鬼上司と秘密の同居

なの

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あと少しの辛抱です!

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「ただいま」
帰ってきてもなんの返事も帰って来なくて部屋に入ると
「あれ?海斗?ってこんな所で…」海斗が珍しくソファーに横になっていた。

テーブルの上には薬の空きシートと水が置いてあった。
胃が痛いのか?そういえば顔色もあんまり良くないような感じがする。今日はお袋達も一緒にホテルの試食会と打ち合わせに行くと行ってたが、何かあったのか?
とりあえず、毛布を持ってきてかけてから、海斗の少し長めの前髪をかきあげて、おでこにキスを落とした。

お袋のことお義母さんって呼ばないように、ミスしないようにと言ってたから気を使いすぎて胃痛がしてるのか?疲れたんだな。
「海斗、ありがとうな」俺と付き合うことで色々と大変な思いもしてるんだろう。それでも俺は海斗を手放すことはもうできないんだ。

「海斗、愛してる。これからも俺が海斗を守るし愛し抜くから、いつまでも一緒にいような」
海斗の胃にも優しい料理を作ろうと思ったら海斗の目が開いた。

「海斗、目覚めたか?」

「透さん、ごめんなさい。僕、寝ちゃって…」

「疲れたんだろ?お袋もいたし気を使ったよな。大丈夫だったか?」

「はい。大丈夫でしたよ」

「胃の具合は?」

「大丈夫です」

「じゃあ野菜のスープでも作るか。あとは…何作ろうかな?」

「僕も手伝います」

「もう少しゆっくりしてていいから」

「ありがとうございます。着替えてきます」
まだなんとなく胃が痛いけど、透さんに心配かけるわけにはいかない。きっと寝たら明日には良くなると思っていた…

あれから用意してくれたご飯を食べようとしたら胃の痛みが再発してきた。透さんに心配されたけど、痛くて横になってないと辛かった。
「海斗、大丈夫か?痛みが酷いなら病院行くか?」

「横になってたら大丈夫だから。ごめんなさい」

「気にしなくていいから」
こんなんだから室長にも透さんと似合わないって思われるんだよ。
透さんが俺を選んだってわかったらどんな反応するんだろう…やっぱり、俺が媚び売ってパートナーにしてもらったと思われるんだろうか?

「海斗、今日なにかあったか?」

「え?なんで?」

「顔色悪いし、なんかよからぬことを考えてるんじゃないかな?って…それともなにか言われたか?」

「ううん。大丈夫だよ。何にもなかったから」

「そうか?」
海斗の言葉を信じるしかなかった。あまりしつこく聞いて嫌われるのも嫌だったし、海斗は案外、頑固だから言わない時は言わないし…でも自分が辛くてどうしようもない状態なら頼ってくれると思っていた?
右側を、下にして寝ると少しは楽になるらしく、俺の方を向いて寝てくれるのが嬉しいと思いつつ、海斗の胃痛が少しでも良くなるようにと海斗の薄い腹を撫でてあげながら眠った。

「海斗おはよう。調子はどうだ?」

「透さん、おはようございます。昨日よりは大丈夫です」
まだ多少の痛みは残ってるが、なんとか仕事に行けそうだ。
「じゃあ先に行ってきます」

なんとなく身体もだるくて、胃痛も良くないような感じだけど頑張らないと…

「おはようございます」
いつも通りにメールのチェックをして仕事をしていた。

「小沢…ちょっといいか?」

「あ…はいっ」

「小沢に聞きたいことがあるんだが…」
室長からそう言われて、話出した内容は透さんの就任パーティーで営業部のメンバーからサプライズをしたいのでその時間を作って欲しいと依頼があったようだ。

何か余興的なのをしたいのかな?と思っていたら…

小沢は営業部にいたんだよな。デルと平井にどんな感じにしたいのか、時間はどれくらいいるのかとか打ち合わせしてくれないか?
こちらとしても何も知らなくサプライズを勝手にするのは困るから。まぁ…他の誰かに頼もうと思ったが…誰も適任がいないからな。
ただ、サプライズでするのであれば浅井部長にはわからないように気をつけろよ。と言われた僕は、すぐにデルと平井に連絡した。
するとすぐに返信が来てデルは商談でいないけど平井はランチの時間なら話できると言われて昼に社食に向かった。

「ねぇ、サプライズって時間は10分くらいでいいの?」

「あぁ…それだけあれば…」

「なんか…歯切れ悪いけど」

「…っていうか、小沢それだけ?」
まだ胃の痛みが治らない僕はかけうどんにしてる。

「なんか…胃が痛いんだよね」

「何、悩んでるんだよ」

「いや…別に」

「昨日なんかあったんじゃねぇの。部長には聞いてもらったのか?」

「いや知らない。言ってないから」

「なんで…まぁ言いづらいこともあるかもしれないけどさ。言いたいことは言ったほうがいいぞ」

「でも大したことないから、ありがとう」

「胃痛もパーティーまでの辛抱だろう。お前は愛されてるんだから、自信もてよ。ただ何かあったら相談くらいはのるから」

「平井ありがとう」
平井とこんなふうに話ができるようになってよかった。
人の目を気にしても仕方がない、あと少しでパーティーだ。それまで頑張らないと…それにしても余興って何するんだろう。特に必要なものもないって言ってたけど…




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