年上なんて貴族の結婚じゃ普通よ」
貴族…怖えな。
「‥フローリアは確かに可愛い。人見知りをするのに、俺には普通に話しかけてくれるし、一緒に歩いているとき人が見えると、さっと俺の陰に隠れる、いや俺も隠すがな。頑張っている姿を応援したいが無理をしてほしくはない。庇護欲って言うか、…恋じゃないだろ?」
呆れ顔のサラが、首を振る。
「いやいや、砂糖を吐きそうだわ。甘い、甘すぎるわ。もう何なの?いい、そうね、あなたの部下のロナンあたりでいいわ。ロナンに気を許して嬉しそうに話すフローリア。ロナンと仲良く歩き、貴方とすれ違う時にさっとロナンの陰に隠れるフローリア。一生懸命頑張るフローリアに差し入れをするロナン。はい、どう?」
「…ロナン、殺す…」
俺に隠れて何をやっているんだあいつは!
「例えばだから、殺すなよ。だが、ああ、間違いなく恋だな」
「恋よね。重度の…」
団長とサラが、ため息をつきながら言った。
「いや、しかし…」
「はぁ、頑なね。まあ、いいわ。可愛らしくなったフローリアを見て、自分の気持ちに向き合ったらいいわ。はい、じゃあ疲れたから、もう行ってよし」
俺は副団長だぞ…犬みたいな扱いをするなよ、と心の中でぼやきながらも、サラの言葉に従って部屋を出る。頭の中は未だ混乱していて、何が何だか分からない。仕事はまだ山積みのはずなのに、足は自然と医療室へと向かっていた。
***
「…おい、爺さん元気か?」
「おお、久しぶりじゃな。お前よりは元気だ、どうした」
「いや…フローリアは今日来たか?」
今は手伝っている時間帯だと思ったが…
「ああ、あそこで口説かれておるぞ」
なんだと!口説かれている?っ!なぜ爺さんは止めない!くそ、にやにやしやがって。急いで、爺さんが指をさした方へと急ぐ。ロナン!やはり貴様か!!
「ねえ、ねえフローリアちゃん。今度の休みってどうしてる?もしよかったら俺と…」
「…おい、ロナン。お前、訓練はどうした」
思ったより低い声が出た。ロナンが、ぎぎぎと音を立てて振り返る。
「ふ、副団長?どうしてここに?あ、俺は腹が痛くて…」
「その様子じゃ、もう治っただろ?早く戻れ」
フローリアの目の前から消えろ。
「あ、ちょっとフローリアちゃんとまだ話の途中で…」
「は?お前は、何を調子に乗っている。フローリアは、お前からの差し入れは受け取らないし、隣も歩かん」
「え?差し入れ?隣?何のことです?あ、ちょっと首根っこつかまないで…行きます。行きますからぁ」
首をさすりながら、恨めしそうにこちらを見て帰っていくロナン。油断も隙もない。
「大丈夫かフローリア?」
「大丈夫ですよ?ふふ、最近お休みの日に誘われることが多くて。一人でいるからでしょうか、皆さん気を遣ってくださっているのですよね。申し訳ないのでお断りしていますが、嬉しいです」
「…俺が誘っても、断るか?」
頼む、断らないでくれ
「えーと、気を遣わなくていいのですよ?」
「気を遣ってない。俺がフローリアと出かけたいんだ。あ、いや、その。実は行ってみたいカフェがあってな。男一人じゃ入りにくいって言うか、フローリアは甘いものが好きだろ?」
「そういうことでしたら、是非!ふふ、楽しみです。お休みが合う日を後で確認しましょうね」
「ああ!」
ほのかに頬が赤く染まるフローリアを見て、胸が高鳴る。艶のある髪や透き通るような肌。確かに、目を凝らすとその美しさに、改めて心を奪われる。サラの言った通りだ。今まで気づかなかったが、フローリアの顔立ちは驚くほど整っている。
行ってみたいカフェなど、本当はない。だが、彼女と一緒に過ごせる時間を作りたい。そのためならどんな理由でも構わない。まだサラは団長室に居るだろうか。人気の店を聞いてみないと。
そうだな、意識をしてしまえば疑いようがない。認めよう恋だと。誰にも渡したくないのだと。
恋…俺が、フローリアに恋?まさか、俺が?
「そもそも、俺は、フローリアの9歳年上だぞ。対象外だろ」
年の差があるんだ、それに彼女はまだ若い。俺のような男を恋愛対象として見るはずがないだろ。
「何言ってんの。1桁差じゃない。10や20年上なんて貴族の結婚じゃ普通よ」
貴族…怖えな。
「‥フローリアは確かに可愛い。人見知りをするのに、俺には普通に話しかけてくれるし、一緒に歩いているとき人が見えると、さっと俺の陰に隠れる、いや俺も隠すがな。頑張っている姿を応援したいが無理をしてほしくはない。庇護欲って言うか、…恋じゃないだろ?」
呆れ顔のサラが、首を振る。
「いやいや、砂糖を吐きそうだわ。甘い、甘すぎるわ。もう何なの?いい、そうね、あなたの部下のロナンあたりでいいわ。ロナンに気を許して嬉しそうに話すフローリア。ロナンと仲良く歩き、貴方とすれ違う時にさっとロナンの陰に隠れるフローリア。一生懸命頑張るフローリアに差し入れをするロナン。はい、どう?」
「…ロナン、殺す…」
俺に隠れて何をやっているんだあいつは!
「例えばだから、殺すなよ。だが、ああ、間違いなく恋だな」
「恋よね。重度の…」
団長とサラが、ため息をつきながら言った。
「いや、しかし…」
「はぁ、頑なね。まあ、いいわ。可愛らしくなったフローリアを見て、自分の気持ちに向き合ったらいいわ。はい、じゃあ疲れたから、もう行ってよし」
俺は副団長だぞ…犬みたいな扱いをするなよ、と心の中でぼやきながらも、サラの言葉に従って部屋を出る。頭の中は未だ混乱していて、何が何だか分からない。仕事はまだ山積みのはずなのに、足は自然と医療室へと向かっていた。
***
「…おい、爺さん元気か?」
「おお、久しぶりじゃな。お前よりは元気だ、どうした」
「いや…フローリアは今日来たか?」
今は手伝っている時間帯だと思ったが…
「ああ、あそこで口説かれておるぞ」
なんだと!口説かれている?っ!なぜ爺さんは止めない!くそ、にやにやしやがって。急いで、爺さんが指をさした方へと急ぐ。ロナン!やはり貴様か!!
「ねえ、ねえフローリアちゃん。今度の休みってどうしてる?もしよかったら俺と…」
「…おい、ロナン。お前、訓練はどうした」
思ったより低い声が出た。ロナンが、ぎぎぎと音を立てて振り返る。
「ふ、副団長?どうしてここに?あ、俺は腹が痛くて…」
「その様子じゃ、もう治っただろ?早く戻れ」
フローリアの目の前から消えろ。
「あ、ちょっとフローリアちゃんとまだ話の途中で…」
「は?お前は、何を調子に乗っている。フローリアは、お前からの差し入れは受け取らないし、隣も歩かん」
「え?差し入れ?隣?何のことです?あ、ちょっと首根っこつかまないで…行きます。行きますからぁ」
首をさすりながら、恨めしそうにこちらを見て帰っていくロナン。油断も隙もない。
「大丈夫かフローリア?」
「大丈夫ですよ?ふふ、最近お休みの日に誘われることが多くて。一人でいるからでしょうか、皆さん気を遣ってくださっているのですよね。申し訳ないのでお断りしていますが、嬉しいです」
「…俺が誘っても、断るか?」
頼む、断らないでくれ
「えーと、気を遣わなくていいのですよ?」
「気を遣ってない。俺がフローリアと出かけたいんだ。あ、いや、その。実は行ってみたいカフェがあってな。男一人じゃ入りにくいって言うか、フローリアは甘いものが好きだろ?」
「そういうことでしたら、是非!ふふ、楽しみです。お休みが合う日を後で確認しましょうね」
「ああ!」
ほのかに頬が赤く染まるフローリアを見て、胸が高鳴る。艶のある髪や透き通るような肌。確かに、目を凝らすとその美しさに、改めて心を奪われる。サラの言った通りだ。今まで気づかなかったが、フローリアの顔立ちは驚くほど整っている。
行ってみたいカフェなど、本当はない。だが、彼女と一緒に過ごせる時間を作りたい。そのためならどんな理由でも構わない。まだサラは団長室に居るだろうか。人気の店を聞いてみないと。
そうだな、意識をしてしまえば疑いようがない。認めよう恋だと。誰にも渡したくないのだと。
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