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第2章
5シナリオ通り
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ノエル様が同じ王都にいる。これでいつでも好きな時に会える。
と、思っていたのだけれど…来年の私の入学にむけ、王宮での皇太子妃教育が再開されることになり、結局週末も思うようにお会いできない。
「お兄様、学院生活は、どうですか?」
夕食が終わり、部屋でお兄様とお茶をする。
「そうだね、比較的自由な校風だけど、自分の目指す未来に向かって切磋琢磨しているしている人が多くてとても刺激になるよ。教育水準は、隣国のほうが高めだけれどね。」
「それは素晴らしいですね。来年の入学が楽しみになってきました。」
「まあ、自由を勘違いしている輩もいるけどね…」
お兄様の顔が険しくなった。
「アリー、言うかどうか迷っていたんだけど…実は、皇太子殿下が、同じ1年の男爵令嬢と懇意なのだ。私から見ると、令嬢は、貴族としての常識がないように見えるのだが、殿下は、それを天真爛漫ととらえているように感じる。」
来たわ。ヒロインね。
「皇太子殿下は…アリーがあんなに教育を頑張っていることもご存じなはずなのに!そもそも私の天使アリーのほうが、愛らしく賢く素晴らしいレディだというのに!!父上たちも憤慨している。」
どうどう、お兄様落ち着いて。知っていましたから。
「…ノエルもすごく心配している。」
それはいけないわ!!
「お兄様、私は大丈夫です。ノエル様にもそうお伝えください。私は、今やるべきことを頑張るのみです。」
「…っ!わかった。大丈夫だよ、アリーを誰にも傷つけさせないから。そうだ!アリー、今週末は、王宮に行かなくてもよいのだったね。久しぶりにノエルが遊びに来るんだ。3人でお茶でもどうだい?」
「本当ですか?すごくすごく楽しみです。」
ああ、何を着ましょう。お菓子の準備をしなくては!庭のお花の確認もして、あ!雨が降ったらどこの部屋でお茶をしましょう。さっそく準備にかからなくっちゃ。
********************
「アリー久しぶりだね。ちょっと会わないと急に大人になったような気がして、心配になるよ。」
優しく微笑むノエル様。
こちらのセリフです。神々がつくりたもうた至上の造形物ノエル様。新しい衝撃を毎回与えてくださる。本日のお召し物も素敵です。
マーガレットの花束を私に?どうしましょう。ドライフラワー、プリザーブドフラワー?ハーバリウムよ!!永遠に枯れないようにしなきゃ。
みずみずしい若葉を揺らす風が心地よい庭で、お茶会が始まった。
「…アリー、ユーグから、その、皇太子殿下の話を聞いたのか?」
「ええ、そうですわね。そのあと皇太子殿下にお会いする機会がありませんでしたので、こちらからは何も確認してはいませんが…今後も聞く予定はございません。」
辛そうな表情のノエル様。
「ノエル、アリーには、気にも留めなくていい相手だと伝えておいた。」
「ああ、その通りだ。アリーが入学するころには、皇太子殿下の気持ちも落ち着くだろう。今は、物珍しく思っておいでなのだ。何も心配することはない。」
「ふふ、お二人ともありがとうございます。私としましては、お二人がいてくださるのですもの。心強い限りです。」
よし、この話はやめようと3人で笑い合う。
これでヒロインと皇太子がシナリオ通り惹かれ合うことは決定した。私が気にしなくてはいけないのは、私の死とノエル様の未来のみ。
と、思っていたのだけれど…来年の私の入学にむけ、王宮での皇太子妃教育が再開されることになり、結局週末も思うようにお会いできない。
「お兄様、学院生活は、どうですか?」
夕食が終わり、部屋でお兄様とお茶をする。
「そうだね、比較的自由な校風だけど、自分の目指す未来に向かって切磋琢磨しているしている人が多くてとても刺激になるよ。教育水準は、隣国のほうが高めだけれどね。」
「それは素晴らしいですね。来年の入学が楽しみになってきました。」
「まあ、自由を勘違いしている輩もいるけどね…」
お兄様の顔が険しくなった。
「アリー、言うかどうか迷っていたんだけど…実は、皇太子殿下が、同じ1年の男爵令嬢と懇意なのだ。私から見ると、令嬢は、貴族としての常識がないように見えるのだが、殿下は、それを天真爛漫ととらえているように感じる。」
来たわ。ヒロインね。
「皇太子殿下は…アリーがあんなに教育を頑張っていることもご存じなはずなのに!そもそも私の天使アリーのほうが、愛らしく賢く素晴らしいレディだというのに!!父上たちも憤慨している。」
どうどう、お兄様落ち着いて。知っていましたから。
「…ノエルもすごく心配している。」
それはいけないわ!!
「お兄様、私は大丈夫です。ノエル様にもそうお伝えください。私は、今やるべきことを頑張るのみです。」
「…っ!わかった。大丈夫だよ、アリーを誰にも傷つけさせないから。そうだ!アリー、今週末は、王宮に行かなくてもよいのだったね。久しぶりにノエルが遊びに来るんだ。3人でお茶でもどうだい?」
「本当ですか?すごくすごく楽しみです。」
ああ、何を着ましょう。お菓子の準備をしなくては!庭のお花の確認もして、あ!雨が降ったらどこの部屋でお茶をしましょう。さっそく準備にかからなくっちゃ。
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「アリー久しぶりだね。ちょっと会わないと急に大人になったような気がして、心配になるよ。」
優しく微笑むノエル様。
こちらのセリフです。神々がつくりたもうた至上の造形物ノエル様。新しい衝撃を毎回与えてくださる。本日のお召し物も素敵です。
マーガレットの花束を私に?どうしましょう。ドライフラワー、プリザーブドフラワー?ハーバリウムよ!!永遠に枯れないようにしなきゃ。
みずみずしい若葉を揺らす風が心地よい庭で、お茶会が始まった。
「…アリー、ユーグから、その、皇太子殿下の話を聞いたのか?」
「ええ、そうですわね。そのあと皇太子殿下にお会いする機会がありませんでしたので、こちらからは何も確認してはいませんが…今後も聞く予定はございません。」
辛そうな表情のノエル様。
「ノエル、アリーには、気にも留めなくていい相手だと伝えておいた。」
「ああ、その通りだ。アリーが入学するころには、皇太子殿下の気持ちも落ち着くだろう。今は、物珍しく思っておいでなのだ。何も心配することはない。」
「ふふ、お二人ともありがとうございます。私としましては、お二人がいてくださるのですもの。心強い限りです。」
よし、この話はやめようと3人で笑い合う。
これでヒロインと皇太子がシナリオ通り惹かれ合うことは決定した。私が気にしなくてはいけないのは、私の死とノエル様の未来のみ。
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