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第2章

14剣のその後

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「ボニー、ただいま?」

最後の転移を終え、玄関ホールへたどり着く。

ちょうど目の前にはボニー。


ガッシャーーーーン。ボニーが持っていたハーバリウムを落としたわ。うわーオイルの掃除大変そうね…。


「お嬢さまーーーー。ああ、ご無事で!!急に目の前から消えた時には、もう、もう、生きた心地がしま゛せんでじだーーー。」


ごめんなさい、ボニー…。今回は不可抗力なのよ…。
ああ、セルジュが急いで奥へ行くわ。お母さまを呼びに行ったのね…。


お父様が肩に手置く。そのがんばれよっていう顔はなんですの?いやーーー恐怖が増すわ。


「…アリー?アリー!」

淑女のお母様が走ってきて私に抱き着く。


「アリー、ああ、アリー…辺境伯領から早馬がつくまで、身が引き裂かれる思いだったわ。どれだけの人が心配したと思うの。」


「…ごめんなさい、お母様」


「無事で、無事で本当によかった…。」


全く離れる気がないお母様を抱きしめ返す。
説教パターンではなく、泣かれるパターンだった。こっちのほうが辛いわ…。


まあ、この後、長時間、剣について説教されることにはなったのだけれど…
こんなことなら、辺境伯様に一筆書いてもらうべきだったわ。


********************

辺境伯領から戻り、2週間後。  


ノエル様が、国王陛下から剣を下賜されるということで、それに立ち会うことになった。

辺境伯様とお父様が、国王陛下と上手く話をつけてくださり、『異常に増えた魔獣をだれよりも討伐し、希少な大きさの魔石を国に納めた功績』の褒賞としての剣の下賜ということになったそうだ。


付与した剣を王宮に返却したことは一部の者にしか知らされず、皇太子からいただいた剣を帯剣していない不自然さを拭うため、今回の件に至ったとのこと。そうよね、普通、国王陛下からいただいたものを優先して使うから、ばれないって寸法ね。


華やかで美しい盛装のノエル様。やらかした後にこんなことを言うのはなんですが、目の保養。ほれぼれします。


あら、下賜される剣にも魔石がついているわね。

身を護るくらいの付与ならこっそりいいかしら?ダメよね…、あ!失くしたら自動で戻ってくるとかはどう?いいわね。



ん?推しがこっちを見ている。口が動いているわね。
なになに、

『アリー、だめだよ。』


…!!!勘がよすぎます!!え?もしや、顔に書いてありましたか?そんな馬鹿な。
い、いやですわ。こんなにご迷惑をかけておいて、そんなことするわけないじゃないですか?おほ、おほほほ…
扇子で顔をぎりぎりまで隠す。



…麗しいノエル様が、微苦笑していらっしゃるわ…。



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