31 / 66
第1章
31 sideレティシア・ノヴァック侯爵夫人ーお母様ー②
しおりを挟む
小さなころから『おおきくなったら、おかあしゃまの、おてちゅだいをしゅるの』と言っていたアリー。
まさかこんなに早く、それが現実になるとは思わなかったわ。あの子のアイディアも付与魔法も素晴らしい。
ヴィルがお店まで作ったときは、やりすぎよって思ったのだったけど、そんなことはなかった。さすがヴィルね、先見の明があるわ。
おかげで、レナルドが、とてつもなく忙しそうにしているのだけれど、不思議となんだかいつも嬉しそう。でもレナルドもいい年だから体が心配で、それとなく注意をしたのだけれど、
『アイリーンお嬢様が、私のブレスレットに体力回復の付与をしてくださいました。パワーがすごくみなぎって、まるで翼が生えたように体が軽いのです。付与の際、翼を授けると言っていたような気もします。ああ、まさしく天使です。』
今度セルジュに自慢しないと、ですって。あなた、セルジュが邸の執事でいることが、うらやましいのね。
アリーがあなたに懐くのは当然よ。餌付けをしているの知っているんだから。
アリーのデッサンも素晴らしいわね。私がよくわからない物を正確に伝えてくれる。
特にあのくまさんポシェットやテディベア。
熊があんなにかわいいものになるなんて思ってもみなかった。デフォルメだったかしら?どこの国の言葉なのかしらね。時々よくわからない言葉も話すわ。間違って覚えている可能性もあるから、家庭教師に相談ね。ヴィルから見せてもらった王宮でのカリキュラムには他国の言語や絵画の勉強もあったから、そのおかげ…いえ、あの学習量は異常よ。感謝はしないわ。
そうそう、アリーが、黒いテディベアを欲しがった時にはピンと来たわ。ノエル君の色のテディベアをそばに置きたのねって。ふふ。結局1つはユーグに譲ってしまったようだけど。
アリーの想い人の話を口の堅いレナルドにしたら、
『それでしたら、皇太子殿下の色のテディベアも一緒に渡してみてはどうでしょう。』と悪い顔をして、笑っていたわ。
アリーが知ったら嫌われるわよ、あなた。まあ、そうね。一応、皇太子の婚約者だもの。対外的にもカモフラージュは必要ね。
プレオープンの日、2種類のテディベアをアリーに渡したの。あの、顔の落差といったら。レナルドと一緒に思わず吹き出すところだったわ。ノエル君色を大事に抱え、皇太子色はすぐボニーに渡すなんて、あからさますぎて淑女としてはまだまだね。あー可笑しい。でも、アリーの子供らしいところを見られてお母様は嬉しいわ。
アリー、ゆっくり大人になってね。
まさかこんなに早く、それが現実になるとは思わなかったわ。あの子のアイディアも付与魔法も素晴らしい。
ヴィルがお店まで作ったときは、やりすぎよって思ったのだったけど、そんなことはなかった。さすがヴィルね、先見の明があるわ。
おかげで、レナルドが、とてつもなく忙しそうにしているのだけれど、不思議となんだかいつも嬉しそう。でもレナルドもいい年だから体が心配で、それとなく注意をしたのだけれど、
『アイリーンお嬢様が、私のブレスレットに体力回復の付与をしてくださいました。パワーがすごくみなぎって、まるで翼が生えたように体が軽いのです。付与の際、翼を授けると言っていたような気もします。ああ、まさしく天使です。』
今度セルジュに自慢しないと、ですって。あなた、セルジュが邸の執事でいることが、うらやましいのね。
アリーがあなたに懐くのは当然よ。餌付けをしているの知っているんだから。
アリーのデッサンも素晴らしいわね。私がよくわからない物を正確に伝えてくれる。
特にあのくまさんポシェットやテディベア。
熊があんなにかわいいものになるなんて思ってもみなかった。デフォルメだったかしら?どこの国の言葉なのかしらね。時々よくわからない言葉も話すわ。間違って覚えている可能性もあるから、家庭教師に相談ね。ヴィルから見せてもらった王宮でのカリキュラムには他国の言語や絵画の勉強もあったから、そのおかげ…いえ、あの学習量は異常よ。感謝はしないわ。
そうそう、アリーが、黒いテディベアを欲しがった時にはピンと来たわ。ノエル君の色のテディベアをそばに置きたのねって。ふふ。結局1つはユーグに譲ってしまったようだけど。
アリーの想い人の話を口の堅いレナルドにしたら、
『それでしたら、皇太子殿下の色のテディベアも一緒に渡してみてはどうでしょう。』と悪い顔をして、笑っていたわ。
アリーが知ったら嫌われるわよ、あなた。まあ、そうね。一応、皇太子の婚約者だもの。対外的にもカモフラージュは必要ね。
プレオープンの日、2種類のテディベアをアリーに渡したの。あの、顔の落差といったら。レナルドと一緒に思わず吹き出すところだったわ。ノエル君色を大事に抱え、皇太子色はすぐボニーに渡すなんて、あからさますぎて淑女としてはまだまだね。あー可笑しい。でも、アリーの子供らしいところを見られてお母様は嬉しいわ。
アリー、ゆっくり大人になってね。
359
お気に入りに追加
947
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢、猛省中!!
***あかしえ
恋愛
「君との婚約は破棄させてもらう!」
――この国の王妃となるべく、幼少の頃から悪事に悪事を重ねてきた公爵令嬢ミーシャは、狂おしいまでに愛していた己の婚約者である第二王子に、全ての罪を暴かれ断頭台へと送られてしまう。
処刑される寸前――己の前世とこの世界が少女漫画の世界であることを思い出すが、全ては遅すぎた。
今度生まれ変わるなら、ミーシャ以外のなにかがいい……と思っていたのに、気付いたら幼少期へと時間が巻き戻っていた!?
己の罪を悔い、今度こそ善行を積み、彼らとは関わらず静かにひっそりと生きていこうと決意を新たにしていた彼女の下に現れたのは……?!
襲い来るかもしれないシナリオの強制力、叶わない恋、
誰からも愛されるあの子に対する狂い出しそうな程の憎しみへの恐怖、
誰にもきっと分からない……でも、これの全ては自業自得。
今度こそ、私は私が傷つけてきた全ての人々を…………救うために頑張ります!
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
半月後に死ぬと告げられたので、今まで苦しんだ分残りの人生は幸せになります!
八代奏多
恋愛
侯爵令嬢のレティシアは恵まれていなかった。
両親には忌み子と言われ冷遇され、婚約者は浮気相手に夢中。
そしてトドメに、夢の中で「半月後に死ぬ」と余命宣告に等しい天啓を受けてしまう。
そんな状況でも、せめて最後くらいは幸せでいようと、レティシアは努力を辞めなかった。
すると不思議なことに、状況も運命も変わっていく。
そしてある時、冷徹と有名だけど優しい王子様に甘い言葉を囁かれるようになっていた。
それを知った両親が慌てて今までの扱いを謝るも、レティシアは許す気がなくて……。
恵まれない令嬢が運命を変え、幸せになるお話。
※「小説家になろう」「カクヨム」でも公開しております。
婚約者に冤罪をかけられ島流しされたのでスローライフを楽しみます!
ユウ
恋愛
侯爵令嬢であるアーデルハイドは妹を苛めた罪により婚約者に捨てられ流罪にされた。
全ては仕組まれたことだったが、幼少期からお姫様のように愛された妹のことしか耳を貸さない母に、母に言いなりだった父に弁解することもなかった。
言われるがまま島流しの刑を受けるも、その先は隣国の南の島だった。
食料が豊作で誰の目を気にすることなく自由に過ごせる島はまさにパラダイス。
アーデルハイドは家族の事も国も忘れて悠々自適な生活を送る中、一人の少年に出会う。
その一方でアーデルハイドを追い出し本当のお姫様になったつもりでいたアイシャは、真面な淑女教育を受けてこなかったので、社交界で四面楚歌になってしまう。
幸せのはずが不幸のドン底に落ちたアイシャは姉の不幸を願いながら南国に向かうが…
うたた寝している間に運命が変わりました。
gacchi
恋愛
優柔不断な第三王子フレディ様の婚約者として、幼いころから色々と苦労してきたけど、最近はもう呆れてしまって放置気味。そんな中、お義姉様がフレディ様の子を身ごもった?私との婚約は解消?私は学園を卒業したら修道院へ入れられることに。…だったはずなのに、カフェテリアでうたた寝していたら、私の運命は変わってしまったようです。
お城のお針子~キラふわな仕事だと思ってたのになんか違った!~
おきょう
恋愛
突然の婚約破棄をされてから一年半。元婚約者はもう結婚し、子供まで出来たというのに、エリーはまだ立ち直れずにモヤモヤとした日々を過ごしていた。
そんなエリーの元に降ってきたのは、城からの針子としての就職案内。この鬱々とした毎日から離れられるならと行くことに決めたが、待っていたのは兵が破いた訓練着の修繕の仕事だった。
「可愛いドレスが作りたかったのに!」とがっかりしつつ、エリーは汗臭く泥臭い訓練着を一心不乱に縫いまくる。
いつかキラキラふわふわなドレスを作れることを夢見つつ。
※他サイトに掲載していたものの改稿版になります。
旦那様は大変忙しいお方なのです
あねもね
恋愛
レオナルド・サルヴェール侯爵と政略結婚することになった私、リゼット・クレージュ。
しかし、その当人が結婚式に現れません。
侍従長が言うことには「旦那様は大変忙しいお方なのです」
呆気にとられたものの、こらえつつ、いざ侯爵家で生活することになっても、お目にかかれない。
相変わらず侍従長のお言葉は「旦那様は大変忙しいお方なのです」のみ。
我慢の限界が――来ました。
そちらがその気ならこちらにも考えがあります。
さあ。腕が鳴りますよ!
※視点がころころ変わります。
※※2021年10月1日、HOTランキング1位となりました。お読みいただいている皆様方、誠にありがとうございます。
辺境の獣医令嬢〜婚約者を妹に奪われた伯爵令嬢ですが、辺境で獣医になって可愛い神獣たちと楽しくやってます〜
津ヶ谷
恋愛
ラース・ナイゲールはローラン王国の伯爵令嬢である。
次期公爵との婚約も決まっていた。
しかし、突然に婚約破棄を言い渡される。
次期公爵の新たな婚約者は妹のミーシャだった。
そう、妹に婚約者を奪われたのである。
そんなラースだったが、気持ちを新たに次期辺境伯様との婚約が決まった。
そして、王国の辺境の地でラースは持ち前の医学知識と治癒魔法を活かし、獣医となるのだった。
次々と魔獣や神獣を治していくラースは、魔物たちに気に入られて楽しく過ごすこととなる。
これは、辺境の獣医令嬢と呼ばれるラースが新たな幸せを掴む物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる